この記事は、2026年11月6日の厚生労働省の審議会(社会保障審議会 介護給付費分科会)の資料をもとに、11月7日に確かめた内容を書いています。
まだ決まったことではありません。
<悩める人>デイサービスでも、身体拘束の委員会や研修が義務になるって本当?



厚生労働省が義務にする案を出した段階です。取り組んでいない事業所は基本報酬を減らす案もセットになっています。ただ、まだ決定ではありません。
2026年11月6日、2027年度(令和9年度)の介護報酬改定に向けた国の会議が開かれました。この日のテーマの一つが「高齢者虐待の防止」です。その中で厚生労働省は、デイサービスなどの通所系サービスにも、身体拘束を減らすための体制づくりを求める案を示しました。
「また委員会が増えるの?」と身構えた方もいるかもしれません。この記事では、案の中身、いまのルールとの違い、事業所の取り組み状況の調査結果、そして委員の声を順番に整理します。
- 通所介護・地域密着型通所介護・認知症対応型通所介護・通所リハビリに、身体拘束を減らすための委員会・指針・研修を義務付ける案が出た
- 取り組んでいない事業所は基本報酬を減算する案。減算の割合はまだ示されていない
- 一定期間の経過措置(準備のための猶予)を設ける案。期間はまだ示されていない
- 2026年度の調査(速報値)では、通所系の約85%が委員会、約95%が研修を実施または今年度中に実施予定
通所系にも委員会と指針と研修を求める案
今回の案の対象は、通所介護(デイサービス)、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、通所リハビリテーション(デイケア)の4つです。厚生労働省は、これらの通所系サービスに身体拘束の適正化のための措置を義務付け、取り組んでいない場合は基本報酬を減算する案を出しました。
「身体的拘束等の適正化」とは、利用者の体や行動の自由を制限することを、なるべくなくしていく取り組みのことです。求められる措置は次の3つです。
- 委員会の開催など
- 指針(事業所としての考え方や手順をまとめた文書)の整備
- 研修の定期的な実施





ひとことで言うと、話し合う場・ルールの文書・学ぶ時間の3点セットを、デイにも用意してもらう案です。
厚生労働省は理由として、通所系は「一定時間、事業所の運営管理の下でケアが提供される」点で、施設や短期入所と似ているとしています。また、ほかのサービスで義務付けたときと同じように、一定期間の経過措置を設ける案も示しました。いきなり明日から減算、という話にはならない見込みです。
いまのルールと何が変わるのか



うちのデイ、身体拘束のルールはもうあった気がするけど…?



はい、2024年度の改定で、通所系にも身体拘束の原則禁止と記録の義務が入っています。今回はそこに体制づくりを上乗せする案です。
2024年度の改定から、通所系では、利用者や他の利用者の命や体を守るために緊急でやむを得ない場合を除いて、身体拘束をしてはいけないことになっています。やむを得ず行う場合は、その様子と時間、そのときの利用者の心身の状態、やむを得なかった理由を記録します。一方、委員会・指針・研修の義務は、通所系にはまだありません。サービスごとの現状は次のとおりです。
| サービス | 委員会・指針・研修 | 未実施のときの減算 |
|---|---|---|
| 施設・居住系 | 義務 | 基本報酬の10% |
| 短期入所・多機能系 | 義務(2024年度から) | 基本報酬の1% |
| 通所系 | なし(今回の案で義務に) | なし(今回の案で減算に・割合は未定) |
「1%なのか10%なのかで全然違う」と気になりますよね。今回の資料では、通所系の減算の割合はまだ示されていません。
なお、通所系にはすでに「高齢者虐待防止措置未実施減算」(基本報酬の1%)があります。こちらは虐待防止の委員会・指針・研修・担当者が対象です。今回の案は身体拘束の適正化のための措置なので、別の話として受け止めておくと混乱しにくいです。


多くのデイはすでに取り組んでいる
厚生労働省は、通所系の取り組み状況の調査結果(2026年度・速報値)も出しています。回答した10,342事業所のうち、委員会は85.0%、指針は86.3%が「実施している」または「今年度中に実施する予定」でした。研修は95.0%です。


「うちもやっているかも」と少しほっとした方もいるでしょう。ただし数字には「今年度中に予定」も含まれます。また委員会の85.0%のうち、3か月に1回以上の定期開催は44.4%で、36.7%は「設置しているが定期的には開いていない」という回答でした。
背景には、介護職員などによる虐待を受けた高齢者のうち、適正な手続きを経ていない身体拘束を受けた人の割合が、例年2〜3割程度で横ばいという状況があります。厚生労働省は、取り組みの強化が引き続き必要だとしています。
委員の声と報道の見方
ここからは、厚生労働省の案ではなく、これまでの会議で委員から出た意見です(厚生労働省が事務局の責任でまとめた物)。決まったことではありません。
- 通所系は事業所の中での対応なので、身体拘束の適正化は進めるべきではないか
- 委員会や研修を減算・加算の条件にしても、形だけになって実効性があるのか疑問
- 施設では委員会や研修が多く、現場に余裕がない。内容が似た研修は一緒に行えるようにしてほしい
- 研修以上に、処遇改善と業務の負担を軽くすることが、虐待の根本的な予防につながるのではないか



進めるべきという声と、形だけにならないか・負担が増えないかという声の両方が出ています。
介護業界の専門メディアも、この日の会議を「厚労省の提案」として報じています。その記事でも減算の割合は書かれていませんでした。
いまのうちに確かめておきたいこと



まだ決まっていないなら、現場で何かしておくことはある?



まずは、いまも義務になっている原則禁止と記録のルールを、職員みんなで確かめておくのがよさそうです。
国の基準の解釈では、緊急やむを得ない場合とは切迫性・非代替性・一時性の3つの要件をすべて満たす場合とされています。事業所として慎重に確かめ、その内容を記録しておく必要があります。適正な手続きを経ていない身体拘束は、原則として高齢者虐待にあたると考えられています。


「委員会がまた一つ増えるのはしんどい」という声もあると思います。すでに義務がある施設などでは、関係の深い他の委員会と一体的に運営してよいことになっており、研修も複数事業所での合同開催や、自治体の研修会への参加といった方法が示されています。通所系でも同じ扱いになるかは、これからの議論しだいです。
- 義務化と減算を行うかどうか(今回は案の段階)
- 通所系の減算の割合
- 経過措置の期間と、いつから始まるか
- 委員会を開く頻度や研修の回数
- 介護予防のサービスも対象になるか、他の委員会や研修と一緒に行えるか
- 介護給付費分科会:介護報酬の見直しを話し合う国の会議
- 基本報酬:サービスを提供したときに事業所が受け取る報酬の土台の部分
- 減算:条件を満たさないとき、報酬を差し引くしくみ
- 経過措置:新しいルールに移るまでの準備期間
- 切迫性・非代替性・一時性:命や体が危ない状態である、ほかに方法がない、一時的である、という3つの要件
まとめ:デイサービスの身体拘束適正化の義務化は案の段階
厚生労働省は、通所系サービスにも身体拘束の適正化のための委員会・指針・研修を義務付け、取り組んでいない場合は基本報酬を減算する案を示しました。経過措置を設ける方向ですが、減算の割合や始まる時期はまだ決まっていません。



調査では多くの事業所がすでに取り組んでいます。続きの議論が出たら、またわかりやすく整理しますね。
出典
出典:厚生労働省ホームページ「第274回社会保障審議会介護給付費分科会 資料3 高齢者虐待の防止/介護現場における安全性の確保、リスクマネジメント」を加工して作成
出典:厚生労働省ホームページ「第274回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料」
この記事はAI(Claude)が公式の資料をもとに下書きし、運営者が内容を確かめて公開しています。









