「主任どう?と言われたけど、正直やりたいわけじゃない」
「断ったら気まずいし、でも手当がいくらかも聞けていない」
<悩める人>主任って、結局いくら上がるんですか。
調べても相場しか出てこなくて、見合う仕事なのかが分からないんですよね。



その気持ちは、よく分かります。ただ、手当の額をいくら調べても割に合うかどうかの答えは出ません。そこは金額では決まらないからです。
私は理学療法士として、副主任と主任、そしてデイサービスの管理職を経験しました。
主任のときの役職手当は月3万円で、それでも私は割に合っていたと思っています。
ただしそれは、臨床の時間を削ってもらえたからです。
ぜおん
理学療法士14年。不動産会社を経て理学療法士になり、総合病院・老健・介護系会社の4ヶ所で勤務。デイサービスの管理者、老健の主任、教育委員長、介護認定審査員を経験。求人を出す側、面接をする側、辞めていく職員と面談する側にいました。面談のためにメンタルヘルス・マネジメント検定2級と心理カウンセラーも取得しています。
自身の転職は4回、8ヶ所の転職エージェントに登録。リハビリ職・介護職の友人から10人ほどの転職相談を受けています。詳しい経歴はコチラ。
私の役職手当は主任で月3万円でした
まず、いちばん気になるところから書きます。
- 副主任/月15,000円から20,000円ほど
- 主任/月30,000円
年収でいうと、主任の手当だけで年36万円ほどです。
私が最終的に年収500万円まで届いたのは、この役職に就いたうえでの話でした。



思ったより上がるんですね。



そう感じる方もいれば、これだけ増えて3万円かと感じる方もいると思います。その差が、割に合うかどうかを決めます。
相場を調べても答えが出ない理由
主任手当の額を調べると、職場によってかなりばらついています。
ただ、ばらついているのは金額ではありません。
同じ主任でも、任される中身が職場でまったく違います。
同じ主任という名前で、中身がまったく違う仕事が呼ばれているだけです。
臨床を減らしてもらって調整に回る主任もいますし、臨床はそのままで面談と書類だけが増える主任もいます。同じ名前でも、抱える業務量は倍近く違います。
だから金額だけを並べても、自分の場合どうなのかは分かりません。
次に、その中身の話をします。
私がリハビリ主任は割に合ったと思えた理由
先に前提を置きます。
私が副主任と主任をしていたのは老健です。
老健は記録がテンプレ寄りで、もともと残業がほぼありませんでした。
病院のように定時ギリギリまで臨床が埋まって記録が終わらない環境だと、話はまた変わります。



施設タイプで残業の出方はまるで違います。そこは別の記事にまとめました。
そのうえで、結論を書きます。
私の職場は、増えた業務の分だけ臨床の時間を削ってくれました。
これに尽きます。
臨床の時間を削ってもらえました
主任になって、職員の面談や管理といった仕事が増えました。
その代わりに、自分が持つ臨床の担当は減らしてもらえました。
だから主任になって、急に大変になったという感覚はあまりありません。
仕事の中身が入れ替わった、という感じでした。



ここは職場が意識してくれていた部分だと思います。主任に何かを任せるなら、その分の時間をどこから出すのかを決めておく。いま振り返ると、そこがきちんとしていました。
削ってもらえない職場だと同じ3万円でも別の仕事です
ここが本題です。
職場によっては、今までと同じだけ臨床をこなしながら、主任の業務だけが上に乗ります。
そういう職場は、ふつうにあります。
そうなると、増えた分をどこで処理するのかが問題です。
答えは1つしかありません。
定時のあとです。
同じ手当3万円でも、中身はここまで正反対です。
| 臨床を減らしてもらえる | 臨床はそのまま |
|---|---|
| 仕事の中身が入れ替わる | 仕事が上に積み増される |
| 勤務時間内で回る | 定時後に回すしかない |
| 手当3万円は上乗せになる | 手当3万円が残業代の代わりになる |
右側になると、3万円は増えた分の対価ではなくなります。



私はたまたま左側でした。だから割に合ったと言えるだけで、手当の額が高かったからではありません。
そもそも臨床の単位数が重い職場だと、この問題はさらに大きくなります。
単位数のきつさについてはコチラの記事にまとめています。


主任になって実際に増えた仕事
では、何がどれくらい増えるのか。
私の場合に実際に増えたものを、そのまま書きます。
人に関わる仕事が増えました
- 職員の面談
- スタッフの管理
- 自分の臨床以外の時間で行う周りのサポートと穴埋め
この穴埋めが、地味に重いです。
誰かが急に休んだとき、最終的にどうにかするのは主任だからです。
だから私は、自分の担当に最初から余裕を持たせていました。
そうしておかないと、休みが出た瞬間に全部が崩れます。
担当の振り分けも主任の仕事です
誰がどの利用者さんを持つのか。
この振り分けは、私かリハビリ科の課長が決めていました。
ここで単位数を詰め込むと、現場は一気に苦しくなります。
リハビリ科の人間は、基本的に全員を定時で帰らせる。そのために自分の担当には余裕を持たせて、誰かが休んだときには自分が入れるようにしていました。
単位数のノルマは、現場が勝手に決まっているわけではありません。
振り分ける側が、どこまで詰めるかを決めています。



だから主任になると、単位数のきつさは自分の裁量の話に変わります。責任は重くなりますが、変えられる立場でもあります。
いちばん時間を使ったのは仕組みを作り直す仕事でした
意外に思われるかもしれませんが、ここがいちばん大きかったです。
- どの加算を取っていくかの検討(課長と一緒に)
- 計画書のテンプレ化
- そのほかの書類も、どう作ればみんなが楽になるかを考えて組み直す
- 過去のやりにくかった部分や、やり方が間違っていた部分の見直し
主任というと、人を管理する仕事だと思われがちです。
でも実際にいちばん時間を使ったのは、現場のやり方そのものを作り直す仕事でした。
ここは、やっていて面白い部分でもありました。



自分が動くと現場が楽になる。それが目に見えるのは、一般職のときには味わえなかった感覚です。
リハビリ科の外の役割も回ってきます
主任だった年に、施設全体の教育委員会の委員長も任されました。
それまでの教育委員長は、名前だけの役割です。
勉強会は他の委員会や外部講師に丸投げで、内容に一貫性がありませんでした。
そこで事務長と施設長に相談し、1年間の流れを組み立てました。
2か月に1回は、自分で資料を作って人前で勉強会をやりました。
10ほどある委員会の委員長から1年間の目標を聞き取って、代わりにまとめて発表したこともあります。



これは主任の業務ではありません。ただ主任になると、こういう役割が回ってきます。求人票にも面接の説明にも出てこない部分です。
会議と他職種との連携も増えました
これも増えます。
リハビリ科の中だけで完結していたことが、他職種とのやりとりに変わっていきます。
そして会議に出る回数が増えます。
会議は、当然ながら臨床の時間を削って入ってきます。
つまり、臨床を減らしてもらえるかどうかで結果が変わるわけです。
板挟みは本当にありますが方向が想像と違います
主任と聞いて、多くの方が心配するのがここだと思います。



上から数字を求められて、下から文句を言われるんですよね。
板挟みは、たしかにありました。
ただし私の場合、来た方向が少し違います。
上司のきつい言い方を柔らかく伝え直していました
当時の課長は、職員に対する言い方がきつい人でした。
パワハラに近い言動もありました。
そこで私が間に入って、内容を柔らかくして伝え直していました。



それ、主任の仕事なんですか…。
つまり主任の板挟みは、数字の板挟みより先に、言い方の板挟みとして来ます。
これは求人票にも、面接の説明にも出てきません。
部下と看護師の衝突は主任のところに来ます
もう1つが、他職種との間です。
自分の部下が看護師と衝突すると、その話は主任である自分のところに来ます。
本人同士では収まらないからです。
ここで差が出るのが、その施設で他職種との関係ができているかどうかです。
| 関係ができている施設 | できていない施設 |
|---|---|
| 衝突が起きても現場で収まる | 1つずつ主任に上がってくる |
| 間に入る回数が少ない | 調整が日常業務になる |
後者の施設だと、この調整だけで消耗する人はいると思います。
そもそもリハビリ職と看護師がぶつかる構造についてはコチラの記事に書きました。


そして、ここが厄介なところです。
他職種との関係性は、入ってみるまで分かりません。
見学で少し話したくらいでは、まず見えないところです。
ここから先は、これから別の施設で役職ありの求人を見る方向けの話です。
いまの職場で打診されている方は、この先の2つの質問まで飛んでください。
別の施設を見るなら、中にいる人を知っている相手になら聞けます。
リハビリ職専門の転職サービスは、その施設に人を紹介してきた経緯があるので、職種間の雰囲気を把握していることがあります。
\ 職種間の雰囲気を先に確かめる /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
正直なところは記事の後半に書きました。
主任を打診されたら手当より先に聞くべき2つのこと
ここまでが、私が実際に経験したことです。
そのうえで、自分が打診されたときに聞いておけばよかったことを書きます。
私は当時、手当がいくらかは分かっていました。
でも主任になって具体的に何が増えるのかを、先に聞いていませんでした。
結果的にうまくいっただけで、これは運が良かったと思っています。
1つ目は臨床を減らしてもらえるかどうか
いま持っている担当は、主任になったら減りますか。
この1問で、さきほどの表のどちら側かが分かります。
- 減りますと言われたら、どれくらい減るのかまで聞いておく
- そこは相談しながらと言われたら、まだ何も決まっていないということ
- 減りませんと言われたら、次の質問へ進む
減らないという答えなら、増える業務は全部あなたの定時後に乗ります。
そこまで分かったうえで受けるなら、それは判断です。
知らずに受けるのとは、まったく違います。
2つ目は増えた分の残業代が出るかどうか
臨床が減らないなら、次はこれを聞いてください。
主任になったあとの残業代は、これまでどおり出ますか。
ここを確認しないと、手当3万円が、そのまま残業代の代わりです。
私自身、デイサービスの管理職になったときは残業代がつきませんでした。
毎日1時間から2時間は残っていたので、そこは正直きつかったです。



役職に就いたら残業代が出ないのは、当たり前じゃないんですか。
そう思っている方が多いのですが、そこは当たり前ではありません。
主任だから残業代は出ないという説明は通りません
労働基準法には、労働時間や休日の規定が適用されない管理監督者という立場があります(労働基準法第41条第2号)。
参照:厚生労働省「労働時間の基本的ルールを教えて下さい。」(2026年9月確認)
役職者に残業代がつかないのは、これを根拠にしていることが多いです。
ただし、ここには前提があります。
管理監督者は名称にとらわれず、実態に即して判断すべきものと解釈されています。厚生労働省の大阪労働局は、なんらかの役職名さえあれば管理監督者として割増賃金の支払いが免除されるわけではありませんと説明しています。
出典:厚生労働省 大阪労働局「管理監督者の範囲(労働時間の例外)」(2026年9月確認)
同じページには、参考になる裁判例も載っています。
ファミリーレストランの店長について、店長手当を月2万円から3万円もらっていても管理監督者に当たらないとされたものです。
理由は、営業時間中は完全に拘束されて出退勤の自由がなく、仕事の中身が一般の従業員と同じ範囲に及んでいたからでした。
出典は上記と同じ大阪労働局のページ(昭和61年7月30日 大阪地裁判決・昭和60年(ワ)第2243号)です。



自分の出退勤が自由になるわけでもなく、臨床も今までどおり。それで残業代だけ消えるなら、説明を求めていい話だと思います。
もう1つ気をつけたいのがみなし残業です。
私が最後にいた老健は、月20時間分が最初から給料に含まれていました。
この場合、20時間を超えるまで残業代は増えません。
しかも求人票に書かれていないことがあります。
ハローワークに寄せられた求人票と実際の労働条件が違うという申出のうち、いちばん多い内容は賃金に関すること(固定残業代を含む)でした。
出典:厚生労働省職業安定局調べ(平成27年度)。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」参考資料
残業とみなし残業の話はコチラの記事で詳しく書いています。


この2つを角を立てずに聞く言い方
とはいえ、この2つを自分の口から聞くのはかなり勇気が要ります。
やる気がないと思われないだろうか。
打診してくれた相手が上司なら、なおさら言いにくいはずです。
いまの職場での打診なら、これは自分で聞くしかありません。
ただ、聞き方を変えるだけで角は立たなくなります。
やりたくないと伝えると、意欲の話になってしまいます。
そうではなく、回るかどうかの話にしてください。
- やらせていただきたいのですが、いまの担当を持ったままだと回らないと思っています
- 面談や書類の時間は、どこから出せそうですか
この形なら、断っているのではなく条件を詰めているだけです。



打診する側にいたこともありますが、こう聞かれて悪く思ったことはありません。むしろ、そこまで考えてくれているのかと受け取ります。
別の施設で役職ありの求人を見るなら代わりに聞いてもらえます
ここまでは、いまの職場で打診された方に向けた話でした。
これから別の施設で役職ありの求人を見るなら、この2つは代わりに聞いてもらえます。
リハビリ職専門の転職サービスなら、臨床の担当件数や残業代の扱いを、間に入って確認してもらえます。
自分の口から聞かずに済むので、入る前から印象を気にする必要もありません。
先に、正直なところを書いておきます。
登録すると、担当の方から電話がかかってきます。
連絡が来るのが煩わしい方には向きません。
いまの職場で主任を受けると決めている方も、登録しなくて大丈夫です。
それでも、役職に就いてから話が違うとなるよりはましだと思っています。
\ 臨床の担当件数と残業代の扱いを代わりに聞いてもらう /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
※ 掲載内容は2026年9月時点の情報です。
実際に使った方の評判はコチラの記事にまとめています。


引き受けるか断るかで迷っている方へ
最後に、私の考えを書きます。
断っていいと思う条件
- 臨床は今までどおりで、主任業務だけが乗る
- そのうえで残業代が出なくなる
- 他職種との関係が悪く、調整が日常業務になっている
この3つが揃うなら、負荷が強すぎます。
その状態で受けても、続かないと思います。
それでも私は引き受けてよかったと思っています
条件が揃っているなら、私は受けたほうがいいと思います。
引き受けてマイナスになることより、プラスのほうが大きいと感じているからです。
私に打診が来たのは、経験年数が上だったからではありません。
自分より経験年数の長い人は、ほかにもいました。
それでも声がかかったのは、積極的に動いていたからだと思っています。



打診されたということは、その職場であなたが見られているということです。そこは素直に受け取っていい部分だと思います。
1つだけ、正直に書いておきます。
主任経験が転職で評価されたかどうかは、私には分かりません。
主任をやったのが最後の施設で、そのあと転職していないからです。
だからここで、マネジメント経験は強力な武器だとは書きません。
私が言えるのは、仕組みを作り直した経験は、いま自分でやっている仕事にそのまま生きているということだけです。
その先の科長がどういう役割なのかはコチラの記事にまとめました。


リハビリ主任についてよくある質問
リハビリ主任の役職手当はいくらくらいですか?
私の場合は副主任で月15,000円から20,000円ほど、主任で月30,000円でした。同じ主任でも任される中身が職場で違うので、額そのものより臨床を減らしてもらえるかどうかで判断したほうがいいです。
主任になると残業は増えますか?
臨床の担当を減らしてもらえるかどうかで変わります。私は減らしてもらえたので増えませんでした。減らないまま主任業務が乗る職場では、増えます。
主任になると残業代は出なくなりますか?
役職名だけを理由に残業代をなくすことはできません。厚生労働省も、管理監督者は名称ではなく実態で判断すべきものだと説明しています。打診の段階で扱いを確認してください。
経験年数が浅くても主任になれますか?
なれます。私に打診が来たときも、経験年数が長い人はほかにいました。年数の順番ではなく、動いている人に声がかかります。
主任を断ったら職場に居づらくなりませんか?
断り方の問題だと思います。やりたくないと伝えるより、いまの担当を持ったままでは回らないと条件の話にしたほうが、相手も検討しやすくなります。
主任と科長は何が違いますか?
主任は現場に足を残したまま調整する立場で、科長や課長は部署の運営そのものを見る立場です。私の職場では、加算や書類の設計を課長と一緒に進めていました。
まとめ|手当の額ではなく臨床時間を見てください
副主任と主任、そして管理職をやって、いちばん強く思っていることを書きます。
役職手当3万円が割に合うかは、手当の額では決まりません。
- 私の手当は副主任で15,000円から20,000円、主任で30,000円
- 割に合ったのは臨床を減らしてもらえたから
- 増えたのは管理だけでなく仕組みを作り直す仕事
- 板挟みは数字より先に上司の言い方と他職種の調整として来る
- 打診されたら臨床が減るかと残業代が出るかを先に聞く
- 役職名だけを理由に残業代をなくすことはできない
もし今日ひとつだけやるとしたら、いま持っている担当が主任になったら減るのかを確認することだと思います。
そこが決まらないまま返事をすると、あとから戻せません。



私は聞かずに受けて、たまたまうまくいきました。だから次の方には、先に確かめてほしいと思っています。
そのうえで、いまの3万円が妥当なのかを知る方法が1つあります。
同じ役職ありの求人を、外で見てみることです。
役職ありの求人は、手当の額までは書いてあることがあります。
ただし臨床の担当を減らしてもらえるのかは、求人票には出てきません。
そこは、リハビリ職専門の転職サービスに確認してもらえる部分です。
\ 手当の額と担当の減り方を並べて見る /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
介護職の主任について知りたい方はコチラの記事にまとめています。











