「今の職場を辞めたいけど、上司にどう伝えればいいかわからない…」
「人手不足の職場で、退職を言い出すのが気まずい」
PTの世界は狭いので、できるだけ角を立てずに円満退職したいですよね。
この記事では、老健やデイサービスで管理職をしていた私が、退職したいときに伝える「失敗しない退職の伝え方」を、そのまま使える例文付きで解説します。

今までに4回の転職経験があり。
詳しいプロフィールはコチラ!
【1社目】総合病院▶急性期・回復期・ターミナルを経験。
【2社目】老健▶入所・通所・訪問を経験。介護認定審査員なども務める。
【3社目】介護系有限会社▶介護予防事業立ち上げ、その後デイサービスの管理者も兼任。介護予防事業では、市とも連携して介護予防事業の普及に尽力。
【4社目】老健(現在)▶友人の紹介で転職。入職して半年で副主任、1年で主任を任命。
さらに、しつこい引き止めをスマートにかわすコツや、退職交渉を有利に進めるための裏ワザもご紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
PTが退職を切り出すベストなタイミングと伝え方

「退職したい」と伝える瞬間、心臓が飛び出るほど緊張しますよね!その気持ち、痛いほどわかります。
<ぜおん>私自身、4回転職を繰り返してますが、退職を切り出す時はかなり緊張しました。
でも、タイミングと順序さえ間違えなければ、トラブルは防げるから安心してください。
ここでは、PTが円満に退職を切り出すための具体的な作法をお伝えします。
法律とマナーから考える「伝える時期」はいつ?
まず結論から言うと、退職希望日は「退職の1〜3ヶ月前」に伝えるのがベスト。
民法上は「2週間前」に伝えれば辞められることになってますが、私たちPTには「担当患者さんの引き継ぎ」という大事な仕事があります。
後任への申し送りやサマリー作成を考えると、2週間では到底間に合わないのが現実です。
職場によっても就業規則が変わるため、まずは確認するようにしてください。
「退職は◯ヶ月前までに申し出ること」と記載されている場合が多いです。
誰に伝える?まずは直属の上司(科長・リーダー)へ
退職の意思が固まったら、最初に伝える相手は「直属の上司」になります。
リハビリテーション科の科長や、チームリーダーなどが該当します。
ここでいきなり院長や事務長、看護部長などに話を持っていくのは絶対にNGです。



私の以前の職場では、看護師さんが看護部長には言わず事務長に相談して、退職まで辛い当たりをされるケースもありました。
直属の上司の顔を潰すことになってしまうため、「なんで俺に先に言わなかったんだ」とヘソを曲げられて、その後の退職手続きがスムーズに進まなくなる可能性があります。
切り出すためのアポイントの取り方【メール・口頭】
上司に伝える際は、いきなり「辞めます」と言うのではなく、まずは面談のアポイントを取るようにしましょう。
リハビリ業務でバタバタしている最中に話しかけるのは避けて、基本的には、業務終了後や休憩時間など、上司の手が空いているタイミングを狙うのがいいでしょう。
【口頭で伝える場合】
「〇〇科長、今後のことでご相談があります。今日の業務終了後、少しお時間をいただけないでしょうか?」
と、深刻になりすぎずに声をかけてみてください。
また、上司が忙しくて捕まらない時は、先にメッセージを送っておくのもいいでしょう。
【メールやLINEで送る場合】
「お疲れ様です。個人的なご相談があり、お時間を頂戴したいです。ご都合の良い日時を教えていただけますでしょうか」
このように送れば、「あ、退職の話かな」と上司も察して心の準備をしてくれるため、少し言いやすくなるかもしれません。
【そのまま使える例文】角が立たない退職理由の伝え方


退職理由は「伝え方」次第では驚くほどスムーズに受け入れてもらえます。
ここでは、角を立てずに「応援される退職」にするための例文を紹介するので、ご自身の状況に合わせてアレンジして使ってみてください。
基本ルール:ネガティブな「本音」はポジティブな「建前」に変換
まず大前提として、不満をそのままぶつけるのは基本的にNGと思っておきましょう。
- 給料が安い
- 残業が多い
- 人間関係が最悪
本音では思っていても、そのまま伝えてしまうと、自分にとってプラスにならないのが現状です。
退職理由は、必ず「個人のポジティブな事情」に変換しましょう。
例文1:キャリアアップ・領域変更を理由にする
PTとして、もっと専門性を高めたいという理由は最も受け入れられやすいです。
ポイントは、今の職場への感謝を伝えつつ、「環境を変えないとできないこと」を強調すること。
「ここでは学べない」ではなく、「新しい分野に挑戦したい」と言い換えて使ってみてください。
【そのまま使える例文】
実は、以前から興味があった訪問リハビリに挑戦したいと考え、退職を決意しました。
急性期である当院で学ばせていただいたリスク管理の知識は、私の財産です。
しかし、退院後の患者様の生活により深く関わりたいという思いが強くなりました。
今の環境には感謝していますが、新しい領域で自分の力を試してみたいんです。
例文2:家庭の事情(結婚、介護、転居)を理由にする
家庭の事情は、職場側がどうしても介入できない最強の理由となるため、引き止めにあう確率はグッと下がるはずだよ。
嘘をつくのは良くないけれど、自分の将来を良くするために、この手を使うのもアリでしょう。
「続けたい気持ちはあるけれど、物理的に難しい」というニュアンスを出すのがコツになります。
【そのまま使える例文】
一身上の都合で大変恐縮ですが、退職をさせていただきたくお時間をいただきました。
実は、実家の両親の介護が必要になり、今の勤務形態で働き続けることが難しくなりました。
仕事にはやりがいを感じており、ご迷惑をおかけするのは心苦しいのですが。
家族で話し合った結果、実家近くに戻ることを決めました。
私としても苦渋の決断ですが、ご理解いただけますと幸いです。
例文3:体調不良やワークライフバランスを理由にする
PTは身体が資本だから、腰痛や体力的な限界、メンタル不調も立派な退職理由になります。
ただし、「仕事が辛い」だけだと甘えと捉えられることもあるから注意が必要。
「診断書」や「医師から休養を勧められた」という事実があれば、さらに切り出しやすくなります。
【そのまま使える例文】
以前から腰痛を抱えながら業務にあたってきましたが、最近悪化してしまいました。
医師からも、移乗介助の多い今の業務を続けるのは難しいと診断を受けています。
スタッフの皆さんにこれ以上ご迷惑をおかけするわけにはいきません。
治療に専念し、身体への負担が少ない働き方を模索するために退職を決断しました。
急なお話で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
「人手不足だから…」と引き止められた時の断り方


「人手不足だから」と言われて、退職をしたくてもなかなかできないケースもあります。
残される同僚や、担当している患者さんの顔が浮かんで、言い出せなくなる気持ちもわかります。
でも、あなたの人生を犠牲にしてまで、守らなければならない職場なんてありません。
ここでは、よくある引き止め文句に対する、具体的な切り返し方を伝授します。
情に流されず、自分の未来のために毅然と対応しましょう。
情に流されないためのマインドセット
PTって責任感が強い人が多いので、「私が辞めたら現場が回らなくなる」って思っちゃう人も多いのではないでしょうか?
ただ、人員配置を整えるのは経営者の仕事であって、一職員であるあなたの仕事ではありません。
あなたが辞めて現場が回らなくなるなら、それは組織の構造的な欠陥があるからです。
退職は労働者に認められた正当な権利なので、「今までありがとうございました」という感謝の気持ちは持ちつつも、自分のキャリアと人生を最優先にするマインドを持ちましょう!
「時期をずらしてほしい」と言われた時の対処法
「後任が見つかるまで待って」とか「年度末まではいてほしい」ってやつね。
これに応じると、ズルズルと半年、1年と先延ばしにされるのがオチだよ。
一番効果的な断り方は、「次の職場の入職日が決まっているので、変更できません」と言い切ること。
「まだ調整中」なんて隙を見せると、相手はそこを突いてくるからね。
もし、自分一人で「入職日が…」と言い切るのが不安なら、転職エージェントを味方につけるのが一番。
特に『レバウェルリハビリ』のような業界に強いエージェントなら、入職日の交渉もプロが間に入ってくれる。
「エージェントを通じて先方と契約済みなので、私の一存では変えられません」と言えば、上司もそれ以上は無理強いできない。
第三者の存在を盾にするのは、円満に、かつ確実に辞めるための賢い戦略だよ。
「給与を上げるから」と言われた時の対処法
「給料上げるから残ってよ」なんて言われたら、ちょっと心が揺らぐかもしれません。
実際に人手で困っていると、「退職」を匂わせることで条件が上がる職場も実際にあります。
でも、一度冷静になって考えてみてください。
「辞める」と言わなければ、
正当に評価してくれなかった職場ということです!
たとえ、そこで給与が少し上がったとしても、激務や人間関係といった根本的な悩みは解決しません。
一時的な条件改善で引き止めるのは、その場しのぎの常套手段です。
断る時は、「評価はありがたいですが、今回は待遇の問題ではなく、新しい分野に挑戦したい気持ちが強いです」と伝えるようにしましょう。
円満退職の秘訣は「退職を伝える前」に次を決めておくこと


スムーズに退職するための「切り札」 は、退職を伝える前に「次の職場」の内定を確定させておくことです。
なぜこの順序が重要なのか、詳しく解説していきます。
「次が決まっている」が最強の交渉カードになる理由
上司が退職を引き止める時、よく使う言葉があります。
「今辞められると困る」「もう少し考えてみてほしい」といった、情に訴えるパターン。
正直、真面目なPTほどここで心が揺らいでしまいますよね。
でも、すでに次の職場が決まっていれば話は別です。
「4月1日から〇〇病院での勤務が決まっています」と伝えるだけで、上司はそれ以上引き止めようがなくなります。
「相談ではなく決定事項として伝えること」これが、泥沼化を防いで円満に辞めるためのポイントです。
逆に、「退職を考えています」という曖昧な状態だと、上司も「まだ説得の余地がある」と判断してしまう可能性もあります。
退職が決まってから探すのはリスクが高すぎる
就職先が決まっていないで退職をしてしまうと、以下のようなリスクがあります。
- 収入が途絶える焦りから、条件の悪い職場を選んでしまう。
- ブランク期間ができると、再就職時の給与交渉で足元を見られやすくなる。
- 「すぐに働きたい」という気持ちが先行して、また同じような悩みを持つ職場に入ってしまう。
特にリハビリ職は、年度末やボーナス時期など求人が動くタイミングが決まっていることが多いため、焦って転職先を決めると、「前の職場の方がマシだった…」なんて後悔することになりかねません。
精神的な余裕を持って良い条件で転職するためにも、在職中の活動が絶対におすすめです。
働きながら効率よく次の職場を見つける方法
とはいえ、毎日の臨床業務に追われながら転職活動をするのは大変だと思います。
1日18単位以上回って、カルテを書いて、委員会や勉強会にも出て…となると、求人票を眺める時間すら惜しいはず。
そこでおすすめが、リハビリ職に特化した転職エージェントです。
自分の代わりに条件に合う求人を探してくれて、面接の日程調整や給与交渉まで代行してくれるので、忙しいPTにはかなりありがたいと思います。
【実際に登録してみた】転職エージェントを使うメリットとデメリット


「PTの転職エージェントって聞いたことあるけど、しつこいって聞くし、めんどくさそう」
そう思う人もいるかもしれません。
なので、実際に私が登録してみて、どうだったかをリアル体験ベースでお話します。
PTが転職エージェントを使うメリット
使ったことがない人のために簡単に説明すると、転職エージェントはしっかりと1人について転職先の提案やアドバイスを行ってくれます。
募集している職場が手数料を支払うため、私たち探す側は1円もかからずに手厚いサービスを受けることができます。
それでは、どんなメリットがあるか、見ていきましょう!
- 非公開求人にアクセスできる
一般には出回らない好条件・急募求人を紹介してもらえることがある - 職場の内部情報を教えてもらえる
人間関係、離職率、残業の実態など、求人票だけでは分からない情報が得られる - 条件交渉を代行してくれる
年収・勤務時間・休日などを自分で言いにくい場合でも交渉してもらえる - 転職活動の手間が減る
求人探し、応募、日程調整などをまとめて任せられる - 履歴書・職務経歴書の添削が受けられる
医療職に特化したアドバイスをもらえることが多い - 面接対策をしてもらえる
PTが転職エージェントを使うデメリット
転職エージェントは基本おすすめですが、100%完璧というわけではありません。
特に言われているのが、転職を急かされてしまうパターンです。
先にお伝えしたように、転職エージェント側からすると、あなたが就職をしてくれて初めて売上になるため、
「施設見学だけのつもりでいたら面接までして、さらに採用されて流れで就職してしまった」というケースも多く存在します。
職場選びは、これからの人生を左右するため、慎重に行うようにしましょう。
他にも、以下のようなデメリットが挙げられます。
- 転職を急かされることがある
成果報酬型のため、早く決めるようプレッシャーを感じる場合がある - 希望と違う求人を勧められることがある
条件よりも「決まりやすさ」を優先されるケースもある - 担当者の質にばらつきがある
PT業界に詳しくない担当者だと、的外れな求人を勧められることもある - 自分のペースで動きにくい
頻繁な連絡や提案が負担に感じる人もいる
このデメリットに関しては、数年前から不満の声として挙がっていたため、しっかりしている転職エージェントはかなり改善されてますが、小さめの会社だと、まだこの傾向はあります。
私が実際に登録して最もよかったエージェント
私自身、4回の転職を経験して、様々なエージェントにも登録しています。
合計で5ヶ所は登録しているため、ある程度状況はわかってますが、最も良かったエージェントは「レバウェルリハビリ」でした。
求人数や非公開求人も多く、何よりしつこい営業は一切なかったです。
登録の流れとしては以下の通りです。
この時は電話やアドレスも求められます
最初は担当者から電話がかかってきます。
しっかりと自分の状況を伝えることで、合った求人を探してくれるため、希望をしっかりと伝えるようにしましょう
私の場合、電話で色々と聞かれた後に担当の方用のLINEを登録するように言われました。
探してる求人だけでなく、実際に進んでいったときに、職場先への聞きづらい質問などもLINEから気軽に聞くことができます。
まとめ
退職を切り出す直前って、心臓が飛び出るくらい緊張しますよね!
「引き止められたらどうしよう」
「気まずくならないかな」
こんなことを考ながら仕事をしていても、楽しくありませんよね。
今回紹介した手順と例文を使えば、退職も切り出しやすくなるはずです。
最後にまとめると、
【まずは話を切り出すときの例文】
【口頭で伝える場合】
「〇〇科長、今後のことでご相談があります。今日の業務終了後、少しお時間をいただけないでしょうか?」
【メールやLINEで送る場合】
「お疲れ様です。個人的なご相談があり、お時間を頂戴したいです。ご都合の良い日時を教えていただけますでしょうか」
【実際に伝える時の例文】
【キャリアアップ・領域変更を理由にする場合】
実は、以前から興味があった訪問リハビリに挑戦したいと考え、退職を決意しました。
急性期である当院で学ばせていただいたリスク管理の知識は、私の財産です。
しかし、退院後の患者様の生活により深く関わりたいという思いが強くなりました。
今の環境には感謝していますが、新しい領域で自分の力を試してみたいんです。
【家庭の事情(結婚、介護、転居)を理由にする場合】
一身上の都合で大変恐縮ですが、退職をさせていただきたくお時間をいただきました。
実は、実家の両親の介護が必要になり、今の勤務形態で働き続けることが難しくなりました。
仕事にはやりがいを感じており、ご迷惑をおかけするのは心苦しいのですが。
家族で話し合った結果、実家近くに戻ることを決めました。
私としても苦渋の決断ですが、ご理解いただけますと幸いです。
【体調不良やワークライフバランスを理由にする場合】
以前から腰痛を抱えながら業務にあたってきましたが、最近悪化してしまいました。
医師からも、移乗介助の多い今の業務を続けるのは難しいと診断を受けています。
スタッフの皆さんにこれ以上ご迷惑をおかけするわけにはいきません。
治療に専念し、身体への負担が少ない働き方を模索するために退職を決断しました。
急なお話で申し訳ありませんが、よろしくお願いいたします。
ぜひ参考にしてみてください!










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