「また今日も、ギリギリまで臨床に出てて記録が時間内に終わらない」
「同期はもう帰ってるのに、私だけ今から計画書が…」
<悩める人>毎日1時間は残業してる。
これって、自分が遅いだけなんだろうか。



みんな当たり前にやっているし、要領が悪いのは自分なのかなと思って…。



その考え方、いったん止めてください。残業の量は、あなたの要領ではなく働く場所で決まります。
私は理学療法士として、病院・老健・訪問・デイサービスの4か所で働きました。
同じ理学療法士なのに、残業の量は場所によってまるで違いました。
この記事では、残業代が全部は出ない理由とみなし残業の落とし穴まで、正直に書きます。
ぜおん
理学療法士14年。不動産会社を経て理学療法士になり、総合病院・老健・介護系会社の4ヶ所で勤務。デイサービスの管理者、老健の主任、教育委員長、介護認定審査員を経験。求人を出す側、面接をする側、辞めていく職員と面談する側にいました。面談のためにメンタルヘルス・マネジメント検定2級と心理カウンセラーも取得しています。
自身の転職は4回、8ヶ所の転職エージェントに登録。リハビリ職・介護職の友人から10人ほどの転職相談を受けています。詳しい経歴はコチラ。
私の場合いちばん残業が多かったのは病院でした
ます、私の経験を元に、勤めるタイプごとに残業の有無をお伝えします。
- 病院/毎日30分〜1時間が最低ライン
- 老健/ほぼなし
- 訪問/まずなし
- デイサービス/一般職のときはなし。管理職になると毎日2時間以上
同じ資格で、同じように働いていたつもりでした。
それでも残業の量は、場所でここまで変わりました。
まず自分がどのあたりか確かめてください
場所の話に入る前に、目安を置いておきます。
| 月の残業時間 | 見方 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 10時間未満 | 日々少し残る程度 | 記録や会議が勤務内に収まっているか |
| 20時間前後 | 定時後の記録が習慣化しやすい | 残業理由が特定できるか |
| 45時間前後 | かなり重い状態 | 36協定・残業代・健康面を確認 |
| 45時間超が続く | 職場運用の見直しが必要 | 人員配置やノルマが現実的か |
毎日1時間の残業なら、月におよそ20時間です。



ここで大事なのは、この数字が「あなたの能力」ではなく「職場の作り」で決まるということです。次でその中身を書きます。
病院で残業が減らなかった理由は記録でした
病院では、定時ギリギリまで臨床が入っていました。
記録を書く時間は、20分から30分ほど確保されていたと思います。
ただ、病院の記録はしっかり書かないといけません。
その20分から30分では、どうしても終わりませんでした。



つまり、記録の時間が用意されていても、書く量に対して足りていなかったということです。あなたが遅いのではありません。
加えて、病院のときは勉強会も多くありました。
この勉強会については、あとで詳しく書きます。
老健と訪問はほとんど残業がありませんでした
私が入った老健では、残業はほぼありませんでした。
理由ははっきりしていて、記録がテンプレートに近い形でよかったからです。
イベントや老健大会の発表準備があるときは、さすがに残りました。
ただ、日常的に残るということはありませんでした。



訪問リハビリに至っては、残業はまずありません。訪問が終われば、その日の仕事は終わりです。
- 残業の量を決めていたのは、書類の重さでした
臨床の忙しさではなく、記録にどれだけ求められるかで決まっていた、というのが4か所を回った実感です。
ただし病院だからダメという話ではありません
ここは誤解されたくないので、はっきり書いておきます。
いま書いたのは、あくまで私が働いた4か所の話です。
病院のなかにも、そこをしっかり整えているところはあるはずです。
逆に、老健でも残業が多いところはあると聞きます。
つまり同じ施設タイプでも、職場によって差があります。



じゃあ結局、入ってみないと分からないってことですか?
そう思いますよね。



入る前に確かめる方法はあります。ただその前に、残業について知っておいてほしいことが3つあるので、先にそちらを書かせてください。
「残業代が出る」に騙されないで!
1つ目です。
病院では、申請すれば残業代はもらえました。
ただ、残った時間を全部申請するのは、正直しづらいです。
私の場合、実際はこうしていました。
1時間残ったら、30分くらいの残業代を申請する。
全部つけるのは、なんとなく気が引けました。
これは職場に強制されたわけではありません。
それでも、そういう空気はありました。



私も1時間残業してるのに、申請できてません…
勉強会には最初から残業代がつかないケースが多い
もう1つ、はっきりしていたことがあります。
勉強会には、残業代がつきませんでした。
病院のときは、その勉強会が多かったです。
ただし、ここは知っておいてほしいことがあります。
厚生労働省の「労働時間の適正な把握方法」では、自主的な研修などとされていても、使用者の指揮命令下に置かれている時間は労働時間として扱う必要があると説明されています。
出典:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」
分かれ目は、任意参加なのか、実質的に参加を求められているのかです。
参加しないと評価に響くような空気があるなら、それは自主的とは言いにくいはずです。



私は当時そこまで考えていませんでした。ただ「残業代が出る職場」と「残業代が全部出る職場」は別物だと、いまなら思います。
ここまで読んで、いまの職場はどうなんだろうと気になったはずです。
リハビリ職専門のエージェントを使えば、自分では直接聞きづらいことも代わりに聞いてくれます。
勉強会に残業代がつくのか、申請はどこまで通るのか。
面接で自分から切り出さずに済むので、印象を気にする必要もありません。
\ 勉強会と申請の扱いを代わりに聞いてもらう /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
登録後に担当の方から電話が来ます。詳しくは記事の後半に書きました。
みなし残業に気をつけてください
2つ目です。
これは私が最後に勤めた老健で、実際にあった話です。
月20時間までは、みなし残業として給料の中にすでに入っていました。
つまり、20時間を超えないと、残業代はそもそもプラスになりません。
月に15時間残業しても、給料は1円も増えないということです。
- みなし残業の時間は、契約書には書いてありました
- 求人票に書いてあったかどうかは、正直覚えていません
そして、いちばん気をつけてほしいのがここです。
求人票に「残業代支給」と書いてあっても、みなし残業の枠の中なら手取りは変わりません。
じつは求人票に書く義務があります
みなし残業を給料に含めるなら、求人票に明示することになっています。
厚生労働省は、若者の募集・求人について、次の3つすべてを明示するよう求めています。
- 固定残業代を除いた基本給の額
- 固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法
- 固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う旨
出典:厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」(若者雇用促進法に基づく指針・青少年が応募する可能性のある募集や求人が対象)
つまりここが書いていない求人票は、指針が求める形になっていません。



逆に言えば、ここが書いてあるかどうかは、求人票を見る側のチェックポイントです。書いていなければ、面接の前に聞いておきましょう。
管理職になると残業代がつかなくなることがあります
3つ目です。
デイサービスにいたころ、一般職のあいだは残業がありませんでした。
ところが管理職になった途端、毎日1時間から2時間の残業が発生しました。
そして、その残業には残業代がつきませんでした。
役職手当はありましたが、増えた時間に見合っていたかというと、正直そうは思えませんでした。
主任や管理者を打診されている方は、手当の額だけでなく、残業の扱いがどうなるかも先に聞いておいてください。
主任になると何が増えるのかはコチラの記事に書いています。


単位数を割り振っていたのは現場ではありません
ここで、割り振る側にいたときの話をさせてください。
誰が何単位を持つかは、私かリハビリ科の課長が最初に決めていました。
つまりあなたの1日の重さは、あなたが決めたものではありません。
そのうえで、私は自分の担当を少なめにしていました。
自分も臨床に出ますが、少し余裕を持たせておく。
誰かが休んだとき、そのサポートに入れるようにするためです。
逆に言えば、全員の枠を埋めきっている職場は、1人休んだ時点で回らなくなります。
その穴を埋めるのは、いつも現場のスタッフです。



だから残業が減らない職場は、たいてい割り振りの段階で余白がありません。個人が頑張って埋める話ではないんです。
部下の残業は減らせました
自分の残業は増えましたが、部下の残業は減らせました。
老健で主任をしていたときは、リハビリ科の人間は基本的に全員、定時で帰らせるようにしていました。
デイの管理職のときも、先に「帰っていいですよ」と伝えていました。
それでも、時間のある方が自分の意思で残って作業してくれることはありました。



つまり、上に立つ人が「帰っていい」と言うかどうかで、現場の残業はけっこう変わります。ここは職場選びで見るべきところです。
単位数がきついと感じている方はコチラの記事もあわせてどうぞ。


では残業の実態をどう見抜くか
ここまで読んで、こう思ったはずです。



そんなの、入る前に分かるわけないですよね。
まず前提として、求人票はあまり当てにしないほうがいいです。
書いてある残業時間と実際が違うことは、ふつうにあります。
求人票と実際が違うという相談は、実際に国にも寄せられています。
ハローワークに寄せられた「求人票の記載内容と実際の労働条件が違う」という申出・苦情のうち、いちばん多い内容が「賃金に関すること(固定残業代を含む)」でした(平成27年度)。
出典:厚生労働省職業安定局調べ(平成27年度)。厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク「固定残業代を賃金に含める場合は、適切な表示をお願いします」参考資料
みなし残業のように、求人票では見えにくい条件があるということです。
結局は聞くしかありません
身も蓋もないのですが、見学や面接で聞くのがいちばん確実です。
聞くとしたら、この3つだと思います。
- 記録はいつ書いていますか
- 計画書などの書類は、時間内に終わりますか
- みなし残業は何時間分含まれていますか
2つ目が特に効きます。
リハビリ職は記録だけでなく、計画書をはじめ書くべき書類がたくさんあるからです。
ただ正直これは自分では聞きづらい質問です
とはいえ、これを面接で自分から聞くのはかなり勇気が要ります。
働く気がないと思われないだろうか。
そう考えて飲み込んでしまう気持ちは、よく分かります。
聞きづらいなら、代わりに聞いてもらうという手があります。
リハビリ職専門の転職サービスなら、残業やみなし残業の扱いを、間に入って確認してもらえます。
自分の口から聞かずに済むので、印象を気にする必要もありません。
先に正直なところを書いておきます。
登録すると、担当の方から電話がかかってきます。
連絡が来るのが煩わしい方には向きません。
それでも、入ってから「話が違う」となるよりはましだと思っています。
\ 残業とみなし残業の扱いを代わりに聞いてもらう /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
※ 掲載内容は2026年9月時点の情報です。
どの転職サービスを使うか迷っている方はコチラの記事で比べています。


実際に使った方の評判はコチラの記事にまとめています。


理学療法士の残業についてよくある質問
理学療法士の残業は月どのくらいが普通ですか
職場によってまったく違うので、平均で考えないほうがいいです。私の場合は病院で毎日30分から1時間、老健と訪問はほぼゼロでした。
残業が多いのは自分の要領が悪いからでしょうか
そうとは限りません。記録にどこまで求められるかで、必要な時間は決まります。時間内に終わらない量なら、それは個人の問題ではありません。
みなし残業とは何ですか
あらかじめ一定時間分の残業代を給料に含めておく仕組みです。私がいた老健は月20時間分が含まれていて、そこを超えるまで残業代はプラスになりませんでした。
勉強会や委員会にも残業代は出ますか
職場によります。私がいた病院では、勉強会に残業代はつきませんでした。応募前に確認しておいてください。
面接で残業について聞くと印象が悪くなりませんか
採用する側にいた立場から言うと、条件を確認すること自体を悪く思ったことはありません。それでも聞きづらいなら、転職サービスに代わりに確認してもらう方法があります。
まとめ|残業は要領ではなく場所で決まります
4か所で働いて、いちばん強く感じたことを書きます。
残業が多いのは、あなたが遅いからではありません。
- 私の場合いちばん残業が多かったのは病院で、毎日30分から1時間
- 老健と訪問はほぼゼロ。記録の重さで決まっていた
- ただし同じ施設タイプでも職場によって差がある
- 残業代が出る職場と全部出る職場は別物。勉強会にはつかなかった
- みなし残業が含まれていると、その枠の中では手取りが増えない
- 管理職になると残業代がつかなくなることがある
もし今日ひとつだけやるとしたら、いまの職場のみなし残業が何時間分か、契約書を確認することだと思います。
知らずに働いている方は、けっこう多いはずです。



私も、最後の老健で契約書を読み返すまで気づいていませんでした。だからこそ、次に選ぶときは先に確かめてほしいと思っています。
リハビリ職の給料や単価がどうなっているかはコチラの記事で、国の資料を見ながら整理しています。


\ 次の職場は契約書を見る前に確かめる /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。









