「男の自分が育休なんて、言い出せる空気じゃない」
「収入が減ったら、家族を養えないかもしれない」
「うちの職場、男性で取った人を見たことがない」
子どもが生まれるのはうれしいのに、育休のことを考えると気が重くなっていませんか?
<悩める人>妻に「育休取れないの?」と聞かれました。取りたい気持ちはあるのに、職場で言える気がしません。



言えないのはあなたの意気地の問題ではなく、リハ職の職場構造の問題です。順番にほどいていきましょう。
結論から言うと、男性の理学療法士・作業療法士でも、育休は会社が拒否できない法律上の権利として取得できます。
ただし、取りやすさは職場の実績でほぼ決まるのに、その実績は求人票に載りません。
リハ職の求人を扱うレバウェルリハビリのような相談先なら、男性の育休実績まで応募前に確認できます。
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この記事は、リハビリ職の採用や配置に関わってきた元PTが、制度のタテマエではなく現場の実際にそって書きました。
「取れるかどうか」を職場まかせにせず、自分で選べるようになりましょう。
読み終わる頃には、次にやることが1つに絞れているはずです。
結論:男性の理学療法士・作業療法士も育休は取れる
まず、土台になる事実から確認します。
育児休業は、要件を満たす労働者の申出を会社が拒否できない、法律で決まった権利です。
育児・介護休業法では、育休の取得を理由にした解雇・降格などの不利益な取扱いも禁止されています。
「人手が足りないから無理」という職場の事情は、申出を断る理由として認められていません。
男性が使える育休は、大きく分けて2階建てになっています。
| 制度 | 取れる期間 | 分割 |
|---|---|---|
| 産後パパ育休(出生時育児休業) | 子の出生後8週間以内に4週間まで | 2回に分けられる |
| 育児休業 | 原則、子が1歳になるまで | 2回に分けられる |
「産後の1ヶ月だけ」「妻の復職に合わせて後から」など、家庭の事情に合わせた組み立てができます。
男性の取得率は50.9%まで来ている
「男性の育休なんて一部の大企業の話」というイメージは、データで見るともう古いです。
| 区分 | 育児休業取得率 |
|---|---|
| 男性 | 50.9%(前年度40.5%から上昇) |
| 女性 | 88.3% |
男性の2人に1人が取る時代になり、育休はもう特別な選択ではありません。
取得期間は「1〜3ヶ月未満」の層が30.3%と最多で、数週間〜数ヶ月の取得が現実的なボリュームゾーンです。
最新の統計は厚生労働省「雇用均等基本調査」で確認できます。
リハ職の男性が取れた実例もある
「制度はあっても、リハ職では無理なのでは」と思うかもしれません。
実際には、病院や訪問リハ事業所が男性理学療法士の育休取得を公式サイトで公表する例も出てきています。
県士会の学術発表として、男性PT・OTの取得事例が報告されたこともあります。
取れる職場:妊娠報告の段階から担当の組み替えや代替要員の調整が始まる。
取れない職場:制度はあっても、言い出した人が調整役まで背負わされる。
つまり「リハ職だから取れない」のではなく、職場によって差が大きいのが実態です。



私の周りでも、取れた人と取れなかった人を分けたのは本人の熱意ではなく、職場でした。
「取れる空気がない」のはリハ職の職場構造のせい





権利なのは分かりました。でも、うちのリハ科で言い出すのはまた別の話という気がして⋯



その感覚は正しいです。リハ職には、言い出しにくくなる構造が3つあります。
単位ノルマが「自分が抜けたら」を重くする
リハビリ職場の収益は、セラピストが1日に取る単位数でほぼ決まります。
あなたが1ヶ月休むと、その分の単位=売上が職場からそのまま消えるわけです。
看護師のように病棟間で人を回せる職種と違い、リハ科は科の中だけで穴を埋めることになります。
起きやすいこと:上司が渋る理由は感情ではなく、収益の計算。
つらくなる理由:「自分さえ我慢すれば」と一人で抱え込みやすい。
でも、休業者が出たときの収益設計を考えるのは管理者の仕事であって、あなたの罪悪感で埋める問題ではありません。
この構造を知っておくだけでも、「自分がわがままを言っている」という感覚はかなり薄れるはずです。
少人数配置で「代わりがいない」
訪問リハやデイサービスなど、リハ職が1〜3人しかいない職場では、物理的に代わりがいません。
ただ、代わりを用意できるかどうかは職場の人員設計の問題です。
実績のある職場は、報告を受けた時点で非常勤の確保や担当の組み替えを動かし始めます。
その準備をするかどうかに、職場の姿勢がそのまま出ます。
逆に、ぎりぎりの人数で回し続けている職場は、育休に限らず休み全般が取りにくい職場です。
「代わりがいないから取れない」は、裏を返せば代わりを準備しない職場だから取れないということです。
男性の前例がない職場は「最初の1人」が重い
前例のない職場では、あなたが最初の1人になります。
- 就業規則に男性育休の運用が書かれていない
- 上司が制度をよく知らず、説明する側に回らされる
- 申請書式がなく、手続きが手探りになる
制度を知らない上司への説明役まで、あなたが背負う必要はありません。
男性の取得率がこの数年で急伸したのは、最初の1人が出た職場から一気に広がったからでもあります。
もし今の職場で最初の1人になるなら、後半の動き方をそのまま使ってください。
育休中のお金はどうなる?手取りの実際


言い出しにくさの次に大きいのが、収入の不安だと思います。
ここは制度が近年大きく変わっていて、想像より手厚くなっています。
給付金の基本は「67%+社会保険料ゼロ」
育休中は給料の代わりに、雇用保険から育児休業給付金が支給されます。
| 期間 | 給付率(休業前賃金に対して) |
|---|---|
| 休業開始〜180日 | 67% |
| 181日目以降 | 50% |
| 出生後8週以内の28日まで | 80%(2025年4月〜・条件あり) |
さらに育休中は社会保険料が免除されるため、67%の期間でも手取りベースでは休業前の約8割になります。
しかも給付金は非課税で、所得税がかからず翌年の住民税の計算にも入りません。
「収入がゼロになる」と思っていた人には、まずここを知ってほしいです。
2025年4月から、28日間は手取り10割相当
2025年4月に「出生後休業支援給付金」という上乗せの給付が新設されました。
父親が子の出生後8週間以内に通算14日以上の育休(産後パパ育休を含む)を取ると、28日を上限に給付率が80%になります。
社会保険料の免除と合わせると、手取り10割相当です。
原則は夫婦それぞれが14日以上取得することが要件ですが、配偶者が働いていない場合などの例外もあります。
つまり出生直後の4週間だけなら、収入面のハードルはかなり低くなっているんです。
給付金の申請は原則として職場経由で行うため、自分でハローワークに通う必要はありません。
詳しい条件は厚生労働省「育児休業給付」のページで確認できます。
月給28万円で1ヶ月取った場合のイメージ
数字のイメージが湧くように、ざっくり試算してみます。
28日分は給付率80%の対象になり、給付はおよそ22万円です。
働いた月に引かれていた社会保険料や税金がかからないため、手取りの感覚ではふだんの月とほぼ変わりません。
賞与や手当を除いた基本給ベースで考えると、実際の感覚に近づきます。
あくまで目安の計算で、賃金の水準や取り方によって金額は変わります。
それでも、「収入がゼロになる」という想像よりははるかに現実的な数字のはずです。
知らないと慌てる3つの注意点
手厚くなったとはいえ、事前に知っておきたい落とし穴もあります。
- 給付金の計算には上限額がある(給料が高めだと10割相当にならない)
- 申請から入金まで時間差があり、最初の給付は数ヶ月先になることがある
- 住民税は前年の所得に対してかかるため、育休中も納付が続く
- 賞与は職場の支給規定によって、休んだ期間の分が査定に反映されることがある
産後の出費と重なる時期なので、最初の給付が届くまでの生活費は先に見ておきましょう。
逆に言えば、数ヶ月分の生活費を先に置いておけば対処できるものばかりです。
「収入が減るから無理」と決める前に、自分の給料で試算してから判断しても遅くありません。
そもそもの給料が上がらない悩みは、コチラの記事で整理しています。


取れる職場を先に選ぶ!見分け方は3段階


ここからが、この記事の本題です。
育休を取れるかどうかは、入職してからの交渉ではなく、職場を選ぶ段階でほぼ決まっています。
採用や配置に関わってきた立場から、見分ける方法を3段階で紹介します。
求人票と公表データで下調べする
- 従業員300人超の法人には男性育休取得率の公表義務がある。法人名で検索して数字を見る
- 求人票に「育休取得実績あり(男性含む)」の記載があるか
- 産休・育休からの復帰率や、子育て中の職員の在籍が書かれているか
「育休制度あり」は法律上どの職場にもあるので、書いてあっても差になりません。
差が出るのは「男性の取得実績」まで書けるかどうかです。



取得率の公表義務は2025年4月に従業員300人超へ広がったので、医療法人や社会福祉法人でも調べられる先が増えていますよ。
ただし、書いていないから無いとも限らないため、次の段階で中身を確かめます。
面接・見学では「実績」を数で聞く
聞き方の例1:「男性で育休を取られた方はいらっしゃいますか」
聞き方の例2:「直近では、どのくらいの期間取られましたか」
答えの中身そのものより、質問への反応に職場の本音が出ます。
「制度はあります」という答えと「去年も2人取りました」という答えの間には、大きな差があります。
実績を聞かれて言葉に詰まる職場は、あなたが最初の1人になる職場です。
- 子育て中の職員が定時で帰れているか
- 急な休みが出たとき、担当をカバーする決まりがあるか
- 管理者に子育て経験者がいるか
とはいえ、選考中にここまで聞くのは気が引けるのも正直なところだと思います。
聞きにくいことは、代わりに聞いてもらう
面接で聞きづらい育休の実績は、転職エージェント経由なら選考に影響させずに確認できます。
レバウェルリハビリのようにリハ職専門で職場の内情に通じた相談先なら、「男性の育休実績」「復帰後の働き方」まで含めてこちらの名前を出さずに確認してもらえます。
- 男性の育休取得実績と、直近の取得期間
- 復帰後の担当の持たされ方・時短の可否
- 残業や土曜出勤の実際の量
子どもの予定を伝えたうえで職場を探せるのは、自力の応募にはない安心感です。
「男性育休の希望がある」と先に伝えて求人を出してもらえば、ミスマッチ自体を減らせます。
\ 聞きにくいことは代わりに聞いてもらう /
レバウェルリハビリを実際に使った体験談は、コチラの記事でまとめています。


今の職場で育休を取るための動き方


「まずは今の職場で取りたい」という人向けに、通りやすくなる動き方をまとめます。
伝える順番は「早めの口頭→正式な申出」
「取るかどうか相談」ではなく、「取りたいので調整をお願いします」と意向として伝えます。
産後パパ育休は原則2週間前まで、通常の育休は原則1ヶ月前までが申出の期限です。
担当患者の状態と申し送りを一覧にして渡すと、残る側の不安が小さくなります。
法律上の期限ぎりぎりに出すより、調整の時間を職場に渡すほど話は通りやすくなります。
上司に伝えたら、人事や事務にも制度の手続きを早めに確認しておくとスムーズです。
誠意は見せつつ、「取るかどうか」を相談ごとにしないのがコツです。
伝え方の例:「秋に子どもが生まれます。出生後に◯週間の育休を取りたいので、担当の調整をお願いできますか。引き継ぎ表はこちらで用意します」
「取らせてもらえますか」ではなく「取りたいので調整をお願いします」と、前提を取得側に置いて話すのがポイントです。
分割取得で職場の負担感を下げる
産後パパ育休は2回に分けて取れて、通常の育休も2回に分割できます。
出生直後に2週間+妻の職場復帰に合わせて1ヶ月、という分け方もできます。
産後すぐの時期は母体の回復期にあたり、出生直後の取得は家庭にとっての意味も大きいです。
職場の繁忙期を外した設計を自分から提案すると、調整のハードルはぐっと下がります。
渋られた・断られたときの対処
くり返しになりますが、要件を満たす申出を会社は拒めません。
「今は時期が悪い」→「では、いつからなら調整できますか」と時期の話に変える。
「前例がないから」→「制度に沿って手続きしたいので、書式を確認させてください」と手続きの話に変える。
感情の応酬にせず、調整と手続きの話に置き直すのが消耗しないコツです。
- 言われた内容を日付つきで記録に残す
- 就業規則と申請書式を確認し、書面で申し出る
- 都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談する
取得を理由にした不利益な取扱いは法律で禁止されており、都道府県労働局という外部の相談窓口も用意されています。
制度の全体像は厚生労働省「イクメンプロジェクト」でも確認できます。
ここまでやっても渋られ続けるなら、職場ごと変える選択肢が現実味を帯びてきます。
育休をきっかけに職場を選び直すのはアリ



正直、ここまで気を使わないと取れない職場で、この先も子育てしながら働ける気がしません⋯



その感覚は大事にしていいですよ。育休への反応には、職場の子育て観がそのまま出ます。
育休を渋る職場は、子の発熱による急な休みや看護休暇にも渋い傾向があります。
子育ては育休で終わりではなく、そこから10年以上続く長期戦です。
- 男性の育休実績があるか
- 子育て中の職員が辞めずに働き続けているか
- 残業や持ち帰り仕事が少ないか
- 有給や子の看護休暇が実際に使われているか
子育て中の職員が多い職場は、お互いさまの文化ができていて、急な休みにも慣れています。



見学で子育て中の男性職員と話せると、入ってからの生活がぐっとイメージしやすくなりますよ。
育休を取った男性がその後も普通に評価されている職場なら、さらに安心です。
家族が増えるタイミングは、働き方を見直す節目としてちょうどいい時期でもあります。
リハ職向けエージェントの選び方は、コチラの記事で比較しています。


男性リハ職の育休でよくある質問
男性の理学療法士でも本当に育休を取れますか?
取れます。要件を満たす労働者の申出を会社は拒めず、男性の取得率も5割を超えました。根拠は結論の章で解説しています。
育休中の収入はどのくらいになりますか?
給付金67%+社会保険料免除で手取り約8割、要件を満たせば28日間まで手取り10割相当です。給付には上限があるため、詳しくはお金の章を確認してください。
非常勤や契約職員でも取れますか?
有期雇用でも、子が1歳6ヶ月になるまでに契約満了が決まっていないなどの要件を満たせば取得できます。労使協定で入社1年未満が対象外になる職場もあるため、就業規則を確認してください。
育休を取ると昇進や評価に響きませんか?
取得を理由にした降格や減給などの不利益な取扱いは法律で禁止されています。実績のある職場では、取得後に管理職へ進む例も普通にあります。運用が不安になる職場なら、働き続ける場所として見直すサインかもしれません。
転職した直後でも育休は取れますか?
法律上は可能ですが、労使協定により入社1年未満は対象外としている職場が多いのが実情です。子どもの予定があるなら、入職時期と就業規則を先に確認しておきましょう。入職前なら、エージェント経由で運用まで確認できます。
まとめ:育休は交渉ではなく権利。職場は先に選べる
男性の理学療法士・作業療法士でも、育休は会社が拒めない法律上の権利です。
言い出しにくいとしたら、それはあなたではなく職場の構造の問題でした。



「取れるかどうか」で悩む時間を、「どの職場で取るか」を選ぶ時間に変えていきましょう。
取れるかどうかの主導権は、職場ではなくあなたの側にあります。
子どもが生まれる日は、待ってくれません。
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