デイリーノートが終わらないのに、やっと布団に入っても明日のバイザーへの報告が頭から離れず、目が冴えてしまう⋯
理学療法士・作業療法士(PT・OT)の実習って、なかなか寝れませんよね。
<悩める人>私も実習中は寝れませんでした。



そういう方はすごく多いです。私も毎日3時間くらいでしたし。
この記事では、理学療法士・作業療法士の実習で寝れない原因と、今夜から使える対処法を、元理学療法士・デイサービス管理職として、実習生や新人を受け入れる側も経験した立場から解説します。
結論から言うと、実習で寝れないのは実習生なら当然のことで、本当に削るべきなのは睡眠ではなく「課題の完璧さ」です。


- 寝れない原因は「寝る時間がない」と「時間はあるのに眠れない」に分ける
- 睡眠を削るほど、日中の集中力・報告・安全に影響しやすい
- 課題は完璧より、型・優先順位・相談で軽くする
「寝れない」には2種類ある|原因を切り分ける
実習で寝れないとき、まず原因を2つに切り分けると対処が見えてきます。同じ「寝れない」でも、中身がまったく違うからです。


課題が終わらず、物理的に寝る時間がない
時間はあるのに、緊張や不安で眠れない
多くの解説記事は、このうちタイプ①(時間がない)だけを取り上げます。でも実際にベッドの中で「寝れない」と検索している人の中には、タイプ②で苦しんでいる人も多いのです。
| 状態 | よくある悩み | 先にやること |
|---|---|---|
| 寝る時間がない | デイリーノート・レジュメが終わらない | 記録をテンプレ化し、切り上げ時刻を決める |
| 時間はあるのに眠れない | 布団で明日の不安が止まらない | 不安を書き出し、スマホを手放す |
| 限界サインがある | 食欲低下・涙・動悸・登校困難 | 学校の実習担当教員へ相談する |
タイプ①|課題が終わらず、寝る時間そのものがない
日中はバイザーに張り付いて見学や評価をこなし、帰宅後にデイリーノートやレジュメを書く。気づけば深夜になり、睡眠時間が4〜5時間ほどになってしまう。これがタイプ①です。
デイリーノートとは、その日に学んだことや気づきをまとめて指導者に提出するレポートのことです。レジュメは、担当する患者さんの評価や考えをまとめた発表用の資料を指します。これらは理学療法士・作業療法士どちらの実習でも共通の課題で、文章をまとめるのが苦手な人ほど時間がかかり、慢性的な寝不足になりやすい傾向があります。
このタイプは、後ほど紹介する記録の時短術で改善できる部分が大きいです。やり方を変えるだけで、寝る時間は取り戻せます。
タイプ②|時間はあるのに、緊張と不安で眠れない
課題は一区切りついて布団に入ったのに、頭が冴えて眠れない。これがタイプ②です。「明日また指摘されたらどうしよう」「あの報告で合っていたかな」と、考えがぐるぐる回って止まらなくなります。
これは、慣れない環境で一日中気を張り、交感神経が高ぶったままになっているサインです。体は疲れているのに、脳が戦闘モードのまま休めていない状態と言えます。
責任やプレッシャーで頭がいっぱいになって眠れないときは、こちらの記事も参考になります。





自分がどちらのタイプか分かるだけで、やることがはっきりしてきますよ。
時間はあるのに眠れない夜の、今夜できる対処
ここが、この記事で一番伝えたいところです。タイプ②(緊張で眠れない)は、今夜から試せる対処がいくつもあります。順番に見ていきましょう。


レポートは「終わらせる」より「ここで切り上げる」
眠れない夜の大きな原因が、「納得いくまで終わらせよう」と粘ってしまうことです。完璧を目指すと作業はいつまでも終わらず、焦りで余計に眠れなくなります。
おすすめは、作業を始める前に「何時になったら必ずやめる」という終了時刻を先に決めておくことです。終わらなくても、その時刻が来たらペンを置きます。
残った部分は、翌朝の通学時間や昼休みに少し進めれば十分です。睡眠を削って夜中に完成させるより、しっかり寝た頭で朝に仕上げるほうが、結果的に質も上がります。
不安は紙に書き出して、頭の外に出す
布団の中で不安がぐるぐる回るのは、やるべきことや心配ごとを頭の中だけで抱えているからです。これを止めるには、いったん紙に書き出すのが効果的です。
寝る前に、次のようなことをノートやスマホのメモに書き出してみてください。
- 明日やること・確認することを箇条書きで3つだけ
- 今「気になっていること」「不安なこと」をそのまま書く
- 今日できたこと・一つでもよかったことを1行
頭の中の不安を文字にして外に出すと、脳が「もう覚えておかなくていい」と判断して、考えの反芻が止まりやすくなります。最後に「できたこと」を1行書くのは、自分を責めるモードから抜けるためです。
寝る前のスマホ・カフェインと、守りたい睡眠の最低ライン
眠れない夜にやりがちなのが、布団の中でスマホを見続けることです。画面の光と情報の刺激は、眠ろうとしている脳をさらに覚醒させてしまいます。
眠りの質を守るために、次の点だけ意識してみてください。
- 夕方以降のカフェインを控える
コーヒー・エナジードリンクは午後はできるだけ避けます。眠気覚ましのつもりが入眠の妨げになります。 - 布団に入ったらスマホは手の届かない場所へ
「眠れないからスマホ」が一番の悪循環です。充電は机の上で行いましょう。 - 最低でも6時間は確保する意識を持つ
毎日が難しくても、「ここだけは寝る」というラインを自分で決めておきます。
厚生労働省の睡眠ガイド2023では、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保することが推奨されています。実習中でも「毎日2〜3時間睡眠で耐える」を前提にしないでください。
どうしても眠れない夜は、目を閉じて横になっているだけでも体は休まります。「眠らなきゃ」と力むほど眠れなくなるので、「眠れなくてもいい、休めればいい」くらいの気持ちでいるほうが、かえって眠りやすくなります。
デイリーノート・レポートを早く終わらせて寝る時短術
タイプ①(課題で寝る時間がない)の人は、記録のやり方を変えるだけで睡眠時間を取り戻せます。ポイントは、書く量を増やすのではなく「型」と「優先順位」で時間を削ることです。
デイリーノートはテンプレ化で時間を半分に
毎回ゼロから文章を書こうとすると、何を書くか悩む時間だけで何十分も溶けていきます。そこで、自分なりの記入テンプレート(型)を最初に作ってしまいましょう。
たとえば、次のような項目をあらかじめ用意しておきます。
- 今日見学・実施したこと(事実)
- 気づき・疑問に思ったこと(考察)
- 調べたこと・明日確認したいこと(次への行動)
毎日この枠を埋めるだけにすれば、書き出しで迷う時間が消えます。よく使う専門用語や、評価項目の単位なども定型文として登録しておくと、さらに速くなります。完璧な文章を狙わず、まずは枠を埋めることを優先してください。


現場で新人指導やマニュアル作成に関わってきた経験から言うと、記録が速い人ほど文章がうまいというより、毎回同じ型で考える習慣を持っています。実習生も、まず型を作るだけで夜の作業時間をかなり減らせます。
完璧主義を捨て、優先順位で「やらないこと」を決める
寝る時間を削る人ほど、すべてを完璧に仕上げようとしています。でも、限られた時間で全部をやろうとすると、結局どれも中途半端になりがちです。
大切なのは、バイザーが特に重視している点に絞って深めることです。指導者が繰り返し質問してくるテーマや、指摘の多いポイントこそ、力を入れるべき場所と考えてください。
逆に、優先度の低い部分は思い切って簡潔にまとめてしまって構いません。「やること」だけでなく「今日はやらないこと」を決めるのが、睡眠時間を守る一番のコツです。
- 毎回同じテンプレートで書き出しの迷いをなくす
- バイザーが重視する点に絞って深める
- 「今日はやらないこと」を決めて完璧主義を手放す
指導者は寝不足の学生をどう見ているか
「睡眠を削ってでも課題を完璧にしないと、評価が下がるのでは」と不安になる気持ちは、とてもよく分かります。でも、学生を受け入れる側の本音は、たいてい逆です。
「徹夜レポートより、寝てきてほしい」が本音
結論から言うと、多くの指導者は分厚い徹夜レポートより、しっかり寝て元気に来てくれることを望んでいます。実習は学びの場であって、レポートの完成度を競う場ではないからです。


私は元理学療法士・デイサービス管理職として、新人や実習生を受け入れる側も見てきました。睡眠を削って疲れ切った状態で来られるより、よく休んで、現場で一つでも多くを吸収してくれるほうが、よほど成長すると感じています。
「レポートは多少粗くてもいい」
「それより、寝て、現場で吸収してきて」
口に出すかどうかは別として、これが指導する側のリアルな気持ちに近いはずです。
寝不足はミスのもと。むしろ評価を下げる
寝不足のまま実習に臨むと、日中の集中力が落ち、報告を忘れたり受け答えがぼんやりしたりしがちです。これでは、せっかくの努力が逆効果になってしまいます。
さらに、患者さんの体に触れるリハビリの現場では、注意力の低下がそのまま事故やヒヤリにつながりかねません。削るべきは睡眠ではなく、課題の完璧さです。ここを取り違えないでください。
「失敗したらどうしよう」という不安が強い人は、ミスへの向き合い方をまとめたこちらの記事も役に立ちます。


もう限界かも…と思ったときの相談ライン
工夫をしても眠れない日が続き、心や体がつらいときは、無理を続けないでください。我慢の先に成長があるとは限りません。ここでは、相談すべきサインと相談先を整理します。
これが出たら危険|心と体のSOSサイン
次のようなサインが続いているなら、頑張りすぎのラインを越えているかもしれません。


- 眠れない日が1週間以上続いている
- 食欲がない、または食べても味がしない
- 朝、体が動かない・涙が出る・動悸がする
- 実習先へ向かう足が止まってしまう
これらは気合いで乗り切るものではなく、休息や相談が必要なサインです。心や体が壊れてしまっては、元も子もありません。
一人で抱えず、まず学校の教員に言っていい
つらいときの一番の窓口は、学校の実習担当の教員です。実習先と学校は連携しているので、課題量やスケジュール、指導者との関係について、学校から調整してもらえることがあります。
「こんなことで相談したら情けない」と思う必要はありません。学生が安全に学べるようサポートするのが、学校と実習先の役割だからです。眠れない・つらいと正直に伝えることは、弱さではなく自分を守る大切な行動です。
そもそも実習や仕事がつらいのは環境のせいかもしれない、と感じたときは、こちらの記事も参考になります。





相談は、逃げではありません。むしろ実習を最後までやり切るための、賢い一手ですよ。
理学療法士の実習と睡眠によくある質問
最後に、実習で寝れないことに悩む方からよく寄せられる質問にお答えしていきます。
実習を乗り越えた先に待つ国家試験の不安をやわらげたい人は、こちらの記事も参考になります。


まとめ:寝れない夜は、あなたが弱いからではない
PT・OT実習で寝れないのは、あなたが弱いからではなく、真面目に向き合っている証拠です。そして、本当に削るべきなのは睡眠ではなく、課題の完璧さです。
本記事では、「寝れない」を2つのタイプに切り分け、眠れない夜の対処、記録の時短術、そして指導者の本音までをお伝えしました。今夜は完璧を手放して、まずしっかり寝ることを選んでみてください。
- 「寝れない」は①時間がない ②眠れない の2タイプ。切り分ければ対処できる
- 眠れない夜は終了時刻を決めて切り上げ、不安を紙に書き出す
- 指導者の本音は「徹夜より寝てきてほしい」。削るのは睡眠ではない
- 眠れない日が続く・食欲がないときは、学校の教員に相談していい
つらい時期は、永遠には続きません。完璧な実習生でなくて大丈夫なので、自分の心と体を守りながら、一日ずつ進んでいきましょう。



眠れない夜こそ、まず休んでいいんです。あなたのペースで、実習を乗り越えていってくださいね。
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