来月の勤務表を見たら、また6連勤が入っていた。
やっと来た休みは寝て終わるのに、次の朝にはもう体が重い。
それでも現場に入れば、なぜか動けてしまう。
<悩める人>5連勤も6連勤も、介護なら当たり前なんでしょうか…?



当たり前ではありません。ただ、今の法律では違反になりにくいので、黙って待っていても変わらないんです。
この記事では、介護職の連勤がきつい理由を、デイサービスの管理職として勤務表を組み、経営者側の考えも見てきた立場から解説します。
結論から言うと、5・6連勤が毎月のように続く職場は、連勤だけの問題では終わっていないことがほとんどです。
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結論:5・6連勤が毎月続く職場は、連勤だけの問題ではない
先に、いちばんお伝えしたいことを書きます。
5連勤や6連勤が毎月のように組まれる職場では、連勤以外のところでも、たいてい同じことが起きています。
連勤は単独では起きない。人の時間をどう扱っているかが、勤務表に出ているだけ
- 行事の準備を家でやってくることになっている
- 休みの日に手伝いを頼まれる
- 記録を書く時間が勤務時間に入っていない
思い当たるものがあるなら、連勤だけを削っても、しんどさはあまり変わりません。
とはいえ、そう言われても今すぐ辞められるわけではないのも、よく分かります。
だからこの記事では、辞める話をする前に、いま自分がいる場所がどういう状態なのかを見分けられるところまでを書きます。
連勤は原因ではなく結果です。人の時間をどう扱う職場なのかが、勤務表という形で見えているだけだと考えてください。
介護職の5・6連勤が違法になりにくい理由


連勤が続くと、これは違法ではないのかと一度は調べたことがあると思います。
そして調べた結果、「違法ではない」と書かれていて、静かに画面を閉じた経験もあるのではないでしょうか。
ここは、なぜそうなるのかを知っておくと気持ちの持っていき方が変わるので、少しだけお付き合いください。
休みは「毎週1日」か「4週で4日」のどちらかでいい
労働基準法では、休日の与え方が第35条で決められています。
原則は毎週1日以上ですが、4週間を通じて4日以上の休みを与える形も認められています。
| 休日の与え方 | ルール | 現場で起きること |
|---|---|---|
| 原則(週休制) | 毎週少なくとも1日の休み | 週をまたぐ配置しだいで連勤が伸びる |
| 変形休日制(4週4休) | 4週間で4日以上の休み | 休みを月の端に寄せると、真ん中が長い連勤になる |
つまり、休みの合計日数さえ足りていれば、それをどこに置くかは職場が決められるということです。
月の初めと終わりに休みを寄せれば、真ん中は当然、長く続きます。
厚生労働省の研究会がまとめた報告書には、現行制度のままでは、休日労働の扱いをせずに48連勤まで可能だと書かれています
48連勤という数字は、さすがに現実の勤務表では見かけません。
ただ、5・6連勤くらいでは法律の網に全くかからないことは、この数字からも分かると思います。
国は「13日を超える連続勤務」を禁じる方向で検討している
ここからが、あまり知られていない話です。
厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」が2025年1月に公表した報告書では、「13日を超える連続勤務をさせてはならない」旨の規定を労働基準法に設けるべきだと提言されています。
理由として挙げられているのが、心の健康です。
- 労災保険の精神障害の認定基準では、2週間以上にわたって休日のない連続勤務が、心理的負荷となる出来事の一つとして示されている
- 実際に、2週間以上の連続勤務による負荷が評価され、労災保険の支給決定が行われた事案が生じている
- 4週4休の特例を2週2休にするなど、連続勤務が続く日数を減らしていく検討に取り組むべきである
出典は労働基準関係法制研究会 報告書で、休日について書かれた章にあたります。
ただし、これは研究会からの提言であって、法改正が決まったわけではありません。
それでも、国が「今のままでは長すぎる」と考え始めている事実は、知っておいて損はないと思います。
「違法じゃない」と「きつくない」は別の話
ここまで読んで、「じゃあ我慢するしかないのか」と思われたかもしれません。
でも、そうではないんです。
法律が決めているのはこれ以下にしてはいけないという最低ラインであって、快適に働ける水準ではありません。
しかも今回見たとおり、その最低ラインは国自身が「見直したほうがいい」と言い始めているラインです。



じゃあ、私がきついと感じているのは間違いじゃないんですね…



間違いではありません。違法かどうかと、体がもつかどうかは、まったく別の話ですから。
「1日休んでも疲れが抜けない」「6連勤のあとは4連勤でも持たない」という感覚は、あなたの根性の問題ではありません。
疲れが残ったまま次の連勤に入るので、回復が追いつかなくなっているだけです。
5・6連勤は今の法律では違反になりにくく、待っていても自然には減りません。ただし国は連続勤務の上限を検討し始めています。
連勤が当たり前の職場は、ほかのところでも線を越えている


ここからは、統計ではなく、私が管理職として現場と経営側の両方を見てきた中で感じてきたことを書きます。
連勤が当たり前になっている職場では、連勤以外のところでも同じことが起きている場面によく出会いました。
連勤・持ち帰りの準備・休日の手伝い・記録の時間外。これらは別々の問題ではなく、同じ考え方から出てきます
行事の準備を、家でやってくることになっている
夏祭り、敬老会、クリスマス会。
飾りや小道具、衣装、掲示物と、準備するものはたくさんあります。
そして担当になった人は、たいてい「手が空いたときにやっておいて」と言われます。



やっておいてと言われても、その時間がどこにもないんです…
おっしゃるとおりで、現場に手が空く時間なんてありませんよね。
結果として、家で作ってくることが前提になっていきます。
職場は「頼んだだけ」と思っていて、職員は「やらないと終わらない」と思っている。だから誰も残業として申請しません。
休みの日に、手伝いとして呼ばれる
行事の当日は、いつもより人手が要ります。
そこで、休みの職員にも「よかったら顔を出して」と声がかかります。
声をかける側に悪気はなく、断ってもいいと本気で思っている場合も多いです
建て付けとしては強制ではなく、あくまで有志の手伝いという扱いです。
ただ、来なかった人の名前が後から話題に出るような職場だと、これは実質的に断れません。
断れない空気の中での「有志」は、有志とは呼びにくいと、私は現場を見ていて感じてきました。
「自主的」と呼ばれていても、労働時間にあたることがある
ここは、知っておくと見え方が変わるところです。
厚生労働省の労働時間の適正な把握のためのガイドラインでは、労働時間の考え方がはっきり書かれています。
- 労働時間とは使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、明示だけでなく黙示の指示による場合も含まれる
- 労働時間かどうかは、労働契約や就業規則の定めのいかんによらず客観的に定まる
- 職場から義務づけられ、またはそうせざるを得なかった状況かどうかで、個別に判断される
- 自主的な研修などとして報告されていても、実際に指揮命令下にあったと認められる時間は労働時間として扱う
つまり、呼び方が「自主的」でも、中身がそうでないなら扱いは変わりうるということです。
もちろん、あなたの職場が違法かどうかを、この記事で決めることはできません。
それでも、「うちは昔からこうだから」で説明されてきたことに、外から見た基準があるとは知っておいてほしいです。
職員が「頭数」として見られている職場がある
ここは書くか迷いましたが、隠しても仕方がないので正直に書きます。
管理職をしていると、経営側と話す機会が増えます。
その中で、職員のことが最後まで「人数」の話でしか出てこない場面に、何度か居合わせました。
誰が限界に近いかではなく、何人いれば回るか。その順番で考えられている職場では、勤務表も同じ基準で組まれます
悪い人だから、という単純な話ではないと思っています。
現場から遠いところにいると、人の疲れは数字に出てこないので、見えなくなっていくんです。
ただ、見えていないからといって、あなたの疲れがなくなるわけではありません。
いくつ当てはまるか、確認してみてください
ここまでの話を、そのままチェック項目にしました。
| 確認する項目 | 当てはまるときに考えられること |
|---|---|
| 行事の準備物を家で作ったことがある | 準備の時間が、勤務時間として数えられていない |
| 休みの日に行事や勉強会に呼ばれたことがある | 休日が、職場側の予定に組み込まれている |
| 記録や申し送りを時間外にしているが申請していない | 残業の申請そのものがしにくい状態になっている |
| 連勤や勤務変更の理由が説明されない | 勤務表が、埋まるかどうかだけで組まれている |
| 「昔からこうだから」で片づけられることがある | 職場の中の基準しか使われていない |
3つ以上当てはまるようなら、その職場では連勤だけを減らしても、しんどさはあまり変わりません。
そして、こうしたことが今も残っているのは、介護の世界だからまかり通ってしまっている面が正直あると思っています。
同じことを一般の企業でやれば、今の時代はまず問題になります。
連勤は氷山の一角です。持ち帰りの準備や休日の手伝いが当たり前になっている職場かどうかを、あわせて見てください。
勤務表は、断らない人から埋まっていく





どうして私ばっかり連勤なんだろう、と思ってしまいます…



その感覚、たぶん合っています。組む側にいたので、なぜそうなるかをお話ししますね。
勤務表が特定の人に偏るのは、気のせいではありません。
ただ、誰かが意地悪をしているわけでもないのが、この話のややこしいところです。
勤務表づくりは、最後は穴を埋める作業になる
勤務表を組むとき、先に置いていくものが決まっています。
希望休、資格が要る配置、フロアの組み合わせ、夜勤に入れる人、新人と組ませる人。
これらを置いていくと、終盤に残るのは、どうしても埋まらない数マスです。
そこで頭に浮かぶのは、いちばん頼みやすい人の名前です
締め切りが迫っている中で、断られそうな人に一から交渉する余裕はありません。
だから、前に受けてくれた人のところへ、自然と手が伸びます。
一度受けると、次からはそこが「前提」になる
ここが、いちばん怖いところだと思っています。
一度連勤を受けてもらえると、組む側の頭には「この人は大丈夫だった」という記録が残ります。
翌月も同じところに、同じ名前が入ります。
そして数か月もすると、誰もそれを不自然だと言わなくなります
それが数か月続くと、もうその人にとっての標準の勤務になってしまいます。
受けてもらえた事実は残りますが、その人が家でどれだけ回復に時間を使ったかは、勤務表のどこにも残りません。
断る人には、そもそも打診が行かない
逆の側から見ると、もっとはっきりします。
「その日は難しいです」と毎回はっきり言う人には、次から声がかからなくなります。
組む側からすれば、断られる前提の相手に時間を使うより、受けてくれる人に頼むほうが早いからです。
その結果として、連勤は、断らない人のところにだけ積み上がっていきます。
ここまで読んで、「じゃあ受けてきた私が悪いのか」と感じた方がいたら、それは違います。
断らなかったのは、利用者さんや、休む同僚のことを考えたからのはずです。
問題は、その気持ちに寄りかかっている自覚が、組む側に薄いことのほうです。



受けてくれる人がいると、その月は回ってしまうんです。だから見直しが後回しになります。
私も勤務表を作っていた側なので、ここは反省を込めて書いています。
連勤が偏るのは、あなたの評価が低いからではありません。頼みやすさで埋まる仕組みが、そのまま続いているだけです。
きついと言えないまま続けないための伝え方
「相談しましょう」と書かれている記事はたくさんあります。
でも、それができたら苦労しないですよね。
4〜5連勤が続いて無理だと伝えたら、月に一度しかない2連休を消されそうになった。やめてほしいと言ったら、今度は4連勤以上がさらに増えた。
実際に、連勤を減らしてほしいと伝えたらかえって休みを削られそうになったという話も、掲示板ではよく見かけます。
だからここでは、少しでも通りやすい形だけを短くお伝えします。
「きつい」ではなく、記録した事実で伝える
組む側にいたから分かるのですが、「きついです」だけでは動きにくいんです。
きつさの度合いは人によって違うので、受け取る側が加減してしまうからです。
だからこそ、伝えるときは数にしてください。
- ここ3か月で、5連勤以上が何回あったか
- その連勤のうち、入浴や夜勤など負担の重い日が何日入っていたか
- 休みの日に、行事の準備や勉強会でつぶれた日が何日あったか
- どこを変えてほしいのか(連勤の上限を4日にしてほしい、など1点だけ)
要望を1点に絞るのがコツです。
全部を変えてほしいと伝えると、検討しますで終わってしまうことが多いからです。
パートや非常勤なら、契約の話に置き換える
パートや非常勤の方は、正職員よりもっと言いにくいと思います。
言えば次のシフトを減らされるかもしれない、と考えてしまいますよね。
その場合は、つらさではなく最初に交わした条件の話として伝えるほうが角が立ちません。
「つらいので減らしてください」ではなく「週◯日の約束だったので、そこに戻したいです」と伝える
気持ちの話は受け取る人によってぶれますが、約束した条件の話は誰が聞いても同じです。
言ったあとに悪くなるなら、それも答えのひとつ
伝えたあと、扱いが悪くなる職場も残念ながらあります。
そうなったとき、多くの人は「言わなければよかった」と自分を責めてしまいます。
でも、そこは受け取り方を変えてほしいところです。
それは、その職場からの返事だと考えてください。
働く人の申し出に対してどう振る舞うかは、その職場の本当の姿がいちばん出るところです。
休みたい日が毎回通らないという悩みが強い方は、コチラの記事で希望休の側から整理しています。


伝えるときは数と1点に絞ること。そして伝えたあとの反応は、その職場を判断する材料になります。
今の職場に居続けることが、これから先のリスクになる


ここまで、連勤が減りにくい理由を書いてきました。
そのうえで、最後にお伝えしたいことがあります。
連勤が当たり前の場所に居続けることは、これから先の選択肢を静かに狭めていきます。
6連勤が普通になると、5連勤が楽に見えてくる
長くいると、しんどさの物差しが職場に合っていきます。
6連勤が普通の職場にいると、5連勤の月に「今月は楽だった」と感じるようになります。
これは強くなったからではありません。
比べる相手が、今の職場しかなくなっているだけです
物差しがずれていくと、おかしいと感じる力そのものが鈍っていきます。
環境を整えている職場は、以前より増えている
ここは、はっきりお伝えしておきたいところです。
人が集まらない時代になったので、休みの取りやすさで選ばれようとする事業所が増えてきました。
- 連勤の上限を決めているところ
- 行事の準備を勤務時間内に収めているところ
- 記録を書く時間をシフトに組み込んでいるところ
どこも同じではありませんが、今いる場所が介護のすべてではないことは知っておいてください。



どこも人手不足だから、結局どこも同じだと思っていました…



人手不足はどこも同じでも、その中でどう分けるかは職場ごとに全然違いますよ。
比べる材料を持たないまま、年数だけが過ぎていく
いちばんもったいないのは、他を見ないまま何年も過ぎてしまうことです。
情報を集めることと、辞めることは別物です。
連勤の入り方や人員の余裕は求人票に書かれないので、中を知っている人に聞くのがいちばん早いところでもあります。
「連勤は何日まで組まれるのか」「行事の準備は勤務時間に入るのか」。
この2つを聞くだけでも、職場の考え方はかなり見えてきます。
いますぐ辞める必要はありません。
情報を持っておくことは、辞めると決めることとは違います。
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連絡の取り方も、希望する方法を最初に相談できます。
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どこに相談するか自体を先に決めたい方は、コチラの記事で介護の転職サービス6社を比べています。


求人票では連勤の入り方まで分かりません。連勤の上限、行事準備の扱い、記録の時間、有給の取得状況を確認ポイントにしてください。
介護職の連勤についてよくある質問
介護職で5連勤や6連勤をさせるのは違法ではないのですか?
労働基準法は毎週1日か4週で4日の休みを求めており、休みを寄せて置けば連勤が長くなっても、それだけでは違反になりにくいのが実情です。
ただし労働時間や休憩、割増賃金は別の決まりなので、そちらで問題がある場合もあります。
詳しくは違法になりにくい理由で説明しています。
何連勤までなら大丈夫、という目安はありますか?
体力も生活も人それぞれなので、ここまでなら安全と言える日数はありません。
ひとつの参考として、国の研究会は13日を超える連続勤務を禁じる規定を設けるべきだと提言しており、労災の認定基準でも2週間以上の連続勤務が心理的負荷の例として挙げられています。
連勤を断ったら、評価が下がりませんか?
断り方によります。全部を断るより、連勤の上限だけを1点お願いするほうが受け入れられやすいです。
パートや非常勤の方は、つらさではなく最初の契約条件の話として伝える方法をこちらで紹介しています。
1日休んでも疲れが取れないのは、体力がないからですか?
体力の問題とは限りません。疲れが残ったまま次の連勤に入ると、回復が追いつかない状態が積み重なっていきます。
眠れない、食欲がない、涙が出るといった状態が続くときは、早めに医療機関で相談してください。
まとめ:連勤を当たり前にしなくていい
あなたが弱いから連勤がきついのではなく、断らない人のところに寄っていく仕組みが続いているだけです。
ここまで読んでも、明日の勤務表がすぐ変わるわけではありません。
それでも、今の状態が当たり前ではないと分かっただけで、見え方は変わると思います。
- 連勤の上限を1つだけお願いしてみる
- 行事の準備が勤務時間に入るのか聞いてみる
- 記録を書く時間がどこに入っているのか確認してみる
それでも動かないなら、今の状態から抜け出す準備として、他の職場を見ておくところから始めれば十分です。
利用者さんのために連勤を受け続けてきたその優しさは、もっと大事に扱ってくれる場所で使ってほしいと思っています
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日をまたぐ連勤ではなく、1日の中の休憩が取れないほうがつらい方は、コチラの記事で整理しています。


今の職場の状態そのものが気になってきた方は、コチラの記事で調べ方をまとめています。












