この記事は、11月2日の社会保障審議会 介護給付費分科会(第273回)の資料をもとに、11月3日に確かめた内容を書いています。
まだ決まったことではありません。
<悩める人>特養や老健の報酬が変わるって聞いたけど、うちの施設にも関係あるの?



特養・老健・介護医療院のどれかで働いているなら関係があります。今回は透析が必要な人の受け入れや特養のケアマネの兼務など、現場の動き方に近い案が並びました。
2026年11月2日、介護報酬(介護サービスの値段)の見直しを話し合う国の会議「介護給付費分科会」が開かれました。厚生労働省は、2027年度(令和9年度)の介護報酬改定に向けて、特養(介護老人福祉施設)・老健(介護老人保健施設)・介護医療院の3つについて「改定の方向性」を示しています。
資料はどれも長く、加算の名前もたくさん出てきます。この記事では、施設で働く介護職・看護職・ケアマネジャーに関わりそうな案にしぼって、厚生労働省の案と委員の声を分けて整理します。
- 特養では、透析が必要な入所者への送迎だけでなく、受け入れの支援全体を評価する案が出た
- 特養のケアマネは、本体の業務と一体の併設事業所の業務なら兼務できると明確にする案(居宅介護支援事業所は除く)
- 老健の初期加算(Ⅰ)は、急性期の一般病棟以外から退院した人も対象にする案
- 介護医療院では、経管栄養の人を医療処置の割合の計算に含めない案
- 新しい単位数や始まる時期は、まだ決まっていない
11月2日の会議で示された見直し案
今回の資料は、特養・老健・介護医療院の3本です。それぞれ「これまでの主なご意見」「論点と対応案」「参考資料」に分かれていて、対応案は「〜してはどうか」という形で書かれています。案の段階なので、このまま決まるとは限りません。


「結局、自分の仕事は増えるの?減るの?」と気になりますよね。いまの資料からわかるのは方向性までです。単位数(報酬の点数)や細かい条件は、この先の議論で決まっていきます。



ひとことで言うと、今回は「こう変えてはどうか」という提案書です。中身は、この先の会議で話し合われてから固まります。
特養では透析の支援とケアマネの兼務が論点に
送迎だけでなく一連の支援を評価する案
資料によると、2024年の慢性透析の患者数は337,414人で、そのうち65歳以上が約67%をしめています。特養には、透析が必要な入所者の通院を施設の職員が月12回以上送迎したときの「特別通院送迎加算」(594単位/月)があります。ただ、この加算をとっている特養は事業所の数で1.1%(92事業所)にとどまっています(2025年11月審査分)。



透析の人って、送迎以外にも体重や水分のチェックが大変なんだよね…



資料でも、透析の前後や日ごろの健康観察、透析医療機関との連携が必要だと書かれています。そこで、送迎を含む一連の支援をまとめて評価してはどうか、という案になりました。


腹膜透析(おなかの中の膜を使う透析)は通院が月1〜2回程度と少ない一方、カテーテルの管理や感染予防が必要だとされています。見直し後の単位数や算定の条件は、まだ示されていません。
ケアマネの兼務と入院中のベッドの扱い
特養のケアマネジャーは、入所者の処遇に支障がなければ、いまもその特養の中のほかの仕事はできます。今回の案は、併設の事業所の業務でも、本体の業務と一体不可分なものなら兼務できると明確にするものです。居宅介護支援事業所の業務は対象から外れています。
もう1つ、入所者が入院したときのベッドの扱いもあります。ルールでは「入院後約3か月以内に退院することが明らかに見込まれるとき」に再入所できるようにすることになっていますが、一部の自治体では、見込みに関係なく3か月空けるよう求める運用があると指摘されてきました。案では、そうした趣旨ではないと運営基準で明確にするとしています。
小規模特養と加算の整理
定員30人の経過的小規模特養は、離島・過疎地域以外にある施設の基本報酬を見直す案です。離島・過疎地域にある施設は、2027年度改定では見直さないとされています。また、退所支援に関わる5つの加算は統合・整理し、在宅・入所相互利用加算と小規模拠点集合型施設加算は廃止する案で、1年の経過措置を設けるとしています。
老健では初期加算の対象が広がる案
老健の初期加算(Ⅰ)(60単位/日)は、急性期医療を担う病院の一般病棟に入院して30日以内に退院した人を受け入れたときの加算です。老健への調査では、この加算をとれなかった理由として「急性期病棟からの退院ではなかった」が65.3%、「入院後30日を超えていた」が55.2%でした(複数回答)。


「早く退院してきたのに、病棟の種類で対象外になるのはもったいない」と感じた人もいるかもしれません。資料では、地域包括ケア病棟の平均在院日数が24.8日(令和6年度)と、急性期以外にも30日以内の病棟があると示されています。そこで案では、一般病棟以外の病棟から退院した人も対象にするとしています。



たとえるなら、「急行から乗りかえた人だけ割引」だったのを、各駅停車から乗りかえた人にも広げるイメージです。入院でADL(日常の動作)が落ちる前に、早くリハビリにつなげるねらいがあります。
老健では、このほかに次の案も出ています。
- 透析医療機関との連携や施設内の体制を整えたうえで、透析の人を受け入れたときの評価を検討する(受け入れられると答えた老健は、血液透析14.1%、腹膜透析6.1%)
- 所定疾患施設療養費の対象に褥瘡感染を加える。ただし入所中にできた褥瘡の感染は対象外
- 在宅復帰率の計算で、特養への退所を在宅復帰に含めるなどの見直し
- 短期集中リハビリテーション実施加算と認知症短期集中リハビリテーション実施加算で、入院後の扱いなどの条件をそろえる
介護医療院では経管栄養の数え方を見直す案
介護医療院の基本報酬は、喀痰吸引・経管栄養・インスリン注射をしている人の割合で区分が決まります。資料では、経管栄養をしている入所者は入所から「6か月超」の人の割合が最も高く、介護医療院で27.6%(老健は3.3%)でした。
案では、経管栄養の人を医療処置の割合の計算に含めないとして、要件を見直すとしています。口から食べることへの移行を進めるねらいです。とはいえ「区分が下がるのでは」と心配になる施設もあると思います。どの区分にどう影響するかは、まだ示されていません。


介護医療院でも、老健と同じく透析の人を受け入れたときの評価を検討する案が出ています。また、算定率(とっている事業所の割合)が低い退所前訪問指導加算(2.2%)・退所後訪問指導加算(0.9%)・在宅復帰支援機能加算(0.5%)は、統合・整理する案です。
委員からはどんな声が出たのか



会議では、みんな賛成だったの?



報道を見ると、賛成の声も慎重な声もありました。ここからは委員の意見で、決まったことではありません。
医療・介護のニュースサイトの報道によると、11月2日の会議では次のような発言があったとされています。
- 特養の団体の委員:透析以外の通院や救急搬送での職員の負担も、評価を検討してほしい
- 町村の立場の委員:離島・過疎地では、小規模特養が閉じると代わりのサービスを確保できないので配慮を
- 労働組合や介護福祉士の団体などの委員:ケアマネの兼務は、業務負担やサービスの質、利用者の安全に配慮し、対象の業務を丁寧に明確にすべき
- 医師会の委員:老健の基本報酬の大幅な引き上げを求め、ケアマネの兼務の明確化は老健・介護医療院にも、と発言
- 健康保険組合の団体の委員:初期加算(Ⅰ)の対象拡大は慎重に検討すべき
同じ案でも、立場によって見え方が違うことがわかります。現場の負担と利用者の安全をどう両立させるかが、これからの議論の焦点になりそうです。
- 透析の支援の新しい評価の名前・単位数・条件
- ケアマネが兼務できる「一体不可分な業務」の具体的な範囲
- 経過的小規模特養の基本報酬をどこまで見直すか
- 介護医療院の区分が、経管栄養の扱いでどう変わるか
- 介護給付費分科会:介護報酬の見直しを話し合う国の会議
- 加算:決められた体制や取り組みをしたときに、基本の報酬に上乗せされる分
- 初期加算:入所してから30日以内の期間に算定する加算
- 経過措置:新しいルールに移るまでの猶予の期間
まとめ:2027年度介護報酬改定で施設の見直し案が出そろった
11月2日の会議では、特養・老健・介護医療院のそれぞれで、透析が必要な人の受け入れ、ケアマネの兼務、初期加算(Ⅰ)の対象、経管栄養の扱いなどの見直し案が示されました。どれも案の段階で、単位数や細かい条件はこれからです。



自分の施設で透析の人の受け入れや兼務の話が出ているなら、この先の会議で条件がどう固まるかに注目しておくと安心です。
出典
出典:厚生労働省ホームページ「第273回社会保障審議会介護給付費分科会 資料」(資料1「介護老人福祉施設・地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護(改定の方向性)」、資料2「介護老人保健施設(改定の方向性)」、資料3「介護医療院(改定の方向性)」)を加工して作成
委員の発言:GemMed(2026年11月2日)
あわせて読んだ報道:介護のニュースサイトJoint(2026年11月2日)
この記事はAI(Claude)が公式の資料をもとに下書きし、運営者が内容を確かめて公開しています。









