この記事は、2026年11月2日の厚生労働省の検討会の資料をもとに、11月3日に確かめた内容を書いています。
まだ決まったことではありません。
<悩める人>退職金の制度が変わるって聞いたんだけど、今まで働いてきた分が減っちゃうの?



先にお答えすると、すでに加入している人の分は守る案になっています。ただ、これから働く人や勤続の短い人には、変わる点が出てきそうです。
退職金の話が急に出てくると、不安になりますよね。しかも元の資料は専門用語だらけで、読むだけでひと苦労です。
この記事では、厚労省が示した見直し案を、図を使いながらかみ砕いて整理します。制度にくわしくなくても大丈夫です。
- 退職金がもらえる条件「加入1年以上」を引き上げる案が出ました(年数は未定)
- 計算のもとになる金額の上限36万円は見直す方向です
- 辞めて3年以内に戻れば期間を合算できるルールは延ばす方向です
- すでに加入している人は、制度が変わる前日に辞めた場合の金額を保障する案です
- いつから変わるかは、まだ資料に書かれていません
退職手当共済の見直し案で変わりそうなこと
今回の話は「社会福祉施設職員等退職手当共済制度」のことです。長い名前なので、この記事では「退職手当共済」と呼びます。
社会福祉法人が掛金を納めて、そこで働く職員の退職金を支払う仕組みで、福祉医療機構が運営しています。この制度について、厚労省が11月2日の検討会で、見直しの方向性を示しました。変わりそうな点は大きく4つです。


もらえる条件は加入1年以上から引き上げる案
今は、加入して1年以上たてば退職金が出ます。案では、この年数を引き上げます。短い期間で辞める人を減らして、長く働く人を評価するためです。
気になるのは何年になるかですよね。委員からは「3年から5年以上にするのはやむを得ない」「5年未満は不支給が妥当ではないか」という趣旨の意見が出ています。ただし、厚労省の案に年数は書かれていません。



5年未満はもらえなくなるってこと!?



今の時点では、委員の意見の1つです。決まった数字ではありません。ここは続報を待ちましょう。
すでに加入している人への配慮も書かれています。案では、制度が変わった後の支給額が、変わる前日に辞めたと仮定した金額を下回らないようにします。
計算のもとになる金額の上限36万円も見直す案
退職金は、退職前6か月の本俸の平均をもとにした金額に、勤続年数ごとに決まった倍率(支給乗率)を掛けて計算します。本俸は、手当を除いた基本の給料のことです。
この「もとにした金額」には36万円の上限があります。給料が上がっても、36万円より上は退職金に反映されません。最近の賃金の上昇をふまえて、この上限を見直す案が出ています。いくらにするかは書かれていません。
辞めて戻ったときの合算は期間を延ばす案
今は、加入している法人を辞めても、3年以内に加入している法人へ戻れば、前の期間を足して計算できます。これが「合算」です。令和6年度には2,671人が使いました。
案では、この3年という期間を延ばします。何年に延ばすかは書かれていません。
役職を降りたときは下がる前の給料で計算する案
今の計算は「退職前6か月」の本俸で決まります。そのため、役職を降りて給料が下がると、退職金も下がってしまいます。資料には、給料が下がる前にいったん退職して退職金を受け取る実態があるとの指摘も載っています。
案では、給料が下がるまでの期間は、下がる前の給与で計算します。役職を降りた後も働き続けやすくするための見直しです。
給付の水準そのものも見直す方向
ここまでの4つとは別に、給付の水準も見直す方向です。掛金の上がり幅を抑えるためです。
委員からは「支給乗率は下げるべきではないが、公的資金が入らない前提なら下げることも含めて検討せざるを得ない」という趣旨の意見が出ています。どのくらい変わるかは、まだ資料に出ていません。



少しややこしいので、ここまでをひとことでまとめます。長く働く人を手厚くして、短い人には厳しくなる方向の話です。
なぜ今になって退職金を見直すのか
なんで働く側の退職金が削られる話になるのか、と思いますよね。
理由はお金の回り方にあります。この制度は、その年に法人が納める掛金で、その年の退職金を払っています。令和7年度の支給は82,574人で、総額は約1,452億円、1人あたりの平均は約176万円でした。


資料では、2040年頃まで支給額が急増すると見込まれています。足りない分を埋めてきた支払準備金も、令和3年度末の505億円から令和6年度末には294億円まで減りました。委員の発言の中には、令和9年度に使い切る可能性にふれたものもあります。



家計にたとえると、毎月の収入で足りない分を貯金でしのいできたのに、その貯金が減ってきた状態です。
とはいえ、掛金を上げるだけだと法人の経営が苦しくなり、職員の処遇やサービスに影響が出るおそれがあります。そのため、掛金と給付の両方を見直す話になっています。
自分の職場が対象か確かめる方法



うちの職場はそもそも入ってるのかな?
確かめる順番は、次の図のとおりです。


この制度を契約できるのは社会福祉法人だけです。株式会社や医療法人が運営する職場は、今回の話の対象ではありません。
社会福祉法人でも、入っているとは限りません。契約するかは法人が決めることで、加入しているのは16,678法人(社会福祉法人全体の約8割)です。介護や障害の分野では、一部の職員だけを加入させている法人もあります。
確かめるなら、就業規則の退職金の項目を見るか、事務の担当者に「私は退職手当共済に入っていますか」と聞くのが早いです。



聞きにくいときは、「うちの退職金ってどんな制度ですか?」くらいの聞き方で十分です。
今の制度だといくらくらいもらえるのか
厚労省の資料に載っている、今の制度の例です。実際の金額は、ご自身の本俸によって変わります。


| 勤続年数 | 本俸の平均 | 見込み額 |
|---|---|---|
| 5年 | 20万円 | 約50万円 |
| 10年 | 22万円 | 約115万円 |
| 20年 | 28万円 | 約572万円 |
| 30年 | 33万円 | 約1,155万円 |
金額の差が大きいのは、倍率が勤続年数で大きく変わるからです。10年は5.22倍ですが、20年になると20.445倍まで増えます。今の制度でも長く働くほど有利になる計算で、今回の見直しはその方向をさらに進める話です。
減るなら今のうちに辞めたほうが得なのか



減るんだったら、今のうちに辞めたほうが得なのかな……。



そう頭をよぎりますよね。ただ、今の資料だけでは判断できません。
いつから変わるのか、条件が何年になるのか、給付がどれだけ変わるのかが、どれも書かれていないからです。すでに加入している人の分を保障する案も出ているので、今の段階で焦って決める必要はなさそうです。
転職を考えている方は、合算のルールを覚えておくと役に立ちます。手続きの細かい所は、職場の担当者か福祉医療機構で確かめてください。
退職金の相場そのものが気になる方はコチラの記事も読んでみてください。


退職手当共済の見直しはこの先どう進むのか
11月2日の検討会は「とりまとめに向けた議論」の1回目でした。次回以降にとりまとめて、福祉部会に報告する予定です。回数は議論を見て決めます。
- 何年以上の加入で退職金が出るようになるか
- 上限の36万円をいくらにするか
- 合算の3年を何年に延ばすか
- 給付の水準をどのくらい変えるか
- いつから変わるか
- 掛金:法人が制度に納めるお金
- 本俸:手当を除いた基本の給料
- 支給乗率:勤続年数ごとに決まっている、退職金の計算で掛ける倍率
- 合算:辞める前と戻った後の加入期間を足して計算すること
- 支払準備金:足りない分を埋めるために積み立ててあるお金
まとめ:退職手当共済の見直しはまだ案の段階です
今の案では、すでに加入している人の分は、変わる前日に辞めた場合の金額を保障する形になっています。これから変わりそうなのは、支給の条件、上限の金額、戻ってきたときの合算、役職を降りたときの計算です。



まずは、自分が加入しているかを確かめるところからで十分です。
出典
出典:厚生労働省ホームページ「社会福祉施設職員等退職手当共済制度の在り方に関する検討会(第5回)配布資料」(資料1、参考資料1・4・5)を加工して作成
この記事はAI(Claude)が公式の資料をもとに下書きし、運営者が内容を確かめて公開しています。









