言語聴覚士を辞めたいほどつらいとき|職場を変える判断と次の選び方

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言語聴覚士を辞めたいほどつらいとき|職場を変える判断と次の選び方

食事の場面で判断を求められたあと、帰り道まで「あの対応でよかったのかな」と考え、相談できるSTもいないまま「もう辞めたい」と思う自分まで責めてしまいますよね。

辞めたい気持ちは適性の判定ではなく、次の行動は仕事の内容と今の職場のやり方のどちらがつらいかで変わります。

PTとして働き、老健とデイサービスで採用や受け入れにもかかわった経験から、STのつらさの整理と次の職場で確かめたいことをお伝えします。

この記事を書いた人

ぜおん

理学療法士14年。不動産会社を経て理学療法士になり、総合病院・老健・介護系会社の4ヶ所で勤務。デイサービスの管理者、老健の主任、教育委員長、介護認定審査員を経験。求人を出す側、面接をする側、辞めていく職員と面談する側にいました。面談のためにメンタルヘルス・マネジメント検定2級と心理カウンセラーも取得しています。

自身の転職は4回、8ヶ所の転職エージェントに登録。リハビリ職・介護職の友人から10人ほどの転職相談を受けています。詳しい経歴はコチラ。

目次

言語聴覚士を「辞めたい・辛い」と感じる理由|まず、甘えではない

STのつらさを仕事内容・職場環境・働き方に分ける図

言語聴覚士の「辞めたい」は、1つの理由だけで起きるとは限りません。

まずは今のつらさを、仕事内容・職場環境・働き方に分けてみてください。

嚥下の判断や成果の見えにくさが重い

食べることにかかわる支援では、安全面も考えなければなりません。

判断に迷う場面が続けば、勤務時間が終わっても頭が休まらないことがあります。

失語症や高次脳機能障害、小児の支援などでも、変化がゆっくりで「自分の関わりは役に立っているのか」と感じる日はあるでしょう。

この場合は、仕事を嫌いになったのか、判断を相談できないことがつらいのかを分けて考えてみてください。

家族対応や多職種との連携で消耗する

本人の希望、家族の期待、現場の人手が合わないとき、STだけで話をまとめるのは難しいものです。

説明をしても別の職種に伝わらず、同じ話を何度も繰り返すのもしんどいですよね。

私もPTとして、他職種と支援方針をそろえる難しさを感じてきましたが、STの専門的な判断まで肩代わりできるわけではありません。

意見が通らないときは、あなたの説明だけでなく、職場に相談や決定の手順があるかも見てください。

家族へ説明する前に、何をSTから伝え、何を主治医や担当者と一緒に説明するかが決まっているだけでも、1人で抱える重さは違います。

意見が食い違った場面を「私の説明が下手だった」で終わらせず、説明に同席してくれる人や、方針を決める場があるかを確かめてください。

勉強・業務量・給与の負担が重なっている

担当する領域が広く、学ぶ時間は勤務外ばかりで、記録や会議も多いのに給料がなかなか上がらない。

そんな働き方なら、好きだった仕事まで楽しくなくなることがあります。

「STの仕事そのものが嫌になった」と決める前に、担当数、学習の支援、評価や昇給の説明を確かめましょう。

「何が変われば続けられそうか」が1つでも思い浮かぶなら、職場の条件を見直す余地があります。

給与を理由に職場を変えるなら、求人票の年収だけでなく、基本給、賞与の算定、残業と記録にかかる時間、研修費の扱いまで、応募先ごとに同じ項目で比べてください。

月収が上がっても、勤務後の記録や自費の研修が増えれば、いま負担になっている働き方が続くかもしれません。

面接では「昇給はありますか」だけでなく、「STの昇給はどんな評価で決まりますか」と聞くと、条件を具体的に確かめやすくなります。

答えが曖昧なら条件を書面で確認し、今の職場と並べてから考えましょう。急いで転職先を決めるより、自分が変えたい負担を減らせるかが大切です。

STの仕事が楽しくなくなったとき

以前は患者さんと向き合う時間が好きだったのに、最近は何も感じない。

そんな変化があると「STに向いていなかったのかな」と思うかもしれませんが、疲れがたまっているときと、仕事への関心が変わったときでは、必要な行動が違います。

「患者さんと関わる時間もつらいか」「記録や人間関係から離れると少し楽になるか」「十分に休んだ日にも同じ気持ちか」の3つを、今すぐ答えを出すためではなく、原因を分けるために考えてみてください。

休む時間を取れないほど追い込まれているなら、適性を判断する前に休息を優先しましょう。

ST一人職場の孤立は、あなたのせいじゃない|構造で起きている

STが同職種・上司・多職種へ相談できる経路を確かめる図

職場にSTが1人しかいないなら、専門的な話をすぐに聞ける相手がいないこと自体が重荷です。

ここで確かめたいのは、資格者数の多さではなく、迷ったときに誰に相談し、誰が最終判断をするかです。

同職種がいなくても相談先は決まっているか

STが複数いる職場でも、忙しくて相談できなければ孤立は残ります。

逆に1人配置でも、上司や外部のST、医師・看護師・管理栄養士などへ確認する手順が決まっていれば、抱える範囲は変わります。

「困ったら相談して」と言われているだけなら、いつ・誰に・どの方法で聞けるのかまで確認してみてください。

定例のカンファレンスで相談できる内容と、その日の食事場面で迷ったときに確認できる相手は、分けて考える必要があります。

同じ職種の先輩が別拠点にいても、勤務中に連絡できるか、返事が来るまで誰が対応を決めるかが曖昧なら、安心して任せてもらえる体制とは言い切れません。

助けを求めても仕組みが変わらないなら

相談を持ちかけても、毎回「あなたが何とかして」と返されるなら、気合いだけでは解決しません。

どの判断で困ったか、誰に相談したか、どんな返答だったかを短く残しておきましょう。

上司へ伝えるときも「つらいです」だけではなく、「嚥下の判断に迷うときの確認先を決めたい」のように、必要な支援を具体的に話せます。

相談後も変わらないなら、同じお願いを繰り返す前に「いつまでに誰が決めるか」を確認しましょう。

返答の期限も決まらないなら、今の職場だけを頼りにしないため、別の職場の相談体制を調べ始めてもよいと思います。

記録は職場を責める材料ではなく、自分が何に困り、どこまで改善を試したかを見失わないために残すものです。

一人職場での日々の工夫は、ST一人職場での対処法で詳しく扱っています。

職場の問題を見直す|元管理職が見た教育体制

管理者に相談しても担当数や確認先について具体的な対応が出てこないなら、今の職場で頑張る以外の道も持ってください。

職場が変えるべき問題まで本人に背負わせない

経験の浅いSTに難しい症例を任せるなら、相談先や確認の時間も必要です。

本人に勉強を求めながら、勤務中に質問もできず、支援方針を共有する場もないなら、努力だけでは埋まりません。

「周りはできているのに」と言われても、誰が何を支える職場なのかは別の問題です。

元管理職として見た「教育体制あり」の中身

私は老健とデイサービスで採用と受け入れにかかわってきました。

求人票に「教育体制あり」とあっても、現場で誰が何日一緒につき、いつから1人で担当するかは分かりません。

私のいた職場では、新しく入った人へ「何でも聞いてください」と伝え、こちらから声をかけていました。

細かな研修制度より、質問しやすい空気を作ることを意識していたからです。

そうしていたのは、私自身が転職先で誰からも話しかけられず、周りだけで輪ができているように感じた経験があったからです。

「質問してよい」と書いてあっても、入職した人から毎回声を上げるしかない職場では、遠慮して聞けない日が出てきます。

これは私がいた老健・デイサービスでの話であり、病院や別の施設、STの教育方法まで同じとは言えません。

次の職場を見るときは、採用担当者だけでなく、できれば現場のリハ担当者にも受け入れの流れを聞いてください。

あなたの能力を決めつける前に、力を出せる条件が今の職場にあるかを見直しましょう。

辞めるべきか、続けるべきか|後悔を減らす判断軸

体調と原因に応じて休む・相談・異動・転職を選ぶ図

判断するときは、今の体調、つらさの原因、職場で変えられることの3つを見ます。

「辞めるか我慢するか」だけで考えると、休むことや異動することが見えなくなります。

今の状態先に考えること
眠れない、動悸がするなど不調が続く休息を取り、医療機関や相談窓口を頼る
特定の業務や人間関係がつらい担当の調整や異動ができるか相談する
相談しても仕組みが変わらないほかの職場と条件を比べる
職場を変えてもSTの仕事を続けたいと思えない資格を使わない仕事も含めて整理する
一度にすべて決めず、今の状態に合う一手から考えます。

例えば「嚥下の相談ができない」ことが主な理由なら、今の職場で確認先を作れるか、別の職場ではどうしているかを比べると判断しやすくなります。

反対に、休みの日も不安で体が落ち着かないなら、求人を比べる作業さえ負担になることがあります。

いま必要なのが「答え」なのか「休む時間」なのかを先に見てください。

体調に影響が出ているなら判断を急がない

不調が続くときは、求人を探す前に休息と相談を優先してください。

この記事だけで体調の原因は決められないため、医療機関の受診や職場の産業保健スタッフへの相談も考えてください。

話せる人が近くにいない場合は、厚生労働省の働く人向け窓口「こころの耳」でも相談先を探せます。

STを続けたい気持ちが残っているなら

患者さんとの関わりには意味を感じるのに職場へ行くのがつらいなら、環境が合っていないのかもしれません。

別の職場でも同じ悩みが起きるとは限らないため、辞める前に「次なら何が違ってほしいか」を書いてみましょう。

一方で、STの仕事そのものに迷いがあるなら、給与や職場の良さだけで転職先を決めず、資格を使わない働き方も調べてよいと思います。

これは適性の判定ではなく、後悔を減らすための整理です。

職場を変える可能性がある方は、希望地域でSTの求人があるか、担当領域や相談体制を比べるところから始められます。

PTOT人材バンクはST求人を都道府県別に探せますが、地域や希望条件によって紹介できる求人の数は異なります。

候補を見るときは、通勤できる範囲、担当したい領域、相談できる相手などから譲れない条件を2つ選んでおくと、求人の多さだけで選ばずに済みます。

\ 希望地域でST求人の条件を比べる /

※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動し、登録後は担当者から連絡があります。

辞めたいとき、まず何をする?|2年目でも遅くない

まだ退職を決めていないなら、最初の行動は退職届を書くことではありません。

つらさを短くメモし、職場に頼むことと、外で調べることを分けます。

つらかった場面と変えてほしい条件を書く

「仕事がつらい」だけでは、上司にも次の職場にも伝わりにくいものです。

例えば「食事場面の判断を相談できない」「休日にも記録が気になる」「家族への説明を1人で任される」のように、起きた場面を書きます。

その右に「相談先を決める」「担当数を見直す」「説明に同席してもらう」など、必要な変化を1つずつ置いてください。

上司へ頼み方を変え、返答の期限を決める

相談する元気が残っているなら、メモから1つ選んで上司に伝えます。

「食事形態の判断で迷ったときの相談先を決めたいです。誰に、どのタイミングで確認できますか?」

言い出すだけでも気力を使うからこそ、何度も同じ説明をしなくてよいよう、相談した日と返答を残しておきます。

返答が曖昧なら、次の面談日を決め、そこで具体策が出るかを見てください。

体調が悪いときは、この手順をやり切ろうとせず、休むことを先に考えてください。

2年目の転職では退職理由より次の希望を整理する

経験2年目で辞めると経歴に響くのでは、と怖くなるかもしれません。

在籍期間だけで採用が決まるとは言えませんが、短い期間で職場を変える理由を聞かれることはあります。

「相談できる環境で嚥下の経験を積みたい」のように、困ったことと次に求める条件を事実に沿ってつなぐと、説明しやすくなります。

面接では「前の職場が悪かった」で止めず、「相談体制を確認しながら嚥下の経験を積みたい」と、これから学びたいことまで伝えると話が具体的です。

ただし、今の職場でつらかった事実を無理に美談へ変える必要はありません。

経験年数が短いからこそ、次は誰と働き、どんな支援を受けながら担当するのかを、求人票だけで判断しないことが大切です。

年数を埋めるためだけに心身の不調を我慢する必要はありません。

STの転職先をどう選ぶ?働く場所ごとの確認項目

職場を変えるなら、施設名よりも「今のつらさが何によって変わるか」で選びましょう。

病院から施設へ移れば楽になる、訪問なら自由に働ける、と一律には言えません。

働く場所確認したい違い
病院STの実人数、症例相談の時間、他職種との決定手順
老健・デイなど介護領域生活場面への関わり方、STに求める役割、1人配置時の支援
訪問単独訪問時の相談先、移動と記録の時間、同行の有無
小児・発達支援担当する子どもの領域、保護者対応、入職後に学べる仕組み
同じ施設種別でも、実際の担当範囲と相談体制は職場ごとに違います。

ST以外の仕事も考えたいとき

職場を変えてもSTの仕事内容を続けたいと思えないなら、別の仕事を調べることも選択肢です。

ただし、いま疲れ切っているときに「もう資格を使わない」と決める必要はありません。

人と関わること、言葉や食事を支えること、医療・介護の現場で働くことのうち、何を残したくて何から離れたいのかを分けてみましょう。

資格を使わない仕事を選ぶなら、収入・勤務時間・必要な経験を求人ごとに確かめ、今の生活で続けられるかも見てください。

職種を変えるか迷ったままでも、まず休む、ほかのST職場を見る、別職種の求人を読むという順番なら、選択肢を狭めずに済みます。

周囲に「せっかく資格を取ったのに」と言われても、資格を生かすかどうかは今の職場で働き続けられるかとは別の判断です。

転職後の後悔を減らす見学の質問

見学時にSTの人数・相談相手・教育の流れを尋ねる図

求人票の「教育体制あり」や「多職種連携」は、言葉だけでは中身が分かりません。

私は採用する側にいたとき、見学で現場のリハ担当者へ直接聞くのが早いと感じていました。

STの場合も、次の質問を自分の困りごとに合わせて使えます。

  • 「実際に勤務しているSTは何人で、同じ時間帯に何人いますか?」
  • 「嚥下や支援方針で迷ったとき、誰へどのように相談しますか?」
  • 「入職後は何日ほど同行し、いつから単独で担当しますか?」
  • 「担当する患者さん・利用者さんの領域と、1日の担当数は?」
  • 「記録・会議の時間は勤務内に取れますか?」

人数を聞いたら、常勤か非常勤か、同じ日に重なるかも確かめてください。

「STは3人います」と言われても勤務日が分かれていれば、日中に相談できる相手がいない時間はあり得ます。

同行が「数日あります」だけなら、その間に何を一緒に行い、単独担当になった後は誰が確認するかまで聞くと、入職後の働き方を想像しやすくなります。

答えが具体的でなければ見学時に現場の人へ聞き直し、担当者が答えられないことを「体制がない」と決めつけないでください。

紹介担当を使うなら質問を先に渡す

紹介担当へ頼む場合も、「STが複数いるところがいい」だけでは職場を絞りにくいものです。

「嚥下の判断を相談できる人がいるか」「入職直後の同行はあるか」「希望地域に求人があるか」と伝え、確認できたことと未確認のことを分けてもらいましょう。

紹介担当が職場のすべてを知っているとは限らないため、面接や見学で自分でも確かめてください。

今の悩みに合う求人を探す方は、上の質問を手元に置いて、PTOT人材バンクでST求人を確認できます。

連絡を受けたくない方や、すでに行き先が決まっている方は、登録せず公開求人や見学だけを使う方法もあります。

\ STの人数と相談体制を質問する /

※ PTOT人材バンクの公式サイトに移動し、登録後は担当者から連絡があります。

複数の紹介サービスを比べたい方は、リハビリ転職エージェントの比較記事も参考にしてください。

言語聴覚士の「辞めたい・辛い」に関するよくある質問

言語聴覚士を辞めたいと思うのは甘えですか?

甘えと決めつける必要はありません。つらさの原因を仕事・職場・働き方に分けると、必要な対応が見えます。

STの仕事が楽しくないなら転職しても同じですか?

同じとは限りません。患者さんとの関わりは好きでも、相談先や業務量がつらい場合があります。職場を変えれば変わる条件を先に書き出してみてください。

2年目で辞めると次の採用に響きますか?

在籍期間だけで決まるとは言えませんが、理由を聞かれる可能性はあります。困ったことと次に希望する条件を事実に沿って説明できるようにしておきましょう。

言語聴覚士を辞めて別の仕事を選んでもよいですか?

選択肢の1つです。まずは職場を変えても続けたい仕事内容があるかを整理し、収入や生活条件も含めて比較してください。判断の目安を先に確認できます。

出勤前に動悸がする日が続いています。何から始めればよいですか?

原因をこの記事だけで判断せず、休息と医療機関への相談を優先してください。職場へ話しにくい場合はこころの耳の相談窓口も利用できます。

まとめ|辞めたい・辛いは、あなたが弱いからではない

「STを辞めたい」と思ったときに、今日すべてを決める必要はありません。

仕事のどの場面がつらかったか、何が変われば続けられそうかを、まず1行ずつ書いてみてください。

今の職場で改善を頼むことも、別の職場を調べることも、ST以外の道を考えることもできます。

今のつらさを、そのままあなたの能力の評価にしなくていいんです。

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