「5年も現場を離れていて、本当に即戦力になるの?」
<悩める人>面接でそう思われそうで、応募ボタンが押せない。
子どもが急に熱を出して休んだとき、「また休み?」と思われないだろうか。



正直、そこが一番こわい。
そして、以前の自分と比べるたびに考えてしまう。
できなくなっていたら、どうしよう。
履歴書の職歴欄で、空いた数年をどう書けばいいのか分からず、ペンが止まる。



なんか、子育て期間もただ休んでたって思われそうで、なんて書けば良いかわからない…



その3つ、順番に答えていきます。採用する側にいた立場から言うと、私は5年のブランクを、ほとんど見ていませんでした。
私は老健とデイサービスで、面接をして採否を決める側にいました。ブランクのある方も何人も面接して、2〜3年ブランクがある方を普通に採用しています。
正直に言うと、履歴書のブランク欄を見て落としたことは、ほとんどありません。見ていたのは、まったく別のところでした。
だからこの記事では、勉強法の話をほとんどしません。
代わりに、面接する側が実際に見ていたところと、復職して本当にきつかったことを書きます。
先にお断りしておくと、この記事は老健とデイサービスの話です。病院はまた事情が違うと思うので、そこは差し引いて読んでください。
ぜおん
理学療法士14年。不動産会社を経て理学療法士になり、総合病院・老健・介護系会社の4ヶ所で勤務。デイサービスの管理者、老健の主任、教育委員長、介護認定審査員を経験。求人を出す側、面接をする側、辞めていく職員と面談する側にいました。面談のためにメンタルヘルス・マネジメント検定2級と心理カウンセラーも取得しています。
自身の転職は4回、8ヶ所の転職エージェントに登録。リハビリ職・介護職の友人から10人ほどの転職相談を受けています。詳しい経歴はコチラ。
採用する側は、ブランクの何を見ていたのか
まず、面接をする側が何を見ているのかから書きます。ここが分かると、準備する場所そのものが変わります。
老健やデイでは、リハビリの知識より人間性が先に来る
身も蓋もない話をします。老健やデイサービスの現場では、リハビリのスキルや知識は、そこまで重視されていません。
いらないのではありません。
優先順位の話です。
理由ははっきりしていて、そもそもリハビリ職の人数が少ないからです。
ひとつの施設にPTが数人、という規模も珍しくありません。
その少人数で毎日回していくので、採用のときに一番気になるのは次の3つでした。
- この人とうまくやっていけるか
- 続けてくれるか
- 誠実な人か
知識は入ってから覚え直せますが、この3つは入ってからでは変えられません。だから採用の場では、こちらが先に来ます。
ブランクの有無は、そこまで見ていませんでした。知識が抜けていることを理由に落とす場面は、ほとんどありません。
見ているのは「ブランクの有無」ではなく「期間と理由」
とはいえ、まったく見ないわけではありません。
見ているのは期間と理由のほうです。
女性の方で、結婚や出産、お子さんの事情で離れていた。
これはほとんど気になりません。
理由がはっきりしているからです。
ひとつだけ補足すると、保育園に預けて1年ほどで復帰する方が多いので、それより長く空いている場合は、その期間に何をしていたのかを言えるようにしておくと安心です。



逆に言えば、そこさえ用意しておけば、期間そのものは問題になりません。
男性の場合は、少し視点が変わります。何年もブランクがある場合は、正直に言うと少し慎重に見ます。面接でより深く聞きます。
これは落とすためではなく、理由を確認したいだけです。
理由がしっかりと説明できれば問題ないでしょう。
唯一きついのは「何もしていませんでした」
では、どういう答えだと厳しいのか。
「特に何もしていませんでした」
これだけです。
この答えを聞くと、続けてもらえるだろうかという不安が先に立ってしまいます。
逆に言えば、何かをやっていたと言えれば、それで通ります。
子育てでも、家族の介護でも、別の仕事でも、資格の勉強でも構いません。
中身が立派である必要はありません。
空白の期間を、自分の言葉で説明できるかどうかです。
そして、これは大事なことなのですが、面接では嘘をつかないでください。何人も面接していると、雰囲気で大体分かります。そして、その直感は大体当たります。
取りつくろった答えより、正直な答えのほうが通ります。
実は、ブランクより落ちやすい人がいます!
ここが、この記事で一番伝えたい部分です。採用する側が本当に警戒しているのは、ブランクのある人ではありません。



いったいそれは何なんですか??
経験年数が上の人ほど、警戒されることがある
ブランク明けの方を迎えるとき、私が本当に不安になるのは、ブランクの長さではなく、年齢や経験年数でいうと先輩の方が入職して、その職場でも先輩のように振る舞ってしまうケースです。
経験年数で言えば、確かに私より上かもしれません。
でも、その職場に入ったばかりという意味では、新人なんですよね。
そこで入って1ヶ月も経たないうちに自分のやり方を主張しはじめると、周りは身構えてしまいます。
だから、縮こまっている人のほうが有利です
これを裏返すと、こうなります。
「ブランクがあるので、教えてもらう立場です」
この姿勢の人は、経験年数に関係なく歓迎されます。
いま「知識が抜けていて申し訳ない」と感じている方は、すでにその姿勢です。心配しているその気持ちが、そのまま評価される側に働きます。



謙虚さは、ブランクを埋めるための我慢ではありません。それ自体が採用の理由です。
ここまで読んで「思っていたより戻れそうだ」と感じたなら、次にやることは勉強ではありません。
ブランク明けを受け入れた実績がある職場を、先に見つけておくことです。
その実績は求人票に書いていないので、探すなら誰かに聞くしかありません。
リハビリ職専門のエージェントなら、そこを代わりに確認してもらえます。
\ ブランク明け歓迎の職場を確認してもらう /
※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
登録後にキャリアパートナーから電話が来ます。
その点は記事の後半に正直に書きました。
復職したあとの話も、しておきます
採用の話はここまでです。
ここからは、実際に戻ったあとどうなるのかを書きます。
ブランク明けの方を迎えた側として見たことと、私自身が半年離れて戻ったときのこと、両方から書きます。
一人で回せるまで、1週間から2週間でした
これは迎えた側として見た話です。
私が採用したブランク明けの方は、1週間だけ一緒について、2週目から一人で回してもらうというケースがほとんどでした。
理由は前に書いたとおりで、老健やデイではそこまでリハビリスキルが求められないからです。戻るのに何か月もかかった人を、私は見ていません。



「以前の自分と比べて、できなくなっていたらどうしよう」という不安は、実際には2週間くらいで消えます。
体力は、1週間で戻りました
一番心配だったのは体力です。
半年間、理学療法士としては働いていなかったので、1日動き回れるのかが不安でした。
結果を言うと、最初の1週間くらいは疲れが出ましたが、それだけでした。そのあとは普通に働けています。
体力は、現場に戻れば戻ります。復職前に走り込む必要はありません。
年下に教わるのは、この世界では当たり前です
年下のスタッフに教わる場面は、正直に言うとあります。
ただ、周りはそれを当たり前だと思っています。そういう人はどこの職場にもいるからです。
私自身、29歳で新卒として現場に入りました。年下が上司になり、年下から教わる立場でした。
正直に言うと、あれはお互いにやりづらかったと思います。
教える側は年上に気を遣うし、教わるほうも気を遣う。
最初の職場では、パワハラを受けたこともありました。
ただ、それを相手のせいだけにするつもりはありません。
周りより年上だった自分が、生意気に見えていた可能性もあると、いまなら思えます。



年齢は、採用では効きません。でも入ってからの空気には効きます。ここは分けて考えたほうがいいです。
だから、年下に教わること自体は問題になりません。問題になるのは、教わる側の構えのほうです。
最後まで残った不安は、人間関係でした
そしてもうひとつ。これはブランクとまったく関係ないのですが、人間関係が一番不安でした。
新しい職場でうまくやっていけるだろうか。
ブランクがあってもなくても、転職のたびについて回ります。



つまり、ブランクのある方が本当に備えるべきなのは、勉強ではなく職場選びのほうです。
子どもの発熱で休むとき、迎える側が見ているところ
ここが一番こわい、という方が多いところだと思います。
管理者として受ける側にいたので、正直に書きます。
休むこと自体は、はじめから許容しています
お子さんがいる方を採用する時点で、急に休む日があることは、こちらも想定しています。しょうがないと思っています。
その日の現場がどうなるかというと、正直に言えば本当に頑張って回していました。予約を振り替えたり、他のスタッフでカバーしたり。頑張るしかないのですが、どうにかはなります。
困るのは「休んで当然」という態度で働かれるとき
では何が引っかかるのか。休んだこと自体ではなく、そのあとの態度です。
休んで当然、という空気で働かれると、こちらもだんだんストレスが溜まっていきます。どうにか回すために頑張っているので、そのモチベーションが削られてしまうんです。
「この日、代わりに入りますよ」が言える人は評価が高い
逆のタイプもいました。
申し訳ないという気持ちがあって、埋め合わせをしようとしてくれる人です。
「すみません、この日なら代わりに入れます」
これが言える人を見ると、すごくできる人だなと思います。一緒に働いていて気持ちがいいので、休んでもらっても、こちらは何とも思いません。



つまり「また休み?」と思われるかどうかは、休む回数ではなく、休み方で決まります。ここは自分でコントロールできる部分です。
週3から始めたいのは、甘えではありません
「週3日から始めたい」「残業なしで」という条件を、甘えだと思ったことはありません。
ただ、正直に言うと正社員で週3は厳しいです。一方で、非常勤なら、そういう方は普通にいました。
つまりこれは、甘えかどうかではなく雇用形態を選べばいい話です。
条件を諦めて求人を探すより、非常勤から探したほうが早く見つかります。
だから、選ぶべきは「聞ける職場」です
ではどう選ぶか。ここは求人票を読み比べても答えが出ません。理由から説明します。
求人票の「教育体制あり」には、中身が書いていない
求人票には、たいてい「研修あり」「教育体制充実」と書いてあります。
ただ、書いてあっても実際は違った、ということは実際にあります。求人を出す側にいたので分かるのですが、あの欄に何をどこまで書くかの基準は、施設ごとにバラバラです。
なので、求人票を読み比べても、ここは判断できません。
見学に行って、リハビリの担当者に直接聞くのが一番早い
確実なのは、施設見学に行って、リハビリの担当者に直接聞く方法です。聞くことは、この3つで足ります。
- ブランク明けの人が過去に入ったことはあるか
- そのとき、最初はどのくらいの担当数から始めたか
- 分からないことがあったとき、誰に聞く流れになっているか
これを、人事ではなくリハビリの担当者に聞いてください。
人事は現場の運用まで把握していないことがあり、私が採用側にいたときも、ブランク明けの人をどう受け入れるかを決めていたのは現場の私たちでした。


私が管理者としてやっていたこと
参考までに、私がデイの管理者や老健の主任だったときにやっていたことを書きます。
「こういう職場なら安心」の目安になると思います。
- 「何でも聞いてきてください」と最初に伝えていた
- 新しく入った人が輪に入れるよう、こちらから声をかけていた
特別な研修プログラムは用意していません。この2つだけです。制度より、聞いていい空気があるかどうかのほうが効きます。
2つめには理由があります。
私自身が転職したときに、誰からも話しかけられず、仲のいい人同士で固まってしまって、見向きもされなかったことがあるんです。
あれが本当に嫌だったので、自分が迎える側になったときは同じ思いをさせないようにしていました。



見学に行ったとき、スタッフ同士がどう話しているかを見てみてください。制度の説明より、そちらのほうが正直です。
ただし、見学には落とし穴があります
見学に行ってくださいと書いておいて申し訳ないのですが、私はその見学で失敗しています。同じ目に遭ってほしくないので書きます。
見学のつもりが、2日前に「履歴書を持ってきてください」
2社目に転職したときのことです。
最初は、施設見学の話でした。
いくつか見て回って比べるつもりだったので、気軽に申し込みました。
ところが見学の2日前くらいに、ついでに面接もするので履歴書を持ってきてください、と言われたんです。
そういうものなのかと思い、私は「分かりました」と答えました。
そして当日、流れのまま面接を受けて、合格をもらって、そのまま就職しました。
本当は、他の施設も見たかったんです。1つ目に行ったところで決まってしまいました。
そして、その職場は2年半ほどで辞めています。
比べていたら違ったのかは、正直分かりません。
ただ、見学は見学として使いたかったとは、いまも思います。
だから「まだ比較段階です」と先に伝えてください
同じ目に遭わずに済む方法は簡単です。申し込むときに、まだ比較の段階だと先に言っておくだけです。
- 今回は見学だけでお願いします
- 何施設か見てから決めたいと思っています
これを最初に伝えておけば、当日いきなり面接になることはありません。
エージェントを通す場合は、エージェントに言っておけば代わりに伝えてくれます。
ブランクのある方がやるべきことは、勉強ではありません。聞ける職場かどうかを、自分の目で確かめることです。
確かめる方法は見学しかなく、その見学には上に書いた落とし穴があります。
ここを代わりにやってもらえるのが、リハビリ職専門の転職エージェントです。
- 面接や見学の予定調整を代わりにしてもらえる
- 給料や休みの条件交渉も任せられるので、自分では聞きにくいことを聞かずに済む
そのうえで、先に正直なところを書いておきます。
登録すると、キャリアパートナーから電話がかかってきます。連絡が来るのが煩わしいという方には、正直向きません。
それでも、何施設か見比べてから決めたいと思っている方には、使う価値があります。私は比較せずに1つ目で決めてしまったので、なおさらそう思います。
逆に、もう行き先が決まっている方や、今は情報だけ眺めていたいという方は、登録しなくて大丈夫です。
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※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動します。登録すると担当の方から電話が来ます。
※ 掲載内容は2026年9月時点の情報です。
理学療法士のブランクと復職によくある質問
まとめ|ブランクは、一度も問題になっていません
ブランクのある理学療法士の復職について、老健とデイサービスで採用する側にいた立場から書いてきました。
書き終えてから気づいたことがあります。この記事、最初から最後まで同じことしか言っていません。
- 採用のときに見ていたのは、誠実さと謙虚さ
- 落ちやすいのは、経験年数を振りかざしてしまう人
- 急な休みで困るのは、休んで当然という態度の人
- 年下に教わるのを気にしなくていいのも、結局そこ
ブランクは、一度も問題になっていません。
私は、履歴書のブランク欄を見て落としたことがほとんどありません。復職した方も、1週間ついて2週目には一人で回していました。あなたが心配している場所を、採用する側は見ていません。
だから、いま教科書が読み進められなくても、それは復職できない理由になりません。
もし今日ひとつだけやるとしたら、教科書を開くことではないと思います。
気になる施設をひとつ見つけて、見学の予定を入れることです。



現場に戻れば、体は思い出します。私がそうでした。心配なのは知識ではなく、聞ける相手がいるかどうかです。
そして、私の失敗をもう一度だけ。
見学のつもりが面接になって、1つ目で決めてしまい、その職場は2年半で辞めました。
比べる時間だけは、あとから取り戻せません。
見学の申し込みと「今回は見学だけで」の前置きは、代わりに伝えてもらえます。
何施設か見比べてから決めたい方は、ここから始めてください。
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※ 掲載内容は2026年9月時点の情報です。









