理学療法士と看護師が仲悪い?問題は職種ではなく、たいてい1人だけです

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問題は職種じゃないと書かれたアイキャッチ。考えている理学療法士のイラスト

「ナースステーションに入った瞬間、話し声がふっと止まる」
「きのうは普通に話せたのに、今日は目も合わせてもらえない」
「自分が言っていないことが、なぜか回りまわって戻ってくる」

<悩める人>

看護師さんと、なんとなく仲が悪いんです。毎日ピリピリしていて、職場に行くのがつらくて。

<ぜおん>

そのつらさ、よく分かります。ただ、ひとつだけ先に聞かせてください。いま顔が浮かんでいるのは、何人ですか?

私は老健とデイサービスで、主任や管理者として看護師と一緒に働いてきました。

リハビリと看護のあいだに入って、揉め事を収めたことも何度もあります。

そのうえで正直に言うと、「看護師と仲が悪い」と感じているとき、問題になっているのは職種全体ではなく、たいてい特定の1人です。

そして、ここが大事なところなのですが。その1人は、距離を取れば済む相手かもしれないし、辞める理由になるほど大きいかもしれません。

私自身、看護部長1人が理由で職場を辞めています。だからこの記事では、その見分け方を書きます。

先にお断りしておくと、ここに書くのは老健とデイサービスで見てきたことです。病院はまた事情が違うと思うので、そこは差し引いて読んでください。

この記事を書いた人

ぜおん

理学療法士14年。不動産会社を経て理学療法士になり、総合病院・老健・介護系会社の4ヶ所で勤務。デイサービスの管理者、老健の主任、教育委員長、介護認定審査員を経験。求人を出す側、面接をする側、辞めていく職員と面談する側にいました。面談のためにメンタルヘルス・マネジメント検定2級と心理カウンセラーも取得しています。

自身の転職は4回、8ヶ所の転職エージェントに登録。リハビリ職・介護職の友人から10人ほどの転職相談を受けています。詳しい経歴はコチラ。

目次

顔が浮かぶのは何人ですか?

いきなり結論から書きます。

ここが分かると、悩みの大きさが変わります。

リハと看護はそこまで深く関わりません

意外に思われるかもしれませんが、リハビリ職と看護師は、そこまで深く関わらないことのほうが多いです。

申し送り、時間の調整、カンファレンス。

接点はありますが、一日の大半はお互い別の仕事をしています。

同じ職種の中にいる時間のほうが、ずっと長いはずです。

パワハラはたいてい自分の上司から来ます

これは私自身の経験でもあり、周りを見ていて感じたことでもあります。

私が最初の職場でパワハラを受けたのは、看護師からではなく、リハビリの当時の科長からでした。

周りを見ていても、パワハラと呼べるような言動が出てくるのは、たいてい自分の上司からです。

リハビリ職ならリハビリの上の人から。

看護師との関係でつらいと感じていても、指示や評価を握っているのは看護師ではありません。ここは分けて考えたほうがいいです。

現場のみんながやっているのは「近寄らない」です

身も蓋もない話をします。怪しそうな人がいたら、そもそも関わらない。これが現場でみんながやっていることです。

私が最後にぶつかった看護部長も、みんな関わりたがりませんでした。基本は挨拶だけして、あとはできるだけ近寄らない。全員がそうしていました。

<ぜおん>

逃げているようですが、これは現場の知恵です。全員と仲良くする必要はありません。

ここまでの結論

「看護師と仲が悪い」と感じていても、たいていは職種全体の話ではありません。顔が浮かぶ1人か2人の話です。そして多くの場合、距離を取れば済みます。

それでもぶつかりやすい構造はあります

とはいえ、リハビリと看護がぶつかりやすいのには理由があると感じています。ここから先は、本人たちに確かめたわけではない私の見立てです。そのつもりで読んでください。

医師といちばん近い距離にいるのが看護師です

施設や病院の中で、医師と日常的に話しているのは看護師です。

指示を受け、状態を伝え、判断を仰ぐ。

その距離の近さが、結果として立場の感覚に出ることがあるのではないかと思っています。

本来は、リハビリも看護も介護も、それぞれ別の専門職です。

上も下もありません。

ただ、そう思えていない場面に出会うのは、正直あります。

分かりやすいのが、こちらの指摘が正しくても、指摘されたこと自体で怒られるという場面です。

内容の話ではなく、言われたことのほうが問題になってしまう。

上のふるまいは下に伝わります

ただ、これを個人の性格の話にすると見誤ります。

上に立つ人がそう振る舞っていれば、下もそうなります。これは看護に限った話ではなく、どの職種でも同じです。私がリハビリの主任だったときも、自分の態度が下に伝わるのは意識していました。

主任として何が増えて、何を任されたのかはコチラの記事にまとめています。

<ぜおん>

つまり、目の前の看護師さん個人が悪いというより、その職場の空気がそうなっている、ということが多いです。

私の経験では老健がいちばんぶつかりました

働いた場所によって、はっきり違いがありました。

施設タイプ別の実感
  • 老健
    いちばんぶつかりやすい。ご年配の看護師が多く、プライドの高い方も多かった
  • 病院
    同じ傾向はあるが、若い看護師も多い。若い方は上下なく同じ目線で話せる人が多かった
  • デイサービス
    リハビリが自分1人だったので、そもそも問題にならなかった

いま老健で悩んでいるなら、それはあなたの立ち回りが下手だからではありません。単純に、そういう構成の職場だというだけです。

よくある揉め方はだいたい2つ

間に入って収めてきた経験から言うと、揉め方には型があります。自分がどちらに巻き込まれているのか分かると、対処が変わります。

① その日の機嫌に小さな不満がぶつかる

ご年配の方が多く、女性が多い職場では、その日によって機嫌が違うことがあります。

イライラしている日に小さな不満が重なると、そこで爆発してしまう。

これは、あなたの行動が原因とは限りません。たまたまその日だった、というのが本当にあります。

② 陰口が第三者を経由して回る

こちらのほうが厄介です。

施設は裏での陰口が多い職場です。

これは看護とリハに限った話ではなく、どこでも起きます。

そして、それを聞いた第三者が別の人に伝える。伝わるうちに形が変わり、気づいたときには本人同士の話ではなくなっています。

<ぜおん>

だから、誰かの陰口を聞いても乗らない。これが自分を守る一番の方法です。

うまくやっている人がやっていること

では、看護師とうまくやれているリハビリ職は何をしているのか。

管理者として見てきた答えは、拍子抜けするほど単純でした。

毎日のコミュニケーション。それだけです。

挨拶から始まって、日常的によく話している。

それができている人は、比較的うまくいっていました。

特別なテクニックを使っていた人は、ひとりも見ていません。

ただ、ここで終わらせると嘘になります。

それでも、感情的に怒られることはありました。毎日話していても、相手の機嫌が悪い日には起こります。コミュニケーションを取れば全部解決する、という話ではありません。

<ぜおん>

だから「もっと話しかけなきゃ」と自分を追い込まないでください。やることをやって、それでも起きるものは起きます。

それでも無理な相手を見分ける2つのサイン

ここからが本題です。距離を取れば済む相手なのか、それとも一緒にやっていけない相手なのか。私が判断に使っていたサインは2つあります。

  • 明らかに間違っていることでも、指摘すると怒る
  • 同じことをしていても、人の好き嫌いで対応が変わる

1つ目だけなら、まだなんとかなります。

言い方を変える、タイミングを選ぶ、そもそも指摘しない。

工夫の余地があります。

きついのは2つ目です。嫌いな人には怒り、好きな人には笑って注意する程度で終わる。同じことをしているのに、です。

これは努力では埋められません。基準が相手の感情の側にあるので、こちらが何を改善しても届かないからです。

私は、この2つが揃ったところで「この人とは一緒にやっていけない」と判断しました。

私が辞めた理由は看護部長ではありませんでした

ここは少し長くなりますが、この記事でいちばん伝えたいところなので書かせてください。

みんなの前で言われた一言

2023年の4月から、私は施設全体の教育委員会の委員長になりました。

それまでの教育委員長は、正直に言えば名前だけの役職でした。勉強会は他の委員会や外部講師に任せきりで、委員長が自分で講義をしたのは一度もない。職員の教育として一貫性がなく、適当だと感じていました。

だから事務長や施設長と話しながら、1年間の流れを全部組み立て直しました。

2か月に1回は自分で資料を作り、みんなの前に立って勉強会をやりました。

最初の2か月ごろ、会社の理念と進む方向をみんなが分かっておくことが大事だと考えて、こういう会を企画しました。10ほどある各委員会の委員長に、その年の方向性と目標を決めてもらい、みんなの前で発表する。

ところが当日、委員長たちの多くが出席できませんでした。なので私が全員から聞き取って取りまとめ、代わりに全部発表しました。

勉強会が終わり、最後の質疑の時間。

その看護部長が手を挙げて、立ち上がって、みんなの前でこう言いました。

「あなたは教育委員の委員長は委員会の中で一番偉いんですか?」

そのとき出てきたのは、怒りではありませんでした。

俺は、何のために頑張っているんだろうな。

決め手は相談したあとに起きたことでした

ただ、私はこの一言で辞めたわけではありません。

その後、事務長に相談に行きました。返ってきたのは、「まあまあまあ」となだめる言葉だけでした。それ以上は何も起きませんでした。

そこで、この施設で頑張っても意味がないなと思いました。

辞める決断をしたのは、その瞬間です。

3つ目のサイン

上に相談しても、なだめられて終わる。
これが揃ったとき、そこから先は個人の問題ではありません。職場の問題です。

1人の問題なら、距離を取れば済みます。

この記事の前半に書いたとおりです。

でもその1人を組織が放置しているなら、それは組織がそういう場所だということです。

個人の工夫では、絶対に動きません。

<ぜおん>

主任まで務めて、教育委員長も引き受けて、それでも私は辞めました。あなたが辞めたいと思っていることは、甘えではありません。

もし3つとも当てはまるなら、いま自分を責めるのをやめて、外の職場を見ておくだけでも意味があります。比べる先があるだけで、明日の見え方が変わります。

リハビリ職専門の転職サービスなら、求人票に出ていないリハと看護の関係や、職場の雰囲気まで聞いてもらえます。自分で問い合わせて聞きにくいことを、代わりに確認してもらえるのが一番の使いどころです。

先に正直なところを書いておきます。

登録すると、担当の方から電話がかかってきます。連絡が来るのが煩わしい方には向きません。

それでも、いまの職場しか知らない状態で「ここしかない」と思い込んでいる方には、見ておく価値があります。逆に、まだ我慢できると思える方は、登録しなくて大丈夫です。

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※ 掲載内容は2026年9月時点の情報です。

理学療法士と看護師の関係でよくある質問

看護師と仲が悪いのは、私の立ち回りが下手だからでしょうか?

そうとは限りません。ご年配の看護師が多い職場ほど起きやすいという傾向があります。私の経験では老健がいちばんぶつかりました。職場の構成の問題であることが多いです。

もっと積極的に話しかけたほうがいいですか?

毎日のコミュニケーションは効きます。ただ、それでも感情的に怒られることはあります。話しかける量を増やせば全部解決する、という話ではないので、自分を追い込まないでください。

苦手な人を避けるのは、逃げでしょうか?

逃げではありません。現場ではみんなやっています。私が最後にぶつかった看護部長にも、周りは挨拶だけしてできるだけ近寄らないようにしていました。全員と仲良くする必要はありません。

上に相談したほうがいいですか?

一度は相談してみてください。そのうえで、なだめられて終わるかどうかを見てください。組織が動くなら残る価値がありますし、動かないなら個人の工夫では変わりません。それが判断材料です。

人間関係を理由に辞めるのは、印象が悪くなりませんか?

採用する側にいた経験から言うと、退職理由そのものより、それを自分の言葉で説明できるかどうかを見ています。前の職場を悪く言い続ける形にならなければ、問題になりません。

まとめ|職種の問題にすると打つ手がありません

「看護師と仲が悪い」と職種の話にしてしまうと、相手が大きすぎて打つ手がありません。

でも実際に困らせているのは、たいてい顔が浮かぶ1人か2人です。

  • リハと看護はそこまで深く関わらない。パワハラは自分の上司から来ることが多い
  • 怪しい人には挨拶だけして近寄らない。現場のみんながやっている
  • ぶつかりやすい構造はある。老健がいちばん多い。あなたの立ち回りの問題ではない
  • うまくやっている人は毎日話しているだけ。ただし、それでも怒られることはある
  • 無理な相手のサインは①指摘すると怒る ②好き嫌いで対応が変わる
  • そして③相談しても組織が動かない。ここが揃ったら、環境を変えていい

もし今日ひとつだけやるとしたら、いま困らせている人の顔を、実際に数えてみることだと思います。

ほとんどの場合、思っているより少ないはずです。

そして数えた結果その1人が上司で、相談しても何も起きないなら。それはあなたが我慢すべき問題ではありません。

<ぜおん>

私も、そこで辞めました。いまはあのとき決めてよかったと思っています。

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