「先輩の機嫌を伺うだけで、毎日胃が痛い…」
「挨拶しても無視される。これって私だけ?」
理学療法士として患者さんのために頑張りたいだけなのに、職場の人間関係やいじめに悩み、心をすり減らしている方は少なくありません。
職場によっては、真面目な人ほどいじめられてしまうケースもあります。
本記事では、理学療法士の現場で実際に起きているいじめの事例や、いじめをする人の特徴、そして「自分の身を守るための具体的な行動」について解説します。
「今の環境から抜け出したい」と少しでも思っているなら、この記事が新しい一歩を踏み出すきっかけになるはずです。
なぜ?理学療法士(PT)の現場にいじめ・パワハラが多い3つの理由

毎日、職場に行くのが怖くて、胃が痛くなるような思いをしている人もいるかもしれません。
私は過去4ヶ所で勤務してきましたが、1ヶ所で現場を目撃しており、1ヶ所では私自身がパワハラ行為を受けていました。
実は、理学療法士(PT)の現場でいじめやパワハラが起きやすいのには、業界特有の理由があります。
その根本的な原因を、一緒に紐解いていきましょう。
閉鎖的な空間と「徒弟制度」の名残り
リハビリ室という空間は、物理的にも精神的にも閉鎖的になりがちですよね。
スタッフ同士の距離が近く、一度人間関係がこじれると逃げ場がありません。
また、医療業界には古くからの悪習が根強く残っている傾向があります。
- 「技術は先輩から見て盗むもの」という古い価値観
- 「先輩の言うことは絶対」という過剰な上下関係
- 指導という名目のもと、人格否定が許されてしまう雰囲気
こうした環境では、理不尽な指導も「教育」として正当化されがちです。
「昔はもっと厳しかった」なんて言葉で、封じ込めようとする人もいます。
それは決して当たり前のことではなく、放置しておいて良い職場になるわけがありません。
ストレスのはけ口になりやすい環境
理学療法士の仕事は、患者さんの心身を支える素晴らしい仕事ですが、同時に激務でもあります。
膨大な書類業務、単位数のプレッシャー、他職種との連携など、常に気を張っていますよね。
残念なことに、そのストレスの矛先が「立場の弱い新人や後輩」に向かってしまうことがあります。
- 自分の機嫌で態度を変える
- 患者さんの前でわざと指摘をして恥をかかせる
- 些細なミスを執拗に責め立てる
余裕のない職場環境が、本来優しいはずの人を変えてしまっているケースも少なくありません。
評価基準が曖昧で感情論になりやすい
リハビリテーションのアプローチには、「絶対的な正解」が一つだけではないため、評価や指導の基準が曖昧になりやすいです。
そのため、指導通りにしない人に対して、「気に入らない」という感情論でダメ出しをされてしまうこともあります。
【実録】現場で見られる陰湿ないじめ・パワハラの事例

医療・福祉業界は、閉鎖的な環境になりがちですよね。
スタッフ同士の距離が近い分、一度人間関係がこじれると、逃げ場がなくて本当に苦しいと思います。
「自分だけがターゲットにされているかもしれない…」
そう不安に思うあなたへ、現場でよく見られるいじめやパワハラの事例をまとめました。
読んでみて「当てはまる」と感じたら、それはあなたのせいではなく、職場環境の問題です。
無理に耐えようとせず、心を一番に守ってください。
精神的な攻撃(無視・暴言・ため息)
挨拶をしても無視されたり、すれ違いざまに舌打ちをされたり…。
こういった精神的な攻撃は、ボディブローのようにじわじわと心を削っていきます。
特に「指導」という名目での暴言は、反論できずに自分を責めてしまいがちです。
理学療法士の現場では、以下のような陰湿な態度が見受けられます。
- 挨拶をしても、特定のスタッフだけ無視される
- 報告や相談に行くと、あからさまに嫌な顔をして「はぁ…」と大きなため息をつく
- 「こんなことも分からないの?」「学校で何を習ってきたんだ」と人格を否定する
- 患者さんの前で大声で怒鳴りつけ、恥をかかせる
これらは明らかに指導の範囲を超えています。
毎日こんな態度を取られたら、出勤するだけでお腹が痛くなるのも無理はありません。
業務上の嫌がらせ(過剰な指導・仕事の丸投げ)
「新人なんだから当たり前」という空気感で、理不尽な業務量を押し付けられていませんか?
業務上の嫌がらせは、真面目な人ほど「自分が頑張ればいいんだ」と抱え込んでしまう傾向があります。
ですが、それは決してあなたの能力不足ではありません。
いじめ体質な職場では、次のようなことが平然と行われています。
- 絶対に定時で終わらない量のカルテ業務やリハビリ実施計画書を押し付ける
- 「勉強のため」と言って、雑用や掃除ばかりを一人にやらせる
- 必要な情報をわざと教えず、ミスをした時だけ「なんで聞かなかったの?」と責める
- シフトの希望を勝手に却下したり、有給休暇を取らせない雰囲気を作る
もし、心身ともに限界を感じているなら、それは「逃げてもいいサイン」です。
正常な職場であれば、業務はチームで分担し、助け合うものだからです。
人間関係の切り離し(陰口・仲間外れ)
女性が多い職場や、古株のスタッフが幅を利かせている職場で起こりやすいのが「仲間外れ」です。
スタッフルームに入った瞬間に会話が止まる、あの居心地の悪さは耐え難いですよね。
まるで学生のような陰湿な嫌がらせが、大人の職場でも起きてしまっています。
- 飲み会やイベントの情報が自分にだけ回ってこない
- ヒソヒソ話をして、こちらを見て笑っている
- LINEグループに招待されない、あるいは自分以外の裏グループがある
- 根も葉もない悪い噂を他のスタッフや他職種に流される
こんな環境で働き続けることは、理学療法士としての成長以前に、あなたの人生の時間を浪費してしまいます。
人間関係の悩みは、環境さえ変えれば嘘のように解決することが多いものです。
「もう限界かもしれない」と感じたら、外の世界に目を向けてみるのも一つの選択肢です。
要注意!いじめやパワハラをする人の特徴

ここでは、いじめやパワハラを起こしやすい「危険な人物」の特徴を整理しました。
「あ、あの人のことだ」と気づくだけでも、心が少し軽くなるはずです。
気分屋で感情のコントロールができない
その日の気分によって態度が変わる上司や先輩の顔色を伺って、ビクビクしながら働くのは本当に疲れますよね。
自分の機嫌を仕事に持ち込むのは、社会人としても医療従事者としても未熟な証拠です。
- 機嫌によって指示の内容がコロコロ変わる
- プライベートのイライラを部下にぶつける
- 自分のお気に入りのスタッフだけエコ贔屓する
このタイプは理屈が通じないことが多く、真面目に向き合うと消耗してしまいます。
「今日は台風が来ているんだな」と割り切って、心のシャッターを下ろして対応するのが一番です。
自分に自信がなく、マウントを取りたがる
実は、攻撃的な人ほど「自分に自信がない」というケースが非常に多いです。
優秀な後輩が入ってくると、「自分の立場が奪われるかも」と不安になり、攻撃してきます。
- わざとみんなの前で小さなミスを大声で指摘する
- 聞いてもいない知識をひけらかし、説教を始める
- 「まだそんなこともできないの?」と人格を否定する
本当に実力と自信がある理学療法士は、わざわざマウントを取る必要がありません。
攻撃してくる相手は「自分の弱さを隠そうと必死な人」だと見抜いて、心の中で距離を置きましょう。
「昔はもっと厳しかった」が口癖の体育会系
「俺たちの時代は寝る間も惜しんで勉強した」
「これくらいで弱音を吐くな」
そんな時代錯誤な「根性論」を押し付けられて、精神的に追い詰められていませんか?
指導という名目で、理不尽な要求やいじめが正当化されやすいのがこのタイプの特徴です。
- サービス残業や休日出勤を美徳としている
- 体調不良で休むことを「気合いが足りない」と責める
- ハラスメントに対する意識が極端に低い
残念ながら、こうした古い価値観が染み付いた職場風土は、個人の力ではなかなか変えられません。
もしあなたが限界を感じているなら、無理をして耐え続ける必要はありません。
今はもっと近代的で、スタッフを大切にするホワイトな職場もたくさんあります。
あなたの心身が壊れてしまう前に、「環境を変える」という選択肢も視野に入れてみてください。
もう限界…と感じた時にすぐやるべき対処法

今の辛い状況から抜け出し、あなた自身の心と体を守るためにできることをお伝えします。
無理せず、できることから少しずつ始めてみてください。
いじめの証拠(記録・録音)を残す
辛い記憶を振り返るのは苦しい作業かもしれません。
ですが、いざという時にあなたを守る最強の「お守り」になります。
「戦うため」と考えず、まずは自分の正当性を証明する材料を集めておきましょう。
- 日記やメモ:日時、場所、相手、言われた内容を具体的に書く
- 録音データ:スマホの録音機能やボイスレコーダーを活用する
- メールやLINE:画面のスクリーンショットを保存しておく
私も、スマホやアップルウォッチを使っていたため、パワハラする人と話すときは必ず録音していました。
これらが手元にあるだけで、「何かあっても大丈夫」という安心感につながります!
信頼できる第三者や相談窓口に話す
「職場の人に知られたらどうしよう」と不安になりますよね。
だからこそ、職場とは関係のない第三者に話を聞いてもらうことが大切です。
ひとりで抱え込んでいると、視野が狭くなり「自分が悪い」と思い込んでしまうため、客観的な意見をもらうことで、異常な環境に気づけるようになります。
まずは、他の職場の友人など、誰かに話すだけで、胸のつかえが少し取れることもあります。
「逃げる」準備を始める
はっきり言いますが、いじめやパワハラをする人は変わりません。
今までも、パワハラが原因で理学療法士という仕事自体を嫌になり、辞めていく人を見ましたが、そんな相手のために、あなたが辞める必要はありません。
いきなり退職を切り出すのが怖い場合は、まず「転職サイト」を眺めるだけでも効果があります。
「いざとなったら、ここを辞めても次がある」
そう思えるだけで、心に余裕が生まれませんか?
- 今の職場より給与が良い求人を探してみる
- 人間関係が良好な職場の口コミを見てみる
- エージェントに「今の悩みを相談」してみる
理学療法士の資格を持つあなたを求めている職場は、他にもあります。
ボロボロになる前に、新しい環境へ移る準備を水面下で始めてみましょう。
それが、あなた自身を救う一番の近道になるはずです。
「転職」は逃げじゃない!環境を変えることが一番の解決策

もし、理学療法士の仕事は好きだけど、今の職場で人間関係に悩んでいる場合、転職することを強くおすすめします。
新しい環境ということでストレスに感じる人もいるかもしれませんが、ずっと今の職場で働き続けることを考えたとき、どちらが良いか考えてみてください。
理学療法士は「職場を選べる」国家資格
理学療法士という資格を持っていれば、職場を選べる立場にあります。
理学療法士が活躍できる場所は、今の職場だけではありません。
- アットホームな整形外科クリニック
- 一人ひとりに向き合える訪問リハビリ
- チームワーク重視の回復期病院
全国どこでも働けるのが、この資格の最大の強みです。
「今の職場しか知らない」という状態から一歩踏み出せば、あなたはいくらでも職場を選ぶことができるんです。
ただし、今後は選べなくなってくる可能性もあるため、今の職場に不安を抱えているなら、転職は早めに考えたほうがいいです。
▼理学療法士の現状を知りたい方はこちらの記事も参考になります▼

人間関係が良い職場は必ずある
いじめが当たり前の環境にいると、「どこに行っても同じような人がいる」と洗脳されてしまいがちですが、それは大きな間違いです。
スタッフ同士が尊重し合い、理不尽な上下関係がなく、笑顔で働ける職場は必ずあります。
ただ、求人票を見ただけでは職場の雰囲気までは分かりませんよね。
そんな時は、転職サイトやエージェントを活用して「内部事情」を聞いてみるのも一つの手です。
「人間関係が良い職場を探している」と伝えるだけでも、プロが親身になって相談に乗ってくれます。
▼初めて転職を考えてる方はこちらを参考にしてください▼

まとめ

今回ご紹介したように、理学療法士の現場では、閉鎖的な環境が原因でいじめが起きやすい側面があります。
いじめやパワハラをする人の特徴を変えることは、残念ながらとても難しいのが現実です。
もし今、「もう限界かもしれない…」と感じているなら、これ以上我慢する必要はありません。
あなたの心と体が壊れてしまう前に、環境を変えることを最優先に考えてみてください。
- 自分を責めない:あなたは悪くありません。
- 証拠を残す:もしもの時のために記録は大切です。
- 逃げる勇気を持つ:職場を変えることは「逃げ」ではなく「前進」です。
今の職場だけが、あなたの全てではありません。
理学療法士の資格は、あなたを助ける強力な武器になります。
せっかく取得した資格を活かして、楽しく仕事をできる未来を勝ち取りましょう!


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