入職して6年。任される範囲は年々広がっている。
それなのに、給与明細の数字はほとんど変わらない。
同期のPTは主任になったけれど、STは自分ひとりなので昇格の話すら出ない。
<悩める人>人手不足と言われるのに、どうして私の給料は上がらないのでしょうか…?



STの給料は、努力よりも仕組みで決まる部分が大きいからです。ただ、仕組みが分かると動かせる場所も見えてきますよ。
この記事では、言語聴覚士の給料が上がらない理由を、元リハビリ職で、いまは介護の現場で評価や昇給を決める側にいる視点から解説します。
結論から言うと、上がらないのはあなたの能力ではなく、報酬の仕組みと一人職場という設計から生まれるものです。
昇給の実績や評価制度は求人票に出ないため、他の職場と比べたい人には、転職4回で8ヶ所の転職エージェントに登録した私が、最初の1社として最もおすすめできるのがレバウェルリハビリです。
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結論:STの給料は努力より仕組みで決まる
言語聴覚士の給与が伸びにくいのは、頑張りが足りないからではありません。
報酬の決まり方と、職場でのSTの置かれ方が、そもそも昇給しにくい形になっています。
「仕組みだから諦める」ではなく「仕組みのどこなら動かせるか」を見る
変えられないのは、報酬の単価そのものです。
一方で、評価のされ方と職場選びは動かせます。
この記事では、その動かせる部分を最後まで具体的に説明していきます。
上がらない原因は能力ではなく仕組み。単価は変えられませんが、評価のされ方と職場選びは自分で動かせます。
言語聴覚士の給料が上がらない5つの理由
まずは、上がりにくさを5つに分解して見ていきます。
自分の職場に当てはまるものを確かめながら読んでみてください。


理由1:経験を積んでも、リハビリで得られる報酬は変わらない
リハビリの報酬は、誰が実施しても同じ額として計算される仕組みです。
1年目のSTでも15年目のSTでも、同じ時間を提供すれば入ってくるお金は変わりません。
「腕が上がっても、売上は上がらない」
職場からすると、経験給を出すための原資が自動的には増えないということになります。
ここが、努力と収入が結びつきにくい土台の部分になります。
理由2:1日にできる量に上限がある
リハビリは時間で区切られた仕事のため、1日に提供できる量に上限があります。
営業職のように「もっと売って稼ぐ」という増やし方ができません。
- 1日の勤務時間が決まっている以上、提供できる回数にも限りがある
- 効率を上げても、空いた時間に別の人を診るだけで単価は変わらない
- 結果として、個人の売上には見えない上限ができる
朝から夕方まで詰めて働いても、売上には天井があるのが構造上の特徴です。
理由3:夜勤がなく、手当で増やせない
看護職は夜勤手当で年収を大きく動かせますが、STにその選択肢はほとんどありません。
働き方としては安定する一方で、手当で上乗せする道が閉じていることになります。
生活リズムを守れる利点と引き換えの構造だと考えると、納得しやすいかもしれません。
「体を削って稼ぐ道がない代わりに、長く続けやすい」
年収の伸びを求めるなら、手当ではなく基本給と役職で上げる道を考えることになります。
理由4:昇給テーブルがPT・OT・STで共通になっている
多くの職場では、リハビリ職の給与表が3職種まとめて1つで作られています。
人数の多いPTを前提に組まれているため、ST固有の役割が金額に反映されにくくなります。
【現場でよくある例】嚥下の判断や家族への説明を一手に引き受けていても、給与表の上では「リハビリ職◯年目」という一行にまとめられてしまう。
専門性が違うのに同じ物差しで測られる点が、納得感を下げる原因になります。
ただし、この共通テーブルは交渉の余地が残っている部分でもあります。
ST固有の役割を職場が把握していないだけなら、伝え方しだいで手当や等級の見直しにつながることがあるからです。
理由5:一人職場には昇進のポストがない
見落とされがちですが、これがSTにとって特に重い理由かもしれません。
PTなら主任からリハ科長へという階段がありますが、STが1人の職場ではその階段自体が存在しません。
- まとめる部下がいないため、役職を作る理由がない
- 役職がつかないので、役職手当も発生しない
- 何年続けても、肩書きが変わる場面が来ない
人数の少なさは、発言力だけでなく昇進の階段が用意されないという形でも効いてきます。
報酬が一律・量に上限・夜勤なし・共通テーブル・昇進ポストなし。5つとも個人の努力の外側にある要因です。
データで見る言語聴覚士の平均年収と職場別の違い
感覚だけで判断しないために、公的データで現在地を確認しておきましょう。
言語聴覚士の平均年収は約444万円(平均年齢35.5歳)。
出典:厚生労働省 職業情報提供サイトjob tag「言語聴覚士」(令和6年賃金構造基本統計調査に基づく) https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/169
この調査ではリハビリ職がまとめて集計されているため、ST単独の水準を示す公的な統計は存在しません。
元になっているのは厚生労働省の賃金構造基本統計調査で、職種の分け方までさかのぼると集計の粒度が確認できます。
そのうえで、給与の決まり方は働く場所によって変わります。
| 働く場所 | 給与の決まり方 | 上がる余地 |
|---|---|---|
| 病院 | 法人の給与表に沿った年功的な昇給が中心 | 役職に就けるかどうかで大きく変わる |
| 介護施設 | 給与表に加えて、介護職員等の処遇改善の仕組みがある | 配分の対象や役職の空きしだいで動く |
| 訪問 | 基本給に訪問件数が連動する形が多い | 件数が増えれば伸びるが、体力と移動が前提 |
同じSTでも増え方の仕組みが違うため、比べるときは金額より仕組みを見てください。
とくに介護施設で働く場合は、介護職員の処遇改善の仕組みが給与に関わってきます。
この仕組みは事業所ごとに配分の決め方が異なり、リハ職が対象に含まれるかも職場しだいです。
【配分を決める側の話】同じ制度を使っていても、介護職に手厚く配る事業所もあれば、リハ職を含めて広く配る事業所もあります。金額そのものより、どういう考え方で配っているかを聞くほうが実態がつかめます。
施設への転職を考えるなら、応募前に確認しておきたい項目のひとつになります。
平均は約444万円ですが、リハ職をまとめた数字です。病院・施設・訪問で増え方の仕組みが違う点を押さえましょう。
人手不足なのに給料が上がらないのはなぜ?
ここで多くの人がつまずくのが、求人は多いのに給与が上がらないというねじれです。
ふつうの商売なら、人が足りなければ賃金を上げて集めようとします。
ところが医療と介護では、受け取れる報酬の上限が先に決まっているのが前提です。
- 採用したい気持ちはあっても、払える上限は制度側で決まっている
- だから募集は出し続けるのに、提示できる金額はほとんど動かない
つまり人手不足と高い給与は、そのままつながるとは限らないのです。
STの需給がどうねじれているかは、コチラの記事で詳しく整理しています。


一人職場が昇給を止める本当の理由



ちゃんと働いているつもりですが、評価されている感じがしません…。



評価する側の事情を正直に言うと、一人職種はとても評価しにくいんです。だからこそ、材料はこちらから出す必要があります。


多くの職場の人事評価は、同じ仕事をする人と比べる形で作られています。
ところがSTが1人だと、比べる相手がいません。
私が評価をつける立場で困るのは、まさにここです。PTが5人いれば互いに比べて差をつけられますが、一人職種は「去年と比べてどうか」しか材料がありません。大きな問題が起きていなければ、評価は前年と同じに落ち着いてしまいます。悪気があって据え置くのではなく、上げる根拠を出せないのです。
つまり一人職場では、何も問題がない=据え置きになりやすいということです。
「まじめに働いている人ほど、トラブルが起きないぶん話題に上がらない」
これは評価する側の怠慢でもあり、仕組みの限界でもある部分です。
評価されていないのではなく、評価する材料が届いていないだけかもしれません。
だからこそ、次の章で紹介する材料づくりが効いてきます。
一人職場は相対評価ができないため、据え置きになりやすい構造です。評価する側に上げる根拠を渡すことが突破口になります。
昇給交渉で通る材料の作り方
ここからは、実際に決裁する側が納得しやすい材料を紹介します。


ポイントは、頑張りではなく数と結果で示すことです。
- 担当した数:1年間で何人を担当し、何件の評価と再評価を行ったか
- 減らしたリスク:食形態の見直しやポジショニングの提案で、むせや事故の報告がどう変わったか
- 他職種からの依頼:看護・介護・相談員から相談を受けた件数の増え方
- 仕組み化への貢献:勉強会の実施、手順書の作成、新人への指導
特に効くのは2つ目のリスクを減らした実績です。
事故が減ることは、経営にとって金額に置き換えて理解できる価値だからです。
伝えるときは、次のような言い方だと受け取ってもらいやすくなります。
- 「今年は◯件の食事場面を評価し、むせの報告が前年より減りました」
- 「他職種からの相談が月◯件に増え、対応の時間が業務に組み込まれています」
- 「来年は手順書を作り、STが不在でも判断できる形にしたいです」
逆に、やらないほうがいい伝え方もあります。
- 他の職員の給与を引き合いに出す(比較の話にすり替わる)
- 辞めるかもしれないとほのめかす(引き止めの話になり、評価の話が消える)
- つらさや忙しさだけを訴える(同情はされても金額は動かない)
記録は凝る必要がなく、次の3つだけ残せば十分です。
- 日付と担当した人数
- 他職種から受けた相談の内容(一言でよい)
- 食形態や対応を変えた件と、その後どうなったか
この3つがあれば、面談の場で感覚ではなく事実で話せます。
相談する時期は、評価面談か、次年度の予算を決める前が現実的です。
予算が固まったあとでは、上司に上げる意思があっても動かせる幅が残っていません。
手帳やスマホのメモに「今日の担当数」と「他職種から受けた相談」を記録し始めましょう。半年続ければ、それがそのまま交渉材料になります。
年収を上げる4つの選択肢と現実
職場で動かせない場合に取れる手は、大きく4つです。
| 選択肢 | 効きやすさ | 注意点 |
|---|---|---|
| 職場を変える | 短期で動かしやすい | 給与だけで選ぶと働き方が悪化することがある |
| 訪問へ移る | 件数に応じて伸びやすい | 移動と単独判断が前提。体力と経験が要る |
| 資格・役職 | 中長期で効く | 一人職場では役職の受け皿がないこともある |
| 副業 | 本業と切り離して増やせる | 就業規則の確認が前提。可否は職場ごとに違う |
注意したいのは、副業は就業規則の確認が先という点です。
- 日本言語聴覚士協会の生涯学習や認定制度が土台になる
- ただし取得までに時間がかかるため、短期の収入対策にはなりにくい
ただし資格そのものが手当に直結するとは限らないため、取得前に職場の扱いを確認しておきましょう。
順番としては、まず職場で材料を出して反応を見るのが損の少ない進め方です。
「まず職場で試す。動かなければ外と比べる」この順番なら、どちらに転んでも損がない
職場が動けば転職せずに待遇が変わり、動かなければ見切る根拠がそのまま手に入ります。
短期で動くなら職場を変える、中長期なら資格と役職。訪問は伸びやすい反面、働き方が変わります。副業は就業規則の確認が先です。
上がらない職場を見切る基準
材料を作って相談しても動かないとき、次に考えるのがこの職場に居続けるかどうかです。


いまの職場で上がる余地があるか確かめる3つの質問
感情で決める前に、事実を3つ確認してみてください。
- 評価制度が文書として存在するか
- 過去にリハ職で昇給・昇格した人がいるか
- ST配置を増やす計画があるか
3つとも当てはまらない職場は、仕組みとして上げる用意がないと考えて差し支えありません。
確認するときは、給与そのものではなく制度の有無を聞く形にすると角が立ちません。
- 「評価の基準はどこかにまとまっていますか。次の目標の参考にしたいです」
- 「リハ職で役職に就いた方は過去にいらっしゃいますか」
この聞き方なら、待遇の不満ではなく前向きな確認として受け取ってもらえます。
次を選ぶなら確認したい5項目
次の職場を見るときは、提示額よりも仕組みを確認してください。
- 昇給の実績と幅:直近数年で実際にいくら上がっているか
- 評価制度の有無:何を基準に評価するかが決まっているか
- ST配置人数:複数名いるか、将来増やす方針か
- 役職ポスト:リハ職が就ける役職があるか
- 処遇改善の配分:介護施設ならリハ職も対象になっているか
ところが困ったことに、この5つはどれも求人票に書かれていません。
初任給や賞与の月数は載っていても、実際にいくら上がった実績があるかは面接でも聞きにくい項目です。
だからこそ、間に入って確認してくれる相手がいると、聞きにくいお金の話を先に済ませられます。
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昇給の実績や評価制度の有無も、応募前に確認したい条件として伝えられます。
いますぐ転職を決める必要はありません。
無料で使えるので、他の職場の条件を眺めて比べるだけでも判断材料が増えます。
連絡の取り方も、希望する方法を最初に相談できます。
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エージェント5社の違いから比べたい方は、コチラの記事で比較できます。


提示額ではなく仕組みで比べましょう。昇給実績・評価制度・ST配置・役職ポスト・処遇改善の配分が確認ポイントです。
言語聴覚士の給料に関するよくある質問
認定資格を取れば給料は上がりますか?
資格手当の有無は職場ごとに違い、取得しても金額が変わらないこともあります。取る前に、自分の職場での扱いを確認しておきましょう。
選択肢の比較は年収を上げる4つの選択肢と現実にまとめています。
訪問リハビリに移れば本当に上がりますか?
件数に応じて基本給に上乗せされる形が多く、収入は伸びやすい傾向があります。ただし移動と単独での判断が前提になるため、働き方も変わります。
職場ごとの違いは平均年収と職場別の違いで解説しています。
病院と介護施設では、どちらが上がりやすいですか?
一概には言えませんが、増え方の仕組みが違います。施設は処遇改善の配分や役職の空きが影響し、病院は給与表と役職の有無が中心です。
確認すべき項目は次を選ぶなら確認したい5項目を参考にしてください。
昇給の相談をすると、印象が悪くなりませんか?
材料を持って建設的に話す限り、印象が悪くなることはほとんどありません。避けたいのは他人の給与や退職をちらつかせる伝え方です。
具体的な伝え方は昇給交渉で通る材料の作り方にあります。
何年目で動くのがいいですか?
年数よりも、材料を出しても仕組みが動かないと分かった時点が目安です。評価制度も昇給実績もない職場は、年数を重ねても状況が変わりにくいでしょう。
判断の順番は上がらない職場を見切る基準に戻って確認してみてください。
まとめ:仕組みを知れば、動かせる場所が見える
給料が上がらないのは、あなたの能力ではなく仕組みと職場の設計から生まれています。



材料を作って相談して、それでも変わらなかったらどうすればいいですか?



そのときは、評価する仕組みがない職場だと分かったということです。あなたの価値の問題ではないので、場所を変える判断で構いませんよ。
今日できる一歩は、担当した数と他職種から受けた相談をメモし始めることです。
半年分たまれば、それは職場でも面接でも使える材料になります。
8ヶ所の転職エージェントを使ってきた私が、リハ職の最初の相談先として第一候補にしているのはレバウェルリハビリです。
求人紹介に加えて、応募書類・面接の準備、日程調整、給与・労働条件の確認までを公式に案内しているため、聞きにくい昇給の話も条件として伝えられます。
担当者の情報だけで決めず、見学・面接・提示条件でも照合してください。
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