「30代から理学療法士を目指したい。でも、年齢的に遅くないだろうか?」
国家資格であり、手に職をつけられる仕事として人気の理学療法士。
しかし、現場からは「正直、今から目指すのはおすすめしない」という厳しい声が上がっています。
<悩める人>30歳だけど、人の役に立てる理学療法士になりたい!!



やりがいは凄くありますが、お金のことを考えると今は人におすすめできなくなってるのが現状です。



やりたいけど、お金に困るのはイヤだ。。
「仕事のやりがいはある。でも、お金や将来性を考えると……」
ここ20年で理学療法士は爆発的に増え、養成校すら減り始めているのが現実です。
この記事では、30代から理学療法士を目指すリスクと、それでも挑戦したい人が知っておくべき覚悟、そして「安定とやりがい」を手に入れるためのより賢い選択肢について、忖度なしの本音で解説します。
30代から理学療法士を目指すのは「おすすめしない」と言われる3つの理由


「30代からでも理学療法士になれますか?」
この質問に対する私の答えは、残酷ですが「なれるけれど、おすすめはしない」です。
確かに、資格取得に年齢制限はありませんし、仕事自体には大きな「やりがい」があります。
しかし、現役の理学療法士として現場を見ている立場からすると、「お金や将来性のことを冷静に考えたら、やめておいた方がいい」と言わざるを得ないのが現実です。
なぜ、いま30代からこの道に進むことが「茨の道」とされるのか。元管理者視点で感じるリアルな3つの理由を解説します。
ここ20年で急増!「飽和状態」による就職難と学校閉鎖の現実
最大のリスクは、理学療法士の数が増えすぎたことによる「希少価値の低下」です。
20年前であれば「資格さえあれば一生安泰」と言われていましたが、今は状況が全く異なります。
ここ15年ほどで理学療法士の養成校が爆発的に増え、資格保持者が市場に溢れかえりました。
その結果、何が起きているかご存知でしょうか。
- 有資格者が多すぎて、希望の条件で就職できない
- 供給過多により、給料相場が下がっている
- 定員割れを起こし、学生募集を停止する学校が増え始めた
すでに業界は「学校が少なくなりつつあるフェーズ」に入っています。需要よりも供給が上回っているレッドオーシャンに、30代から飛び込むリスクは計り知れません。
30代・未経験スタートの「費用対効果(コスパ)」が悪すぎる
30代は本来、キャリアを積み上げて年収を伸ばしていく時期です。
しかし、これから理学療法士を目指す場合、以下の「莫大なコスト」が発生します。
- 300万〜500万円ほどの高額な学費
- 昼間部なら3年〜4年間の「無収入期間」
- 国家試験に受かるための膨大な勉強時間
これだけの投資をして、いざ就職した時の初任給は手取り20万円前後が一般的。
正直なところ、「かけた費用と時間を回収するのに何年かかるのか?」と考えると、コストパフォーマンスは最悪と言わざるを得ません。
もしあなたが「今の仕事が辛いから」という理由で資格取得を目指しているなら、一度立ち止まってください。
ゼロから資格を取るよりも、「今のキャリアや経験を評価してくれるホワイト企業」へ転職する方が、リスクなく年収アップできる可能性が高いからです。
体力勝負の現場と「年下の上司」という人間関係の壁
理学療法士は、想像以上に「体力勝負」の仕事です。
自分より体重の重い患者様を抱えたり、1日中立ちっぱなしでリハビリを行ったりと、腰や膝への負担は相当なもの。
30代でスタートして、40代、50代と年齢を重ねたとき、20代と同じパフォーマンスを出し続けられるかは大きな課題です。
また、現場に出れば「指導役(バイザー)がひと回り年下の20代前半」というケースも当たり前にあります。
社会人経験のあるあなたが、新卒のような扱いで年下から厳しく指導される。
この「プライドとの戦い」に耐えられず、早期に離職してしまう30代転職者が後を絶ちません。
それでも目指すなら覚悟が必要!30代学生のリアルなお金と時間


30代から理学療法士を目指すという決断は、あなたの人生を大きく変える素晴らしい挑戦です。
しかし、現役の視点から正直にお伝えすると、「やりがい」だけで突っ走るにはリスクがあまりにも大いと思ってます。
学費400万+無収入3年間の「機会損失」を計算してみた
理学療法士になるには、養成校に最低3〜4年通う必要があります。
ここで多くの人が見落とすのが、「学費」だけでなく「働いていれば得られたはずの収入」がなくなるという事実です。
30代社会人が学校に通うためのコストをざっくり試算してみましょう。
- 学費・教材費:約400万〜500万円
- 4年間の機会損失:約900万〜1200万円
(※現在の年収が300〜400万円の場合)
つまり、トータルで約1,500万円近い「見えない借金」を背負ってスタートするのと同じことです。
ストレートに合格できたとしても、このマイナス分を理学療法士の給料だけで回収するには、定年まで働いてもギリギリかもしれません。
初任給は手取り20万以下?30代で家族を養えるのか
苦労して国家資格を取得しても、待っているのは「新卒扱い」の給与明細です。
理学療法士の給料は、一般企業のように年齢給が考慮されるケースは稀で、22歳の新卒と同じ水準からスタートします。
ここ20年ほどで理学療法士の数は爆発的に増えました。
供給過多の状態が続いているため、給与水準は上がりにくく、初任給の手取りは20万円を下回ることも珍しくありません。
独身であれば生活できますが、もしあなたに養うべき家族や子供がいる場合、「お金のことを考えなければあり」という悠長なことは言っていられないのが現実です。
合格してもゴールではない?就職活動での年齢フィルター
さらに厳しい現実として、就職活動における「年齢の壁」があります。
体験談にもある通り、理学療法士が急増したことで飽和状態となり、今はむしろ養成校が淘汰されて減少しつつあるフェーズに入っています。
病院や施設側も、採用選考においてシビアになっています。
- 長く働ける20代の若手
- 扱いやすく、給与も安く済む新卒
これらと比較されたとき、30代の「新人」は不利になりがちです。
もしあなたが「今の仕事が辛いから」「手に職をつけたいから」という理由だけで理学療法士を目指しているのなら、一度立ち止まって考えてみてください。
もし「現状を変えたい」「年収を上げたい」というのが真の目的であれば、理学療法士以外の道もあります。
まずは今のあなたの経験やスキルを活かして、より条件の良い企業へ就職する方が、経済的なリスクはゼロに等しく、確実な選択肢かもしれません。
「やりがい」と「安定」は理学療法士以外でも手に入る


「やりがいがある仕事がしたい」
「一生ものの資格で安定したい」
そう考えて理学療法士を目指す30代の方は少なくありません。
しかし、もしあなたが「経済的な安定」や「将来への安心」を最優先に考えているのなら、理学療法士以外の道も検討すべきです。
なぜなら、30代から学校に通って資格を取るリスクは、想像以上に大きいからです。
ここでは、視野を少し広げて、「資格」にこだわらなくても手に入る「やりがい」と「安定」について解説します。
あなたが本当に欲しいのは「資格」ですか?それとも「安心」ですか?
多くの人が理学療法士を目指す動機として、「国家資格があれば一生安泰」というイメージを持っています。
しかし、現役の理学療法士からのリアルな声にもある通り、その神話は崩れつつあります。実際、理学療法士はここ20年ほどで爆発的に増加しました。
現状はむしろ多すぎる状態で、養成校が定員割れを起こして減少し始めているフェーズに入っています。
つまり、「資格さえ取れば安心」という時代は終わったのです。
あなたが本当に求めているのは、「理学療法士の免許証」そのものでしょうか?
それとも、「家族を養える収入」や「リストラの不安がない生活」でしょうか?
もし後者であれば、時間とお金をかけて飽和状態の業界に飛び込むよりも、これから伸びる業界や、給与水準の高い職種へ転職する方が、確実な「安心」を手に入れられる可能性があります。
医療・介護業界以外にもある「人の役に立つ」安定した仕事
「人の役に立ちたい」「感謝される仕事がしたい」という想いは素晴らしいものです。
ですが、それは医療職でなければ叶えられないわけではありません。
例えば、クライアントの課題を解決するITコンサルタントや、求職者の人生をサポートする人材コーディネーターなども、直接的に人から感謝される仕事です。
しかも、これらの業界は理学療法士よりも平均年収が高いケースが多く、キャリアアップのスピードも早いのが特徴です。
「仕事のやりがいはあるけれど、お金の面ではおすすめしない」
この現役PTの警告を真剣に受け止めるなら、「やりがい」と「十分な収入」の両方を満たせる別の選択肢を探すのが賢明な大人の判断と言えるでしょう。
30代の強みは「これまでの社会人経験」にある
30代から理学療法士を目指す最大のデメリットは、これまでの社会人キャリアが一度「リセット」されてしまう点です。
学校を卒業して現場に出れば、年下の上司の下で、新卒給与からのスタートになります。
「自分には特別なスキルなんてない…」と諦める前に、まずは転職エージェントに相談して、自分の「市場価値」を確認してみてください。
プロの視点で見れば、あなたが当たり前だと思っている経験が、実は他の業界で高く評価される「強み」になることは往々にしてあります。
数百万円の学費を払って学生に戻る決断をする前に、まずは無料で使える転職サービスを利用して、「今のままで勝負できる道」がないか探ってみましょう。
それが、30代からのキャリア選択で失敗しないための、最もリスクの低い第一歩です。
30代からのキャリアチェンジを成功させる「賢い戦略」


30代から理学療法士を目指すのは、仕事への情熱があれば素晴らしい選択ですが、現実的なリスクも無視できません。
特に「経済面」と「業界の将来性」については、感情論ではなくデータと現場の声をもとに冷静に見極める必要があります。
いきなり数百万の学費を払って養成校に入学する前に、まずはあなたにとってのリスクを最小限に抑える方法を考えましょう。
ここでは、後悔しないために30代が取るべき「賢いキャリア戦略」について解説します。
異業種への転職におすすめの総合型エージェント3選
理学療法士への道以外にも、30代が輝ける場所はたくさんあります。
視野を広げるためには、自分一人で求人を探すのではなく、プロの力を借りて「隠れた優良求人」を紹介してもらうのが鉄則です。
ここでは、異業種へのキャリアチェンジを検討する際に登録しておくべき、信頼できるサービスの特徴をご紹介します。
- 圧倒的な求人数を持つ最大手エージェント
まずは業界最大級のサービスに登録しましょう。
あらゆる職種の求人を網羅しているため、「自分でも気づかなかった適職」に出会える可能性が高まります。 - サポートが手厚い親身なエージェント
初めての異業種転職では不安がつきものです。
書類添削や面接対策を丁寧に行ってくれるエージェントを選べば、30代からの未経験分野への挑戦も強力にバックアップしてくれます。 - キャリアアップ・年収重視のエージェント
今のスキルを活かして、より高待遇な環境を目指すならハイクラス向けも検討しましょう。
資格取得に時間を費やすよりも、今の経験を高く評価してくれる企業へ移る方が、生涯年収が高くなるケースは多々あります。
転職エージェントの利用は基本的に無料です。「まずは話を聞いてみるだけ」でも、自分の可能性を知る大きなきっかけになります。
【現役PT向け】今の職場に不満があるなら「環境」を変えよう
もし、あなたがすでに理学療法士として働いていて、「給料が上がらない」「激務で疲弊している」と悩んでいるなら、我慢せずに環境を変えることをおすすめします。
理学療法士の業界全体が飽和傾向にあるとはいえ、待遇は職場によって雲泥の差があるからです。
「この業界はどこも同じだ」と諦めるのは早計です。
訪問リハビリテーションや自費診療分野など、需要が高く給与水準が良い領域は確実に存在します。
今の職場に留まり続けて不満を抱くよりも、転職サイトを活用して、あなたのスキルを正当に評価してくれる場所を探しましょう。
働く場所を変えるだけで、年収やワークライフバランスが劇的に改善することは珍しくありません。
まとめ
30代から理学療法士を目指すことは決して不可能ではありません。
しかし、現場の実情や経済的なコストパフォーマンスを冷静に見つめると、「多額の学費と時間を投資してまで目指すべきか」は慎重に判断する必要があります。
記事でお伝えした通り、業界はすでに飽和状態にあり、資格を取れば安泰という時代は終わりました。
特に30代にとっては、キャリアのリセットや年下上司との関係、そして給与面での厳しい現実が待ち受けています。
もしあなたが「経済的な安定」や「今の生活を変えたい」という動機で資格取得を考えているのなら、今のキャリアや経験を活かして、より条件の良い異業種へ転職する方が、リスクが少なく確実な選択肢と言えるでしょう。
それでも理学療法士の道を歩むのであれば、相当な覚悟が必要です。
大きな決断をしてから後悔しないためにも、まずは視野を広く持ち、転職エージェントなどで「自分の市場価値」や「他の選択肢」を知ることから始めてみてください。
それが、あなたの人生を守る賢い第一歩になるはずです。










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