この記事は、11月4日の財政制度等審議会と10月26日までの社会保障審議会介護保険部会についての公式ページと報道をもとに、11月4日に確かめた内容を書いています。
まだ決まったことではありません。
<悩める人>介護の2割負担が広がるってニュースを見ました。もう決まったんですか?



いいえ、まだ決まっていません。11月4日は、財務省が国の審議会で「早く結論を」と改めて求めた段階です。どこまで広げるかは、厚生労働省の部会で話し合いが続いています。
2026年11月4日、財政制度等審議会(国の予算の使い方について財務大臣に意見を出す場)の財政制度分科会が開かれ、社会保障がテーマになりました。報道によると、財務省は介護について、利用者の2割負担の対象を広げること、ケアプランの作成に利用者負担を入れること、集合住宅の入居者を主に回る訪問介護・通所介護の報酬を下げることなどを、改めて求めました。
どれも利用者さんの財布や、ケアマネジャー・訪問介護の仕事に関わる話です。この記事では、財務省が何を求めたのか、厚労省側の話し合いはどこまで進んでいるのか、まだ決まっていないのは何かを順に整理します。
- 11月4日、財務省は介護の2割負担の対象拡大を改めて求め、預貯金など金融資産も負担に反映すべきとした
- 厚労省の介護保険部会では、2割負担の基準(単身280万円)を230万〜260万円に下げる4つの案が出ているが、結論は出ていない
- 自宅で暮らす人のケアプラン作成にも利用者負担を、という財務省の要求は続いている
- 集合住宅の入居者を主に回る訪問介護・通所介護は、報酬の引き下げを求められた
- どれも財務省の主張で、決まったことではない
11月4日の財政審で財務省が求めたこと
「また負担の話か…」と身構えた方もいるかもしれません。今回の話し合いは、来年度の予算案づくりに向けた協議のひとつです。財務省のページによると、この日の議題は「社会保障」で、配られた資料は「社会保障」という1本でした。
報道によると、財務省は介護費が制度ができてから今年度までに約4倍に増えた(今年度は予算ベース)と示し、現役世代の保険料負担を抑えるために、負担する力に応じた見直しが必要だとしました。数字だけ見ると見直しの話が出るのもうなずけますが、使う側の暮らしはどうなるのか、気になるところですよね。





ひとことで言うと、お金を預かる側からの注文書のようなものです。中身を決めるのは、このあとの厚労省の審議会や、年末にかけての政府・与党の話し合いになります。
介護の2割負担はどこまで広がるのか
いまの2割負担の基準
いま2割負担になるのは、「年金収入+その他の合計所得金額」が単身で280万円以上(夫婦で346万円以上)で、かつ合計所得金額が160万円以上の人です。65歳以上のうち、所得が高いほうの約20%にあたります。これより所得が高い「現役並み所得」の人は3割負担です。



うちの利用者さんがいま何割負担なのか、どこで分かるんでしょう?



市町村から届く介護保険負担割合証に、1割・2割・3割のどれかが書いてあります。まずはここを見てみてください。
部会で示されている4つの案
厚労省の社会保障審議会介護保険部会(介護保険のしくみを話し合う厚労大臣の相談の場)では、2025年12月から、2割負担の基準を下げる4つの案が示されています。2026年9月18日の部会で示された試算は次のとおりです(報道による)。
| 案 | 単身の基準 | 新たに2割になる人 |
|---|---|---|
| 案1 | 260万円以上 | 約13万人 |
| 案2 | 250万円以上 | 約21万人 |
| 案3 | 240万円以上 | 約28万人 |
| 案4 | 230万円以上 | 約35万人 |
夫婦の場合の基準は、案1〜案4で326万円〜296万円です。どの案にするかは、まだ決まっていません。最大で約35万人と聞くと、担当している利用者さんの顔が浮かぶ方もいるのではないでしょうか。
負担が急に増えないための2つの案
部会では、新たに2割になる人への配慮として、2つの案も話し合われています。1つ目は、増える額を当分の間月7,000円までに抑える案です。たとえば1割で月5,000円だった人は2割で1万円(5,000円増)、1割で月1万円だった人は2割でも1万7,000円(7,000円増で止まる)という例が示されました。
2つ目は、預貯金が一定の額より少ない人は、申請すれば1割のままにする案です。例として「預貯金500万円以下」が示されましたが、基準の額は決まっていません。





1つ目は増える額にふたをする案、2つ目は貯金が少ない人を外す案、と覚えると分かりやすいです。どちらも、まだ候補の段階です。
預貯金など金融資産も見るという話
「貯金まで見られるの?」と驚く方もいるでしょう。報道によると、財務省は11月4日、預貯金や金融所得(株の配当や利子など)も踏まえて、利用者の経済力を自己負担にきちんと反映すべきだとし、早急に結論を出すよう求めました。
同じ日の財政審では、委員から「今年末までに結論を得るべき」という意見や、金融所得を考える制度づくりを急ぐよう求める声が出たと報じられています。これらは委員の意見で、決まったことではありません。
一方、厚労省の介護保険部会(9月18日・10月26日)では意見が分かれています。報道によると、健康保険の運営側や経済団体の委員は、現役世代の負担は限界だとして早く広げるよう求めました。労働組合や介護・医療の団体の委員からは、利用を控えて状態が悪くなるおそれや、物価高の中での暮らしへの影響を心配する声が出ています。金融資産を見ることには、正確につかむ方法(マイナンバーと口座のひもづけなど)や、市町村の事務の負担を問う意見もありました。
ケアプラン有料化はどうなっているのか



ケアプランの有料化って、もう決まったんじゃなかったでしたっけ?



決まったのは住宅型有料老人ホームの入居者向けの分です。自宅で暮らす人の分は、財務省が求め続けている段階です。
2026年の介護保険法などの改正で、住宅型有料老人ホームの入居者向けに「登録施設介護支援」という新しいサービスをつくることになりました。ケアプラン作成と生活の相談が有料になり、負担は原則1割(所得によって2〜3割)と報じられています。いつから始まるかは、この記事では確かめられていません。
自宅で暮らす人の居宅介護支援(ケアマネジャーがケアプランをつくるサービス)は、いまも利用者負担がありません。財務省は11月4日、施設ではケアプランの費用が利用者負担に含まれていて在宅と釣り合わないこと、制度ができて25年以上たち利用が定着したことなどを挙げ、ここにも利用者負担を入れるべきだと改めて主張しました。あわせて、要介護度がよくなった割合などの結果を重く見る報酬に変え、その結果を公表すべきだとしています。


在宅の有料化は、これまでも財務省などがくり返し求め、介護業界の強い反対で見送られてきたと報じられています。ケアマネジャーとして働く方にとっては、また話が蒸し返されるのかと気がかりかもしれません。財務省は、新しい登録施設介護支援の報酬も適正にするよう求めています。
集合住宅への訪問介護と通所介護は報酬引き下げを要求
報道によると、財務省は、集合住宅の入居者を主な相手にしている事業所について、同一建物減算(同じ建物の利用者にまとめてサービスするときの報酬の引き下げ)があっても、収支差率(もうけの割合)が比較的高いと指摘しました。
訪問介護では訪問回数や請求が多く、夜間・早朝・深夜の加算をとる割合も高いこと、通所介護では送迎なしの利用が多いのに、基本報酬に送迎の費用が含まれていることを理由に挙げ、来年度の改定で報酬を下げるよう求めています。そのうえで、地域の利用者宅を一軒ずつ回る訪問介護事業所の経営には配慮するよう促しました。訪問看護についても、理学療法士などが職員の半分を超える事業所は収支差率が高いとして、報酬の適正化を求めています。



ひとことで言うと、移動の手間が少ない所は報酬を下げて、一軒ずつ回る所は守ってほしいという主張です。どこまで反映されるかは、厚労省の介護給付費分科会での話し合いしだいです。
これから決まるまでの流れ
2割負担の見直しは、2025年末にも決めきれず、2027年度に始まる第10期介護保険事業計画(市町村の3年ごとの介護保険の計画)の前までに結論を出すことになっています。財務省は6月の建議(財政審の意見書)でも2割負担の対象拡大を求めており、11月4日はそれを改めて押した形です。


財政審の委員からは「今年末までに」という声も出ていますが、いつ結論が出るかはまだ決まっていません。利用者さんに説明する場面に備えて、続報を追っておくと安心です。
- 2割負担の基準をいくらに下げるか(4つの案のどれか、または見送りか)
- 配慮の案(月7,000円の上限・預貯金の基準)を使うか、預貯金の基準をいくらにするか
- 自宅で暮らす人のケアプラン作成に利用者負担を入れるか
- 集合住宅向けの訪問介護・通所介護の報酬をどれだけ変えるか
- 財政制度等審議会(財政審):国の予算や財政について、財務大臣に意見を出す場
- 介護保険部会:介護保険のしくみの見直しを話し合う厚労省の審議会の部会
- 居宅介護支援:自宅で暮らす人のために、ケアマネジャーがケアプランをつくるサービス
- 同一建物減算:同じ建物に住む多くの利用者にサービスするとき、報酬が下がるしくみ
まとめ:介護の2割負担とケアプラン有料化はまだ話し合いの途中
11月4日、財務省は介護の2割負担の対象拡大、預貯金など金融資産の反映、在宅のケアプラン有料化、集合住宅向けサービスの報酬引き下げを改めて求めました。厚労省の部会では4つの案と配慮の案が出ていますが、賛否が分かれています。今回の内容は財務省の主張で、決まったことではありません。



利用者さんやご家族から聞かれたら、「まだ話し合いの途中です」と伝え、いまの負担割合は負担割合証で一緒に確かめるのがよさそうです。
出典
出典:財務省ホームページ「財政制度分科会(令和8年11月4日開催)資料一覧」を加工して作成
出典:厚生労働省ホームページ「社会保障審議会(介護保険部会)」を加工して作成
参考:介護ニュースJoint「介護の2割負担、対象拡大を要求 財務省「早急に結論を」 金融資産の反映も」「居宅介護支援にも利用者負担を 財務省、ケアプラン有料化の要求を堅持」「集合住宅への訪問介護・通所介護、報酬引き下げを 財務省が要求」(いずれも2026年11月4日)
参考:GemMed「介護保険利用料「2割」の高齢者を拡大すべきか?65歳以上の1号保険料の在り方をどう考えるか?」(2026年9月23日)、社会保険研究所「2割負担の対象拡大に慎重論相次ぐ――第136回社会保障審議会介護保険部会」、共同通信(熊本日日新聞)「老人ホームでケアプラン一部有料 介護保険法改正案、衆院を通過」(2026年5月26日)
この記事はAI(Claude)が公式の資料をもとに下書きし、運営者が内容を確かめて公開しています。









